努力は報われる。 信ずる者は救われる。 そんなことがあったっていいじゃないか。 あーー、泣ける！！ もう一瞬、一瞬が泣ける。 でも、極めつけは牛若。 おまえは本当に高校生なのか、 人たらし、人たらし、人たらしめ～～～。 「頼むぞ」の一言をあんなに効果的に使う高校生、 初めて見たってば。

ハイキューほど『スラムダンク』を彷彿とさせるスポーツ漫画はないだろう。がむしゃらにやればなんでも適う訳ではない。メンタル・ポテンシャル、そのすべてで立ち向かっても適わない時もある、それが現実である。烏野がどんなに頑張っても白鳥沢の実力にねじ伏せられる事もあるのが現実である。漫画的ミラクル演出で「主役チーム」が奇跡的に勝つのではなく、文字通りがむしゃらにやって、勝負して勝った…その演出に少しの虚飾もない！！読みながら、もうどっちが勝つか分からないわ…ひょっとしてではなく一読者として白熱する闘いに身を投じて読んでいた。それはもう、どっちが勝つか負けるか分からない、と言う感覚で。 19巻から、ツッキーの成長が著しいので、ツッキー好きにとっては堪らないのだが、ツッキーは覚醒するべくして「自覚」を根底に秘めながら覚醒したのだ。兄の事があり、自分で自分にブレーキをかけていた節がある。真面目に夢中になれるのに、そのリスクを「兄」の姿に因って学習してしまっていたから。彼は恐ろしく頭が良いので、先を読んで合理的に判断してしまうからだ。そのツッキーがバレーと言うものに本当の意味でハマったのは、兄以外のプレイヤーの姿を見て学習したからに他ならないだろう。交替する際、成田に「ペコっ」と頭を下げたのは、今までの彼であれば交代は自分の意志ではなくチーム戦略なわけだから、単に入れ替わって歩いて行けばいいだけの行為だっただろうが「労をねぎらう」気持ちは表してもいいんだ、こう振る舞えばいいんだ、とか、そんな些細な事も学習したのだ。