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東の果て、夜へ ハヤカワ・ミステリ文庫

ビル・ビバリー(著者), 熊谷千寿(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2017/09/08
JAN 9784151829017

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東の果て、夜へ

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商品レビュー

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2023/12/31

大谷翔平と山本由伸のドジャース移籍が決まった。彼らふたりがメジャーリーグの同じ球団でプレイするなんて、野球ファンにとっては夢みたいだ。しかも山本由伸の場合、医学やトレーニング方法が進歩したとは言え、野手と比較すれば故障するリスクの高い「投手」というポジションにもかかわらず、12年...

大谷翔平と山本由伸のドジャース移籍が決まった。彼らふたりがメジャーリーグの同じ球団でプレイするなんて、野球ファンにとっては夢みたいだ。しかも山本由伸の場合、医学やトレーニング方法が進歩したとは言え、野手と比較すれば故障するリスクの高い「投手」というポジションにもかかわらず、12年もの大型契約。それだけでワールドシリーズ制覇を目標に掲げるチームが寄せる期待度の大きさが窺える。来季のドジャース戦中継が楽しみで仕方ない 此度そんな流れで再読したのが、数年前に英国推理作家協会の新人賞と最優秀長編賞を同時に授与された本書。原題は、ズバリ「ドジャース」。ただし、野球に関連した話ではなく、黒人ストリートギャングを描いたクライム・ノヴェルである。ボスの依頼を受けて、上は20歳、下は13歳の黒人少年4人が、組織を裏切った「お抱え」判事を抹殺するべくLAを発って中西部ウィンスコンシン州へと向かう、その顛末が語られていく 黒人の少ない土地へ車を走らせるに当たり、世界というのは白人で成り立っていて、奴らは野球が大好き、ドジャースが大好きとの理由で、少年たちがまずスポーツ店で購入させられるのがドジャースのロゴ入りTシャツ類だ。また、「ドッジボール」語源の「ドッジ」には「かわす、回避する((LAに移転する前のドジャースはNYのブルックリンに本拠を構えていた。当時のブルックリンには路面電車が多く、それをよける人々=ドジャースがチーム名の由来。ブルックリンを舞台にスパイク・リーが監督・脚本・主演を務めた映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」では、主人公がドジャースのユニを着て登場する))」の意味もあることから、このタイトルは先の見通せない危険な任務を負う羽目になった4人組をも指し示したダブルミーニングとなっている ドラッグを売り捌く「家」界隈の外へ一歩も出た経験のなかった主人公・イーストが、道中で目にする様々な事象や仲間同士の諍いなどを通じて、少しずつ人間として成長する姿を追った物語は、サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」ケルアック「路上」のストリートギャング版といった雰囲気を感じさせ、単なるクライムものとは一線を画す文学的な香りが漂う 特に、イーストが彷徨いついたオハイオ州のペイントボール場(サバイバルゲームを行う施設)で職を得て、管理や雑用を任されるうちに白人オーナーとの間に絆が芽生える後半部の展開が上手い。著者は英文学の研究を専門とする方らしいが、なるほどストーリーの作り方をよく理解している。さらにその情景が今にも頭に浮かんできそうなエンディングのタッチも憎いばかりで、これが長編デビュー作とは凡そ信じがたいような仕上がりだ。ドジャースとLAの街をイメージさせる「青」を基調としたカヴァーデザインもGoodである

Posted by ブクログ

2022/12/21

犯罪小説、ロードノベル、そして少年の成長譚という三つの表情を併せ持つ多層的な小説。イーストやタイの年齢設定に違和感を覚えずにはいられないが、ことアメリカという国において黒人のギャング少年団はリアリティのある設定になり得るのかもしれない。ペリーとの出会いがイーストに個としての成長を...

犯罪小説、ロードノベル、そして少年の成長譚という三つの表情を併せ持つ多層的な小説。イーストやタイの年齢設定に違和感を覚えずにはいられないが、ことアメリカという国において黒人のギャング少年団はリアリティのある設定になり得るのかもしれない。ペリーとの出会いがイーストに個としての成長を促す第三部終盤の展開は胸に迫るし、悲壮的ながらも解放的の溢れるラストシーンも深い余韻を残している。今作はミステリ文学賞四冠達成という華々しい経歴を持つデビュー作だが、ハヤカワ文庫HMレーベルよりNVレーベルの方がしっくり来るかも。

Posted by ブクログ

2022/11/23

この作品は半分過ぎてからが本番である。 東へ向かう少年たちのロードムービー、とはいうものの前半はどちらかというと珍道中的要素が強い。ただしこの珍道中が、少年たちの旅の意味、旅をせよと命じた大人の意図を表すものであったと後々わかるのではあるが、それにしても珍道中だ。 LAで麻薬取...

この作品は半分過ぎてからが本番である。 東へ向かう少年たちのロードムービー、とはいうものの前半はどちらかというと珍道中的要素が強い。ただしこの珍道中が、少年たちの旅の意味、旅をせよと命じた大人の意図を表すものであったと後々わかるのではあるが、それにしても珍道中だ。 LAで麻薬取引の監視役として同じく見張りの不良少年たちをとりまとめながら、叔父が束ねる犯罪集団の一部として働いている少年、イースト。ある日その日常が崩れていき、叔父からウィスコンシンまである人物を殺す旅に出るように命じられる。メンバーはイースト、イーストの弟・タイ、ウォルター、マイケルの4人。 一台の車に乗り込み、4人で東へ向かう中で、どんどん少年たちは非日常の熱にうかされ暴走していく。果たしてイーストたちは与えられた使命を果たすことができるのだろうか。 また、LAの中の小さな地域で生まれ暮らし、自分が守っていた麻薬取引の場である小さな「家」だけを見ていたが、東への旅の中で大地の雄大な風景を目の当たりにし(このあたりはアメリカ大陸ならでは)、今まで気にしたこともない自然、景色、といったものに目を奪われていくイースト。 使命を果たしたのち、イーストたち少年はどんな人生を歩んでいくのか。 イーストの旅の終わりはどんな風景が見えているのか。 個人的には、前半のロードムービーよりも中盤からの落ち着いた雰囲気のイーストの暮らしのほうが面白く読めた。 ロードムービー部分の熱病にかかったようなテンションの少年たちのパートはどうにも、この先どうなるのかと心配してしまったからか楽しめなかった(親心的なw)のかもしれない。 イーストが世界を少しずつ見、聞き、知っていく道中なので、文章のトーンが雑でそれがなじめなかったというのが実情かと思う。 人によってはもちろん前半の「熱い」「ギリギリ」の「ひりひりした」感じがよい、と思う人もいるだろう。 一方、後半、イーストはひとりで歩きひとりで決断しひとりで選択することを知る。 孤独を知り、ひとりで生きることを知る。 一人の大人の男性(しかも叔父のように悪人ではない一般人だ)との出会いによって、働いて稼ぎ暮らすことを知る。 自分の暮らしている土地の景色を見、気候を感じ、そして時の流れを感じる。 前半で少しずつ広がっていたイーストの感受性が、花開いていく様子が淡々と描かれているのが好ましかった。 そしてラスト、イーストは旅の真実を知り、最後で最初の決断を下す。 イーストが選んだ道の先には、光が広がっていてほしいと思った。 ☆は二つ。前半がなじめなかったということと、そのせいで読むのが苦労したという苦い思い出による(なので半ばいいがかりw)

Posted by ブクログ

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