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世襲の日本史 「階級社会」はいかに生まれたか NHK出版新書

本郷和人(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NHK出版
発売年月日 2019/09/10
JAN 9784140886014

世襲の日本史

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商品レビュー

3.7

12件のお客様レビュー

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2023/11/17
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地位より人、人というのは血、むしろ血より家、これが日本の大原則。 ヤンキーにあこがれる精神は、階級意識の裏返し。 かつての日本では、頭頂部を人に見せるのは恥だった。烏帽子をかぶる。寝ているときも。 社会で世襲が存在感を持つ。総理大臣や社長も左右する。 ウルトラマンは、最終的には家族ができてファミリー化した。記紀神話も同じように神様をファミリー化していった。 日本では科挙がなかった=家を単位にした世襲で役人が決まった。遣唐使の吉野真備は例外。 和同開珎は流通していなかった=蓄銭叙位令でたくさん蓄えた者に位階を与える法律。銭は、鎌倉時代に中国の銅銭が貿易に使われるようになって流通するようになった。 国司は地方官=守。中央は、下から参議、権中納言、中納言、大納言、大臣(内大臣、右大臣、左大臣、太政大臣)、天皇の代行者としての摂政関白。 摂関期から院政期は、純婿取婚=女系の家で結婚生活を送る。家制度との矛盾がある。男性で受け継ぐ系図が描けない。 院政は、中世の始まり=律令制の形骸化していた公地公民に変わって、荘園・公領制へ移行した。 核家族から直系家族へ変化。長子相続だが、遊牧民では末子相続も見られる。そののちに、家父長制=結婚しても親の世帯に残る。大家族。 日本には後宮がなく、婿取婚なので子供は母方の実家で育てられる。 摂関政治の基本は、招婿婚を利用した家族。家族に比べて家は、永続的になりやすい。 在地地主は、有力者への寄進=名義貸し、によって守ってもらう。 延久荘園整理令は、上皇の監督権を高めたため、上皇への寄進が増えた。これによって院政が可能になった。 寄進しないで公領となる道を選ぶ在地地主もいた。実質的には同じこと。 頼朝の力の源泉は、所領安堵。武士となった在地地主をまとめる手段。 家は血縁性を超越している。血がつながらないだけでなく、高貴な血筋が喜ばれた。高貴な血が入っているほうが箔がつく。 三位以上を公卿といい、貴族の証。北条家は下の四位までに留めて、階位を求めなかった。 政治をやるのは徳川の家来がすること。大きな家の譜代大名は政務に関わらない。本多も榊原も老中にはなれなかった。 ツリーとリゾーム。 ツリーは家制度と同じ主従関係。縦関係で結ばれる。リゾームは、横ともつながる非階層性のネットワーク。一向宗や浄土真宗。一神教に近い。 徳政令は、借金の棒引き=徳政=民にとっていいこと、の意味。 南北朝で南朝の存在は、尊氏には都合がよかったのではないか。北朝の天皇を相対化できた。 天皇の存在は否定しない=天皇が変わるのは易姓革命=古代中国の王朝交代。天の声、という正当化要素があったが日本にはその概念がない。天皇が変わらなかった理由。 秀吉の段階で、職の体系による支配から、一職支配へ変わった=土地を与えることはすべての権限を与えること。それを秀吉が保証する。 家康は、関ヶ原の直後、論功行賞を行っている=支配権を確立した。これを徳川政権樹立とみるべき。 明治政府は外圧で世襲を辞めた。それまでは、安定した世の中だった。ただし天皇は世襲。中国で、皇帝は世襲、官僚は科挙によるものと同じ仕組み。 日本の現代も平和が崩れてくる状態=世襲ではやっていけなくなる。人口減少という黒船によって実力主義になる。

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2023/03/27

鎌倉幕府の成立が1192年じゃなくなったのは知ってたけれど。 1185年でもないなんて…! けれども、私は研究者ではない。 昔年号を丸暗記したけれど、それは無駄じゃなかった。 世界史の勉強したとき、いつも日本は何してたのかなーなんて比較できるから。 歴史は変わらないはずなのに、解...

鎌倉幕府の成立が1192年じゃなくなったのは知ってたけれど。 1185年でもないなんて…! けれども、私は研究者ではない。 昔年号を丸暗記したけれど、それは無駄じゃなかった。 世界史の勉強したとき、いつも日本は何してたのかなーなんて比較できるから。 歴史は変わらないはずなのに、解釈が変わるってすごく面白い!

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2022/04/15

「家」の継続、「血筋」の上下、「世襲」の有り無し、などの観点から日本史を記述。何年に何があった、などの普通の記述方式ではあまり語られることのない細部が語られるので、いままで気づかなかった事に気づけた。というか、今まで歴史って、年表の字面しか頭になかったな、というのが分かった。 ...

「家」の継続、「血筋」の上下、「世襲」の有り無し、などの観点から日本史を記述。何年に何があった、などの普通の記述方式ではあまり語られることのない細部が語られるので、いままで気づかなかった事に気づけた。というか、今まで歴史って、年表の字面しか頭になかったな、というのが分かった。 参考図書として「文明としてのイエ社会」1979刊 経済学者・村上泰亮一、社会学者・公文俊平、政治学者・佐藤誠の共著、をあげる。そのテーマは日本がなぜ明治以降の近代化、産業化に成功したのか。それは日本独特の「イエ型集団」であったとする。古代の「ウジ社会」、「イエ社会」であり、11世紀から16世紀まで500年にわたり重複しながら衰退と交流を交差させたのだという。 そして本郷氏はその軌跡こそが、古代から中世にかけての日本の歴史の躍動であったと見られるかもしれない、という。 メモ ・「招婿婚」の矛盾 「道長が娘寛子を敦明親王と娶らせた」の実態は「道長が敦明親王を婿にとり、自邸で夫婦生活をさせた」ということ。ただし系図(家の継承)は男系であることが矛盾。 ・「寄進地系荘園」の職の体系:東国を中心とした地域の開拓が進んだ11世紀に現われる。    本家:皇族、摂関家、藤原本家、大社寺。国司より上位の国主に対しても租税を免除させたり、干渉を拒否したりする特権を持つ。    領家:有力貴族や有力寺社。国司に対して影響力を行使することで、下司を保護する。その見帰るとして年貢から一定歩合を得る。    下司(在地領主):現地で土地を管理する。荘園の開拓者やその子孫。国司の影響をかわすために、荘園を領家、本家に「寄進」(名義貸し)し見返りを払う。 ・「荘園・公領制」(網野義彦氏)  下司が支配・管理する荘園と、国司が支配する公領が国を二分する形で並立する状態。 ※荘園も公領も経営の実務は下司(あるいは郡司等)=在地領主が担っている。 2019.9.10第1刷 図書館

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