田原さんのことはテレビで見て、どこか暴君のような自分勝手なイメージしか持ってなかったが、本著を読んで、自分さらけ出し相手の意見や考えをとことん誠実に聞くことをしたうえで、いや、する中でもっと相手のいいところを引き出そうとする中でのあの態度だったとは、正直驚いた。 この人のように、ど直球で生きれたら、うつも悩みもないのだろうか。相手の話をまずは聞く。難しいけど、田原さんのようには生きられないから、とりあえずまずはそこから始めたい。

ぼくは相当に不器用な人間です。 こちらが建前ではなく本音で語り、自分の欠陥や弱点を曝け出すとき、相手も本音で語ってくれる 徹底して利用者の立場に立つ。 お客様のためにどうすればいいかを考えたから。 サービスとは何かにつけて社員に徹底的に教える。 まずウソをつかない。 隠し事をしない。 相手の前で善いことを言って、陰で批判することはしない。 絶対に相手と喧嘩をしない。 自分はワンオブゼムに過ぎない。 番組というのはチームワークで作っているのであって、自分がいるから成り立っているわけではない。 相手に関わるということは、その結果について責任を取ることでもある。 インタビューとは、相手の本音を引き出すこと。 相手のことを徹底的に調べておくのが、インタビューの極意です。 その人の魅力を掴むために調べる。 知ったかぶりをしない。 どんな人間にも魅力がある。 どんな人間にも得意なことがあるからです。 人間の表現は言葉だけではないからです。 リーダーになる人は聞き上手が多い。 質問のコツは、初歩の初歩から素直に聞いていくことです。 沈黙というのは一つの表現である。 一日の悩みは一日で足れり。 陰で悪口を言う人はいくらでもいますが、面と向かって批判してくれる人はなかなかいない。 与党の政治家は国民に嫌われることでもはっきりと言わなければならない。 チャレンジを諦めたとき、それを失敗という。 頭のいい人は要領がよく、すぐに近道をするので却って幹部には適さない人が多い。 新聞に書かれていることは建前と思って読むのがよいと思います。 人のために役に立つ人間になりたいと思って必死に生きてきました。

　2ページにつきひとつのトピックについて記述していく形式で読みやすい。興味がないと思ったトピックは飛ばしてもいい。タイトルにある「人の心を掴む極意」とはあまり関係がないものが多いが、逆に内容がいいものになっている。 　予算の少ない12チャンネルで、不器用な性格もあってドキュメントしかつくれなかった筆者だからこそ色んな人のふところに入ることができたということがわかる。 　一方、気が弱いという点は意外で、苦手なことをするとすぐに腸を痛めてしまうのだそうだ。それで読み手には自分の得意なことをするように勧めている。