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三島由紀夫ふたつの謎 集英社新書

大澤真幸(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2018/11/16
JAN 9784087210552

三島由紀夫ふたつの謎

¥220

商品レビュー

3.5

9件のお客様レビュー

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2023/04/14

社会学者の大澤真幸さんによる三島由紀夫論。 ふたつのなぞは、1970年11月25日の割腹自殺と同日に書かれた「豊穣の海」の最後のシーンのこと。 あれほど頭の良い人がどうしてあんな愚かな死に方をしたのだろう?そもそもどうして天皇陛下万歳になってしまったのだろうというのはわたしに...

社会学者の大澤真幸さんによる三島由紀夫論。 ふたつのなぞは、1970年11月25日の割腹自殺と同日に書かれた「豊穣の海」の最後のシーンのこと。 あれほど頭の良い人がどうしてあんな愚かな死に方をしたのだろう?そもそもどうして天皇陛下万歳になってしまったのだろうというのはわたしにとっても大きな謎なので、読んでみた。 大澤さんは、割腹自殺の愚かさという視点から三島作品を読むのではなく、高いレベルの三島作品の内在的な論理から割腹自殺を説明しようとする。 構造主義、記号論的な概念を使いながら、多くの三島作品を丁寧に読み解いていくことを通じて、三島がなぜボディビルディングをして体を鍛え始めて、天皇崇拝的に言動を行い、最後に自衛隊に押し入り、クーデターを呼びかけ、不発に終わると割腹自殺を行うにいたるかを説明してくれる。 この説明は、納得度が高いものだと思った。 一方、「豊穣の海」のエンディングについては、わたしは実は、それほど違和感を感じてなくて、この壮大な物語を終わらせるには、こうとしかならなかったんじゃないかと思ったので、そもそも謎とは思っていなかったので、面白さはまあまあのところかな? 著者は、「豊穣の海」のエンディングは、4作を通じて語られた輪廻転生の物語が最後に唐突に全否定されて、後味のわるいものになっているという。 たしかにそこまでの物語が否定されるのだけど、全ては心次第という唯識論がでてきて、「無」というか、一種の解脱に向かう道が生じているように思えたので、わたしはそんなに後味がわるい感じはしなかったわけです。 まあ、最後のエンディングが虚無なのか、唯識論的な解脱なのかは、わからないけど、小説としては、最後に輪廻転生を証明するイデアがでてきて大団円になるより、いいエンディングじゃないかと思ったわけです。 あと、「天人五衰」の最後のシーンは、「春の雪」の最後で主人公の恋人が出家して、会えなくなるシーンの反復でもあって、そこは、多分、源氏物語が「夢浮橋」のエンディングで薫が出家した浮舟にあえないことを踏まえているはず。 そして、「源氏物語」の最後も突如終わってしまうわけだから、「天人五衰」と「豊饒の海」全体がなんだかよくわからないまま終わってしまうのも、「源氏物語」へのオマージュではないかと思っている。 と著者の問題設定にはあまり乗れないわけだけど、著者の丁寧なテクスト分析は素晴らしい。とくに、「豊穣の海」と最初の作品「花ざかりの森」の類似性は面白かった。

Posted by ブクログ

2021/11/26

最後の長編『豊饒の海』のラストは、なぜこうなったのか。 全編読み終わった時に、衝撃を受けました。 このラストの謎を、市ヶ谷駐屯地での自身の最後と結び付けて考えます。 三島由紀夫は市ヶ谷駐屯地に向かう前に、編集者へ『豊饒の海』の最後の原稿を渡すように準備を整えていました。 このふた...

最後の長編『豊饒の海』のラストは、なぜこうなったのか。 全編読み終わった時に、衝撃を受けました。 このラストの謎を、市ヶ谷駐屯地での自身の最後と結び付けて考えます。 三島由紀夫は市ヶ谷駐屯地に向かう前に、編集者へ『豊饒の海』の最後の原稿を渡すように準備を整えていました。 このふたつの謎には何らかの繋がりがあると考えるべきなのだと著者は考え、論を進めていきます。 日本を代表する文学者三島由紀夫の全作品からも、この謎を読み解いていきます。

Posted by ブクログ

2021/02/27

市ヶ谷自衛隊駐屯地での割腹自殺、そして『豊饒の海』のラスト、その謎を解明すべく喜び勇んで読んで参りました。 何と申しましょうか、レベルが高いと言うのか、哲学的な説明が多過ぎて私にはさっぱり分かりませんでした。本当にありがとうございます。 本当の事は本人しか分かりません。いくら分析...

市ヶ谷自衛隊駐屯地での割腹自殺、そして『豊饒の海』のラスト、その謎を解明すべく喜び勇んで読んで参りました。 何と申しましょうか、レベルが高いと言うのか、哲学的な説明が多過ぎて私にはさっぱり分かりませんでした。本当にありがとうございます。 本当の事は本人しか分かりません。いくら分析しても無駄でしょう、と言うと身も蓋もありませんが、ただでさえ難書だった豊饒の海、特に『暁の寺』ですかね。もうそれが頭割れるくらい難しいのですよ。 つーか、それ以上にこの本が難しいじゃねーか!もっとレベル下げて解説してくれ、3行でまとめてくれ、ホンマは書いてる本人も途中から何を書いているのか分かってないんじゃないのか?アハハハハー って、最後まで読んでいても結論が哲学、哲学はやっぱり分かりません。哲学者さん考え過ぎやで。もっも楽に行きましょうや。 兎に角『仮面の告白』『金閣寺』『豊饒の海』は面白いから読んでおいた方が人生において少しプラスになるんじゃないかと思います。 三島由紀夫作品、面白いです。

Posted by ブクログ

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