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revisions リヴィジョンズ 時間SFアンソロジー
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商品レビュー
3.2
13件のお客様レビュー
6作品収録の時間SFアンソロジー。 「退屈の檻」 1958年発表という古典に入るであろう作品ですが、今読んでも面白いという評価は変わらない。おそらく、いつどの時代に読んでも変わらないでしょう。こういう作品に出会えることは、ジャンルのもつ魅力。深さや広がりの証拠。 そして、海外作...
6作品収録の時間SFアンソロジー。 「退屈の檻」 1958年発表という古典に入るであろう作品ですが、今読んでも面白いという評価は変わらない。おそらく、いつどの時代に読んでも変わらないでしょう。こういう作品に出会えることは、ジャンルのもつ魅力。深さや広がりの証拠。 そして、海外作品に触れていない自分のテリトリーの狭さの証明です。これから出る未来の作品もあるし、これまで触れてきていない過去の作品もあるし、で時間がどれだけあっても足りない。 永遠に続く繰り返される10分。何かができそうだけど、状況を蹴るほどの何かができるわけでないという10分が絶妙。希望と絶望が繰り返され、絶望が徐々に侵食し無力感に押しつぶされてゆく。嫌な読後感ですが、楽しい。 「時空争奪」「ヴィンテージ・シーズン」も、主人公が何もできないという無力感が襲ってくる読後感になるのは、時間SFという作品に共通するものなのか、と勘違いしてしまう。収録されている作品がそうであるだけで、違う結末違う読後感はあるはずです。でも「五色の舟」も似たような感じか。 重めの脱力感があるアンソロジーでした。脱力なのに重さを感じるというのも、おかしなことですが、無力感というと違うのです。脱力に解放感がないからかな。
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時間SFは大好きで、そもそもSFを読むようになったのは「夏への扉」にはまったからだ。同じ頃テレビで「タイムトラベラー」をみたのも大きかった。「七瀬ふたたび」もその頃かな。タイムトラベル。なんとワクワクする響きであることよ。時を遡って過去を変えることは出来るのか。思考実験としても実...
時間SFは大好きで、そもそもSFを読むようになったのは「夏への扉」にはまったからだ。同じ頃テレビで「タイムトラベラー」をみたのも大きかった。「七瀬ふたたび」もその頃かな。タイムトラベル。なんとワクワクする響きであることよ。時を遡って過去を変えることは出来るのか。思考実験としても実に面白いが、理屈抜きにひきつけられるのがそうしたオールドSFだ。 このアンソロジーには新旧とりまぜて六篇の短篇が収録されている。ざっくり言って、ダークな雰囲気が共通点か。「切なさ」が時間SFのキモだろうと思う私にとっては、胃にもたれる感じのラインナップだった。 「退屈の檻」リチャード・R・スミス 1958年の作。さすがに古い。「ループもの」って、どうやったって明るくならないとは思うけど、これは苦しそう。 「ノックス・マシン」法月綸太郎 これは「このミス」で1位になったとき読んだけど、よくわからなかった。今回も同じ感想。ちょっとひねった高尚なユーモア感覚(と思うけど自信ないデス)についていけてない。 「ノー・パラドクス」藤井太洋 さらにわかりません。前書きに「アクロバティックなスクリューやループを決めまくる超高速ローラーコースターなので、くれぐれも振り落とされないように」とあって、イヤな予感がしたけど、加速前から降りたくなった。 「時空争奪」小林泰三 この人は苦手。本作もねっちょり粘着度が高くて、途中でギブアップ。 「ヴィンテージ・シーズン」C・L・ムーア 「幻の名作」の本邦初訳だそうだ。思わせぶりな雰囲気にちょっとイライラする。良くも悪くも未来はずっと「進化」するものと信じられていた時代の作品だなあというのが正直な感想。 「五色の舟」津原泰水 これはもう文句なしの大傑作。何度読んでもすばらしい。近藤ようこさんの漫画化で、よりイメージが鮮烈になった。清新さといかがわしさがここまで見事に融合できるものかと、読むたびに感動する。
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時間SF短編6本が収録されている。 小林泰三「時空争奪」、津原泰水「五色の舟」が特に好きだなあ。C・L・ムーア「ヴィンテージ・シーズン」の官能的な文章も素敵だった。
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