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緑衣の女
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緑衣の女
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商品レビュー
3.9
52件のお客様レビュー
構成が巧みだ。 ある誕生パーティーで発見された人骨の欠片、それは一体誰の物なのか。 なんと哀しい物語だろうか。 何度も場面転換があるが、わかりやすく混乱しない。 しかし本作に登場するDVの場面は壮絶で思わず目を背けたくなる。それに加えて警察の地道な捜査が明らかにしていく事件の姿と...
構成が巧みだ。 ある誕生パーティーで発見された人骨の欠片、それは一体誰の物なのか。 なんと哀しい物語だろうか。 何度も場面転換があるが、わかりやすく混乱しない。 しかし本作に登場するDVの場面は壮絶で思わず目を背けたくなる。それに加えて警察の地道な捜査が明らかにしていく事件の姿とは。北欧ミステリの秀作である。
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シリーズ翻訳第2弾。実に読ませる!赤ん坊がしゃぶっていたのが兄の拾った人骨(!)だったことから発見される半世紀も昔の白骨死体。エーレンデュルたちの捜査と並行して語られる、名もなき「彼女」の余りにも辛く悲しい人生。夫から心身への壮絶な暴力を受け続け耐えるだけ人生、人間としての尊厳も...
シリーズ翻訳第2弾。実に読ませる!赤ん坊がしゃぶっていたのが兄の拾った人骨(!)だったことから発見される半世紀も昔の白骨死体。エーレンデュルたちの捜査と並行して語られる、名もなき「彼女」の余りにも辛く悲しい人生。夫から心身への壮絶な暴力を受け続け耐えるだけ人生、人間としての尊厳も希望も全て壊され、唯一、我が子への愛情と母性だけに生かされている姿は辛すぎる。鬼畜のような夫自身もまた、悲惨な生い立ちを抱えた被害者でもある事実がまた重く哀しい。事件のオチと、最後に「彼女」の名が語られる事に救われる思いがした。
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「湿地」に続いてアーナルデュル・インドリダソンのエーレンデュル刑事もの。これでもか、というくらいの暴力、人間のえぐい心理。それがアイスランド、北、暗い、寒い、という先入観で灰色にしみ込んでくる。 今回はレイキャビクの周縁部、第二次世界大戦から戦後にかけて住宅地として広がったとこ...
「湿地」に続いてアーナルデュル・インドリダソンのエーレンデュル刑事もの。これでもか、というくらいの暴力、人間のえぐい心理。それがアイスランド、北、暗い、寒い、という先入観で灰色にしみ込んでくる。 今回はレイキャビクの周縁部、第二次世界大戦から戦後にかけて住宅地として広がったところが舞台。初めの骨発見の場面が衝撃的。8歳の男の子の誕生パーティーで赤ん坊が何かをしゃぶっている、それが人間のあばら骨だったのだ。これはこの男の子が近所の住宅建築現場で見つけたものだった。 その骨は誰か? 第二次世界大戦開戦前夜から終戦後あたり。そこで生活していた家族がいた。夫婦はともに生まれてすぐ両親を亡くし、親戚や里親のもとで転々として育つ。女性は最初の子供の相手は子供が生まれる前に海で遭難して死んだ。・・寒いアイルランド、きっと若死にする人が多かったのかな、などと先入観で読んでしまう。が、あの時代は今ほどの長生きではないか。 とにもかくにもこれでもか、という夫の暴力が描かれる。最後まで読むと夫の幼少期の場面もあり、幼少期の愛情の欠如が問題なのか、と思わされる。またエーレンデュルの亡くなった弟のことも描かれ、それがエーレンデュル刑事の生活に影響を及ぼしている描き方。 2003発表 アイスランド 2013.7.12初版 図書館
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