残穢とは・・・

一つの怪異の原因を調べ始めた久保さんと作家の私。始めは、単なる事故物件のマンションの、単純な幽霊話かと思われたのだが、真相は二人の予想を遥かに超えた複雑怪奇なものだった。 二人がたどり着いた或る土地に関わる不幸な出来事、人の死が、時を経ても怪異となって、全く関係の無い人に影響を...

ドキュメンタリー小説の形式だが、嘘かホントか、それは書いた本人にも分からないだろう話。 小野不由美さんの書いた本は十二国記の一部を読んだくらいか。でも、それとはまただいぶ文体が違う気がして多才な人だなと思った。劇的な何かがある訳では無いのに、飽きさせない展開なのはとてもすごい。間...

『十二国記』というファンタジーシリーズを書いている人がこんなドキュメンタリー調のホラー小説も書けるという振り幅の大きさに驚いた。怪談を「こんな事件があったから、この辺りではこんな不気味な現象が起こるんですよ」と端的に書くのではなく、怪異の本元となる現実にあった事件を時を遡って紐解...