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紅蓮館の殺人
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紅蓮館の殺人
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商品レビュー
3.4
254件のお客様レビュー
懐かしいなぁ、「新本格」…。
2022年4月読了。 ココのレビューを書いている皆さんは、かなりお若い方々なんでしょうか? 中盤から終盤にかけての、探偵と元(?)探偵のやり取りを読んでいて、若干気恥ずかしい様な、ムズムズする感覚を憶えたのですが、皆さんのレビューを読んでいて色々と思い出しました。 ...
2022年4月読了。 ココのレビューを書いている皆さんは、かなりお若い方々なんでしょうか? 中盤から終盤にかけての、探偵と元(?)探偵のやり取りを読んでいて、若干気恥ずかしい様な、ムズムズする感覚を憶えたのですが、皆さんのレビューを読んでいて色々と思い出しました。 20年程昔に成りますが、島田荘司先生が音頭を取って、講談社と仕掛けて大成功を納めた「新本格」ブームと云う事象が有りました。 その中でも、内省的な作風で他者とは明瞭に異なっていた「法月綸太郎」先生の著作を思い出したからです。 『名探偵は「推理マシーン」で良いのか?!』と云う、フィクション(虚構)の中なのに、「犯罪から真実を導き出す事」の本質論に悩む探偵を描き出し、 「エラくめんどくさい事に悩む探偵さんだなぁ~」と思って読んでいました。 「読者を差し置いて、本の中の探偵が先に本質論を語っちゃ野暮でしょうよw」等と一人前のクチを利きつつも、熱心に読んでいたのですから、まだまだ自分も若かったんだなぁと思った次第です。若い方には新鮮に映りますよね。 さて本作は、根本的なトリックやロジックはしっかりしていますので、問題無く楽しめましたが、読者がトリックを探そうとする前から、探偵役が(上記について)悩む場面を書いてしまうと、「事件の真相などどうでもいい事だ」と言っている様に見えてしまいます。 「A⇒B⇒C⇒真相」と、レール式で当たり前の様にサラッと真相が分かってしまう「簡便な推理小説」ばかりで良いのか?! と云う作者の意気込みは買いますが、法月先生もこのやり方でその後悩んでおられましたし、オッサン読者としても「苦悩や理屈はいいから、早く話を進めなさいよ」と感じたのは、年齢のせいだけでは無いなとも思いましたので、ちょっと厳しい判定です。 興味の有る若い方は、法月先生の諸作を読んで見ることをお奨めします。
左衛門佐
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これ、シリーズ物の数作目かな?と思ってしまった。葛城、田所、飛鳥井の前提条件としてのキャラ描写が省かれがち。こういうライトな文体のミステリにはキャラ性を求めてるんだけどなぁ。 仮定を検証する、という話もあったけど、どうしても「あれ?でもこういう場合もあるよね?」みたいな抜け穴が数点あるのが気になってしまった。例えば、絵についた煤。あれのせいで火事の後に額に入れられたみたいな話になっていたけれど、別に今回の火事の煤に限らないのでは?と思ったり…。もしかしたら説明を見落としたのかもだけれど…。 と色々言ってはみたものの、やはり館のまわりの山火事によるクローズド・サークルというシチュエーションはあがる。そして、館に集まった面々の正体には驚かされた。詐欺師たち、よく許せたよね…。なんだか尻切れトンボで終わってしまったので、次回作に期待。
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作者の探偵への愛が溢れたミステリー。名探偵の達成感と苦しみ、助手の信頼と嫉妬を軸として、山火事に巻き込まれそうな館の中での一人の女性の死。探偵により苦しい真相がわかっていく過程が面白かった。
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