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遠きにありて
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遠きにありて
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商品レビュー
3.9
9件のお客様レビュー
今年のカープは……⚾ . ってな事で、西川美和の『遠きにありて』 西川美和さんのSports Graphic Number の連載作品。 カープ愛とオリンピック、パラリンピックとスポーツ観戦愛が満ち溢れているw スポーツはやる事もええが、観る事、応援する事も大切なんじゃなぁ...
今年のカープは……⚾ . ってな事で、西川美和の『遠きにありて』 西川美和さんのSports Graphic Number の連載作品。 カープ愛とオリンピック、パラリンピックとスポーツ観戦愛が満ち溢れているw スポーツはやる事もええが、観る事、応援する事も大切なんじゃなぁ♪ 時折出てくる広島弁が堪らないw 2019年14冊目
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※このレビューにはネタバレを含みます
めちゃくちゃ面白いです。西川美和、やはり凄すぎる。超一流の映画監督であり、超一流の小説家であり、まさか。エッセイストとしても超一流だったのか。驚愕である。この人、ホンマにとんでもねえなあ。 スポーツ雑誌「Nunber」での連載エッセイをまとめたものでして、2015年6月25日号~2018年9月21日号までの記事が載っています。 ちなみにこの連載は、2020年の8月で、終了している模様でして。ネット情報ですが。ホンマか?そうなのか?それは誠に残念である、、、勿体ない。是非とも、この本に収録されたまでの後に発表され続けていたエッセイも、一冊の本に纏めてほしいなあ~。文藝春秋さん、マジでお願いします。絶対買いますんで。 タイトルの「遠きにありて」という言葉に込められた意味は、なんだろう?ちなみに本の表紙の写真は、広島市民球場の写真。 「遠きにありて」の言葉から連想されるのは、個人的には、室生犀星の詩の「小景異情(その二)」ですね。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」のあの出だし。あの詩、やっぱ超好きなんですよねえ、、、普段は東京で暮らす西川さんが、故郷の広島と広島カープの事を、「遠くにありて」想っている、って気持ちを込めたんだろうなあ。 あとは、普段は映画監督という「スポーツからは遠く離れた場所」にいる立場の西川さんが、その遠く離れた場所からスポーツに関してエッセイを書く。という自分の立場を、このタイトルに込めたんかしらん?とも思いました。 色んな解釈ができる、良いタイトルだと思います。 ちなみに西川さんは、現在、ガンガンの熱狂的な広島カープのファンらしく。どのエッセイも秀逸すぎますが、やっぱ広島カープに関してのエッセイには、グッと心つかまされる。その熱量に。その愛情に。その敬愛っぷりに。 そんなこれほどまでの熱狂的なカープファンの西川さんが、故郷広島に住んできた若かりし自分は、アンチカープの立場だった、というのは、なんとも興味深い。地元では暑苦しすぎて嫌だったカープという存在が、西川さんが上京して暮らすうちに、その身近過ぎる存在から遠く離れた後に、逆に好きになってしまうという気持ちがね、なんだかね、うーむ、、、いいなあ、、、とかね、勝手に思っちゃったんですよねえ。 ま、なにしろ、見事な言葉選びが、見事な文章が、綺羅星のごとくに並んでいます。西川さんの、スポーツに対する眼差し。世の中に対する眼差し。つまるところ、それが何しろ素晴らしい、という感じなんですよね。「こういう風に物事を眺める」という姿が、本当になあ、、、見事なんだよなあ、、、 「あなたの考え方に私はとても納得できます」という、共感なんだよなあ、、、結局は。「パクっただろ」というエッセイの中に「人間は創造性や独自性以前に共感性の生き物であるからだ。」という一文がありますが、もう誠に至言。人間の数多あるであろう真理の一面を、これ以上なく的確に喝破した名言だと思います。 あと、西川さんの文章って、なんというか、、、気っ風が良い。体育会系。スコーン!としている。そして「敢えてこういう言いかたしますよ」みたいなヤンチャさもある気がする。敢えて波風立てる言い方するよ、みたいな。偽悪的、とも言いえてしまうような。そんな感じの文章、文体が、またこう、エラく気持ちがいいんだよなあ。 やっぱ、西川美和、という存在そのものが抜群に魅力的なんだよな。というね。自分にとっては、それはもう、間違いのない事実です。超おおげさに言いますと、西川美和と一緒にこの時代をリアルタイムで生きられることは、ちょっと抜群に僥倖ですね。
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【いちぶん】 どうして広島東洋カープは、こんなにも人生そっくりなんだろう。ミスを繰り返す。チャンスは生かせない。不甲斐なくくすぶり続けても泣きつく場所もない。そんな自分を重ね合わせて、泣いてしまいそう。けれど全国で赤いユニフォームを着る人々もまた、がんばれがんばれカープ!と叫びつ...
【いちぶん】 どうして広島東洋カープは、こんなにも人生そっくりなんだろう。ミスを繰り返す。チャンスは生かせない。不甲斐なくくすぶり続けても泣きつく場所もない。そんな自分を重ね合わせて、泣いてしまいそう。けれど全国で赤いユニフォームを着る人々もまた、がんばれがんばれカープ!と叫びつつ自分自身を奮い立たせているのではないか。 (p.84)
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