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子どもって、どこまで甘えさせればいいの? 二見レインボー文庫

山崎雅保(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 二見書房
発売年月日 2015/05/01
JAN 9784576150765

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2019/01/06

愛するということはこんなにも奥深いことなのだと考えさせられた。本当の意味で子どもを愛することができるか、それが問われているようで、試されているようで、胸が苦しくなる。自分にはとても高い壁であり、未熟さを突き付けられている気もする。自分の軽薄さが白日の下にさらされているようにさえ感...

愛するということはこんなにも奥深いことなのだと考えさせられた。本当の意味で子どもを愛することができるか、それが問われているようで、試されているようで、胸が苦しくなる。自分にはとても高い壁であり、未熟さを突き付けられている気もする。自分の軽薄さが白日の下にさらされているようにさえ感じる。愛情深さがない、クールを貫いてきた自分の痛さに気づかされる。 「子どもへのまなざし」「いい子に育てると犯罪者になります」「あふれるまで愛を注ぐ」「叱らない子育て」これまで読んできた数冊の育児本には共通して徹底的に甘えさせよ、と記されている。何度読んでも何冊読んでも、完全には腹落ちしていなかったが、この本でとどめを刺された感じはする。 自分ができる範囲で忍耐強く、抱っこしてと言われればどんなにつらくても抱っこし、本人の要望にできる限り沿って育てているが、親に暴言を吐いたり、暴力をふるったりしてくる我が子の態度に接するとやっぱりこれは間違っているのではないかと不安になり、勝手に方針転換して厳しくしてみたり、叱ってみたり、一貫性を維持できなかった。 多くの育児本で提唱されている育児を貫こうとすると、忍耐と本当の意味での深い愛と、親の心の余裕が必要だと感じる。働いているのに、その精神状態を維持するのはとても無理だと投げ出したくもなる。時間や体力に制約がある中、子育てに完璧を貫こうとすると辛くなってしまう。 ”甘えさせとは、子どもの要求に無条件に応じることです。甘やかしとは条件交渉・取引のあげくに結局は譲歩してしまうことです。” 抱っこして、と言われたら抱っこをし、3歳なのにまだトイレもできず、親のひざの上でごはんを食べ、それを許してきたが、それと同時に、ときに条件交渉をしたり、取非違の挙句、譲歩したりすることが多々あった。それは、完璧な「叱らない育児」とか「甘えさせる育児」とは言えない、ということが新たな発見ではあった。我が子が暴言を吐いたり、親を叩いてきたりするのは、「甘えさせる」育児が中途半端なのだ。 子どもをとりあえずそれなりの人間に育てることはできるだろう。環境を準備し教育費をかけ、叱咤激励して難関校に合格させ、立派な社会人になってそれなりの地位に就かせる。客観的にみれば、子育ては成功したんですね、となる。ときには親が賞賛を受けることさえあるだろう。親として目に見える実績(例えば子どもの成績のような分かりやすい数値)を手にすれば、子育てに対する満足感や達成感も抱くだろう。自分の人生のリベンジとまでに子どもに願いを託していれば、尚のこと成功した、という想いを抱くだろう。一方で、子ども自身がどこか「生きづらさ」を抱えたままその後の人生を歩むとしたら、それが本当に子育ての成功と言えるのか疑わしい。その生きづらさは、子どもの内面に宿るものであり、心の問題であり、親からは分かりづらいかもしれない。とりあえず難関校に行ったんだから、社会人になって立派に働いてるんだからいいじゃないの、親の役目は終わったし、あとは子どもが自分で何とかするしかないんじゃないの、と親は納得して終わるかもしれないが、子ども夫婦の離婚、メンタルヘルスを病んで働けなくなる、そんな形で表面化することもあるだろう。それは子ども本人にとって子育てが成功した、とは言えない。

Posted by ブクログ

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