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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側

古村治彦【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 PHP研究所
発売年月日 2014/01/22
JAN 9784569816425

ハーヴァード大学の秘密

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2023/04/26

本書、題名から期待した内容と中身が全然違っていて前半部分は落胆した一方で、後半部分では期待していなかったコンテンツで面白いと思う両方を体験しました。 第1部:「アメリカの代理人」養成所としてのハーヴァード大学  日本人でのハーヴァード卒業生をあげて、これらの人々がいかにつながっ...

本書、題名から期待した内容と中身が全然違っていて前半部分は落胆した一方で、後半部分では期待していなかったコンテンツで面白いと思う両方を体験しました。 第1部:「アメリカの代理人」養成所としてのハーヴァード大学  日本人でのハーヴァード卒業生をあげて、これらの人々がいかにつながっていて、ついてはこれらの人々が日本の政治経済に大きな影響を与えていると述べていますが、正直インパクトは弱い。ハーヴァード卒というのは本人達も隠す事はないし、全米随一の大学卒業生のネットワークが、日本の政官財の中心に進出しだしたというのは当たり前と言えば当たり前です。むしろ例えばフリーメイソンのように一般人には知られていない組織にみんな加入している、あるいは日本ではあまり知られていない大学の卒業生が実は日本の政官財を牛耳っているというメッセージでしたら、それはすごい発見だと思いますが、全米一の大学卒が牛耳っています、というメッセージはインパクトに欠けます。  また細かい事ですが、本書内ではハーヴァード・ビジネス・スクールが「ケーススタディ」を用いていると記載されていますが、正確には「ケースメソッド」です。HBS卒業生の中には両者を厳密に区別する人も多く、体験した人はご存知のように、ケースメソッドで読むケースは結論がありません。ある経営者が困難な状況に直面して、選択肢はいくつかあるが、さあどうする?というところでケースは終了します。そして皆さんはどうしますか?という形で授業を進めるのがケースメソッドです。しかもこのケースメソッドの大前提は、正しい答えはない、ということです(仮に実際の経営者がとった行動でうまくいったとしても、それ以上によい方法があったかもしれないと考えます)。一方、ケーススタディは結論まで提示されて、そこから学びましょう、というスタンスなので両者は全く違うと言う人もいます。 第2部:アメリカの大学で学ぶという事  アメリカ留学についての準備や心構え、TOEFLテストの概要など、この箇所だけいきなり「海外留学準備セミナー」になっています。こんなコンテンツは全く期待していませんでした。はっきり言えば私のような読者にとってはいりません。ここだけ対象読者がハーヴァード留学を検討されている10代、20代の学生、若い社会人およびその親御さんになっています。仮にこの部を大変参考になったという親御さんがいたとしても、その人達は次の部(ジョセフ・ナイなどの希代の政治学者の紹介)は全く持って退屈でしょう。このあたりから本書のターゲット顧客戦略が破綻していることがわかります。 第3部:ハーヴァード大学の知的パワーを象徴する学者たち  ここでは著者が政治学の専門家という事もあり、希代の政治学者であるサミュエル・ハンチントンおよびジョセフ・ナイが紹介されています。私自身少しの知識があるだけでしたので、この2名の思想および人生の話は興味深く読みました。後半部に来て面白くなってきたな、しかし待てよ、「ハーヴァード大学の秘密」という題名に興味を引かれて購入した自分だが、この部に書いてある事は秘密でも何でもないよな、という気にもなりました。つまり当初全く想定していなかったコンテンツが登場しましたが、期待外で面白かったという感覚です。その意味では、政治学部の2名だけではなく、ビジネス・スクールの教授(例:企業変革論の先駆けのコッター教授とか)、経済学部の教授もあわせて紹介してほしかったという気持ちです(著者の専門性からは厳しいでしょうが)。 第4部:ハーヴァード大学で真に教えたい事  ここではマイケル・サンデルに象徴される「共同体優先主義」と、アンソニー・ダウンズが創始者と言われている「合理的選択論」が紹介されています。これも購入当時は予想していなかったコンテンツですが、中身は非常に面白かったです。特に合理的選択論者と地域研究者の対立は面白い。私は大学で経済学を専攻していたので、両者の言い分がよくわかりました。しかし経済学では1997年のアジア通貨危機や最近の世界金融危機を受けて、人間は常に合理的な判断ができるとは限らない、という考え方が強まっています(ナイトの不確実性という概念が重要性を帯びている)。また仮にミクロレベルにおいて個々人が合理的な(利潤極大)行動をとっても、マクロ的(国レベル)にはマイナスの結果となる事がある、という「合成の誤謬」についても理解が進んでいます(野村総研のリチャード・クーが「バランスシート不況」と述べている概念など)。そのため本書内でも記述されていますが、政治学と経済学の学際的な研究領域には大きな発展余地がある気がしました。後半部分は知的好奇心を十分に満たす内容でしたが、繰り返しますが題名と中身が一致していないところは改善を期待します。

Posted by ブクログ

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