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達人、かく語りき 沢木耕太郎セッションズ〈訊いて、聴く〉Ⅰ

沢木耕太郎(編者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2020/03/12
JAN 9784000280778

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達人、かく語りき

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商品レビュー

4.1

11件のお客様レビュー

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2023/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

沢木 例えば、ある体験をなんらかの形で、建物に反映させようと思うわけでしょう。その時に、磯崎さんは、まず方法について考えられた。それを自分の方に引きつけてみると、僕もやっぱり常に方法について考えつづけてきて、方法を考えることがジャンルについて考えることであり、何より楽しみということがあった。普通、あるジャンルで何かを生み出していくには、まず生み出すものが大事なんだって考えるんでしょうけど、僕の場合には、それを生み出す方法論がまず第一で、自分のテンションを維持するためにも、方法論を考えるというゲーム性がどうしても必要だった。だから、どうしても、方法によって生み出される結果は二の次という感じがあるんですね。 沢木 そこで、唐牛健太郎という個人に対する興味が生まれてくるんですよね。彼が新橋で一杯飲み屋を開いたり、オホーツク海で漁師になったりと無頼な人生を送ったのは、元・全学連委員長としての役割を死ぬまで演じ切ろう、ということだったんですか? 西部 1960年に背負った十字架を投げ出せないという覚悟はあったでしょう。問題は周囲が、自分たちの軽挙妄動な青春を正当化するためのシンボルとして、彼を使ったことです。俺たちの青春、革命とロマンの象徴の「唐牛健太郎」というわけ。唐牛はその意図を見抜いているのに、そして自分たちのやったことは屁みたいなものだと認めているのに、彼らの中心で頷いていました。僕は「今更革命もへったくれもあるか、馬鹿野郎」と元委員長が一括しないと、皆きちんと自分を振り返れないぜ、と彼に言っていたんです。 沢木 唐牛さんは同じように思っていた気がしますが。 西部 ええ、僕との間では大概そんな話でした。でも、彼は二面性を生きざるを得なかった。  もっと言えば、唐牛には、自己犠牲への欲望があったと思います。何か崇高なもののために我が身を供したいという感覚は、実は1960年の青年の多くが共有したと思うんですね。貧乏で飢えてる状況を、せめて崇高なもののためと思い込まないと意義が見出せないから、とりあえず「革命」に飛びついただけかもしれませんが。でも山口二矢のテロにも自己犠牲の匂いがあるし、下村治さんたちも、自分の命を賭けても高度成長を成し遂げようと思った可能性がある。戦争で死んだ兵士たちも、たとえ間違いであってもお国の大事に犠牲になるのが運命だ、と思い定めたはずですよね。僕は特攻を美化するつもりはないけれど、自己犠牲の感覚なしにはできないことでしょう。その気持ちを、戦後は何らかの形で引き継ぐべきだったのに失ってしまった。だから、三島由紀夫は好きではないけれど、認めざるを得ないんです。  対等に話すことができなくとも、ただ相手の話を聞くだけでもいいのではないか。そう思えるようになるまで、まだ何年かが必要だった。  あるがままの自分がひとりと会い、あるがままにそのひとりの話をすればいい。早くそれに気がついていたら、もっと多くの魅力的な人と対談できていただろう。  だが一方で、対等にという気負いも私には必要だったと思えなくもない。その気負いが自分以上の自分になろうと必死に背伸びをさせてくれていた。たぶん、ある時期に背伸びをするということは必要なのだ。なぜなら、背伸びをしなければ伸びない背もあるはずだからだ。  もしかしたら、対談をするための滑稽なほどの背伸びが、私の背丈をほんの少し高くしてくれたかもしれない。そんなことを思わないでもない。

Posted by ブクログ

2023/04/01

沢木耕太郎は実に清潔な人だな、と思う。相手にすべてを委ねてしまうのではなくきちんと「相手を立て」つつ、しかし自分の意見を述べて相手に率直に切り込んでいく。専門外のジャンルであっても尊敬の念を以て相手に迫る。その迫り方も図々しさや厚かましさがないのでこちらも気持ちよく彼の言葉に耳を...

沢木耕太郎は実に清潔な人だな、と思う。相手にすべてを委ねてしまうのではなくきちんと「相手を立て」つつ、しかし自分の意見を述べて相手に率直に切り込んでいく。専門外のジャンルであっても尊敬の念を以て相手に迫る。その迫り方も図々しさや厚かましさがないのでこちらも気持ちよく彼の言葉に耳を傾けることができる。和やかな、リラックスしたムードで行われる対談/セッションズの中に時折「キラリ」と光る言葉が出てくるから迂闊に読み飛ばせない。まさに達人と達人の言葉のぶつかり合い。私自身得られたものも多く有意義な読書をしたと思う

Posted by ブクログ

2021/10/10

あの「深夜特急」が刊行されたのが、今から 25〜6年前だと思います。 そこで旅する沢木耕太郎氏は、20歳過ぎの若 者であったから、沢木氏の年齢を勘違いして しまいがちだが、現在70歳を過ぎているので す。 「深夜特急」を自分の中で整理して文章に落 とし込むには20年近くの歳月...

あの「深夜特急」が刊行されたのが、今から 25〜6年前だと思います。 そこで旅する沢木耕太郎氏は、20歳過ぎの若 者であったから、沢木氏の年齢を勘違いして しまいがちだが、現在70歳を過ぎているので す。 「深夜特急」を自分の中で整理して文章に落 とし込むには20年近くの歳月を必要としたこ とは、つとに知られています。 そんな「重鎮」でもある沢木氏のお付き合い のある著名人は、錚々たる顔ぶれです。 吉本隆明、羽生善治、井上陽水などなど、「 達人」たちとの対談集です。

Posted by ブクログ

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