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太郎誕生 岡本太郎の宇宙 2 ちくま学芸文庫

岡本太郎【著】, 山下裕二, 椹木野衣, 平野暁臣【編】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2011/04/08
JAN 9784480093721

太郎誕生

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商品レビュー

4.5

3件のお客様レビュー

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2021/09/12

久しぶりに太朗節に触れ、痛快愉快な気分になると共に、モリモリっと力が漲ってくる。そう私はこんなふうに熱くまっすぐ生きてきたしこれからもそう生きていきたいんだ。いつも太郎が改めてそう思わせてくれる。「俺はこう生きてきた。お前は、どうだ?」と全力で聞かれているような気持ちになる。 ...

久しぶりに太朗節に触れ、痛快愉快な気分になると共に、モリモリっと力が漲ってくる。そう私はこんなふうに熱くまっすぐ生きてきたしこれからもそう生きていきたいんだ。いつも太郎が改めてそう思わせてくれる。「俺はこう生きてきた。お前は、どうだ?」と全力で聞かれているような気持ちになる。 太郎が両親と離れ、初めてパリで一人で過ごした夜の孤独と寂寥感。「この街で、私は浮かんだ根無草である」という思い。ほとんど全くおなじものを、私も中国で感じた。あの気持ちをありありと思い出した。時代も場所も違うけど異国にいる人間として太郎と同じ気持ちを味わい、そこに挑んでいったのだと思うと、深い感動と(勝手な)連帯感のようなものに包まれる。 かの子の手紙は、言わずもがな良い。初めて読んだのは多分まだ小学生の時ではなかろうか。なんなんだこの愛情は、、、みたいな「メンヘラ母さん」ぶりがびんびん伝わってくる手紙に慄きながらも、やはり胸を打つ。飾り気のないまっすぐな愛が伝わってくるからなのかな。独特の言葉遣いや言い回しは読んでて面白くかなり傑作の手紙も多い。母のメンヘラぶりを青年期の太郎も嫌がってない?のも私的には結構驚きもあり、つくづく不思議な親子だ。 そして太郎が大陸の前線にいたときのことを回顧した「大陸の風物」。冬の荒寥とした殺風景な大地から一転、春になると豊かな色が差す湖北の田舎の風景に太郎が心打たれているのを読み、こちらまで嬉しくなってしまう。「大陸に生きる者は、この季節の底知れない虚無感に耐えるだけの強靭な神経を待たなければいけないのだ。和やかな自然に甘やかされた我々には、大陸の自然美にも人情美にも、食い入るだけの幅や深さを持ち合わせていなかったのである」とか言ってたのに春になるとその自然の豊かさに触れ「その豊麗さに陶然とした」りしてる。引き揚げの時に渡った長江で「偉大なものに対する畏敬の念」に胸震わせている場面は、ああ私もその河を南京で、重慶で、武漢で渡ったのだよと、嬉しくなった。

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2019/01/04

母の手紙◆自伝抄挑む◆巴里回想◆青春の森◆パリの仲間たち◆青春ピカソ◆わが二等兵物語◆大陸の風物◆私の哲学◆あとがき 著者:岡本太郎(1911-1996、川崎市高津区、芸術家) 編:山下裕二・椹木野衣・平野暁臣、解説:安藤礼二

Posted by ブクログ

2018/12/30

岡本太郎はどの本を読んでもアジテーターとして魅力的だ。 絵を描かずソルボンヌ大学で贈与論のマルセル・モースのもとで民族学を学んだ理由について 「芸術は全人間的に生きることです。私はただ絵だけ描く職人になりたくない。だから民族学をやったんです。私は職業分化に対して反対なんだ。  事...

岡本太郎はどの本を読んでもアジテーターとして魅力的だ。 絵を描かずソルボンヌ大学で贈与論のマルセル・モースのもとで民族学を学んだ理由について 「芸術は全人間的に生きることです。私はただ絵だけ描く職人になりたくない。だから民族学をやったんです。私は職業分化に対して反対なんだ。  事実、私はそれを貫きとおしている。絵描きは絵を描いてりゃいい、学者は狭い自分の専門分野だけ。商売人は金さえもうけりゃいいという、この時代。そんなコマ切れに分割された存在でなく、宇宙的な全体として生きなければ、生きがいがない。」   約600ページの本のうち、冒頭の200ページ強が岡本かの子との往復書簡「母の手紙」で、岡本かの子の存在感が強烈。終盤の120ページほどは文庫にもなっている「青春ピエロ」で、ピカソ論の形をとった岡本太郎の考える芸術論で、とても面白い。プロヴァンスのピカソを訪ねたときの話は、さすがの岡本太郎もピカソの前では振り回されてて、これも面白い。   (華中の基地で)「やっつけたぞ」みんな大喜び。私は面くらった。「何を馬鹿な。落ちたのは日本の飛行機だぞ。日の丸がついていたじゃないか」大声で叫んだ。だが、何言ってやがるんだ、と誰も私を相手にしないのだ。(中略)略奪に向かった兵隊たちは車をつらねて戻って来た。だが私には口もきかない。ふだん親しみ、なついていた兵隊まで、私の方を何か憎々しげに、敵意をむき出しにしてにらみつける。墜落現場に行ってみると、やっぱり日本の飛行機だったのだ。彼らはそれがまるで私のせいで、私がその飛行機を落としたかのように、目をすえている。

Posted by ブクログ

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