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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2012/10/12 |
JAN | 9784480429902 |
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ひとはなぜ服を着るのか
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ひとはなぜ服を着るのか
¥660
在庫あり
商品レビュー
4.1
12件のお客様レビュー
モードは、 モードから抜け出そうと脱モードしても それ自身がトレンドとなりモードに取り込まれる。 そんな地獄。 服とは皮膚
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毎度ながらいいかんじ! モードの地獄(「反モード」を装ってもそれも流行となりモードの範疇に収まる)
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クローゼットは閉まらないのに今日も着たい服がない!服は諦めて、何年も積読になってた本をやっと手に取る。刺激を受けて長い感想になった。 「ひとはなぜ服を着るのか」タイトルに対する答えについて頭を抱える。複数のテーマからいくつもの回答が浮かび上がってくる気がする。 テーマ毎にすっと...
クローゼットは閉まらないのに今日も着たい服がない!服は諦めて、何年も積読になってた本をやっと手に取る。刺激を受けて長い感想になった。 「ひとはなぜ服を着るのか」タイトルに対する答えについて頭を抱える。複数のテーマからいくつもの回答が浮かび上がってくる気がする。 テーマ毎にすっと理解できる箇所もあれば、難解すぎてたぶん5回読み返しても、私の頭では理解できない箇所もある。 私では「ひとはなぜ服を着るのか」に対して、明確な答えは出せない。この本が難しいからではなく、ファッションは服に留まらないから、だと言いたい。 その服を選んだ過程、例えば好きな音楽や映画や、何かしらの影響があると思う。今や、ファッションは、食器や植物、食べ物、あのタピオカだって、ファッションを形成するひとつだと私は捉える。 内容に戻ると、まず文章がとても美しい。自然な比喩表現。寺山修司や金子光晴、初めて知ったフランスやアメリカの精神学者など、多彩な顔ぶれからの引用もぴたりとはまる。 文学的な人だと思ってたら、本職は哲学者とのこと。本職がファッション関連じゃないからこそ、流行を純粋に楽しむ気持ちと、流行り廃りの虚しさを冷静に分析している。 前者については最後に書きたいので、先に後者のネガティブな面を感じた部分から一部引用。 『アンチモードですらモードの一風景。モードの地獄から脱出しようとするモードもたちまちモードの一つとしてモードに呑み込まれる』 過去から現在、果ては未来まで流行は何度も変わる。形をとどめることもない。何がモードで何がモードじゃないのか、もはや分からなくなる。ファッションを意識し過ぎるとダサい人と思われる風潮もある。流行は儚い。流行は明日にも消える。 そういった事象を著者は、みずからの尾にかみつく蛇に例えている。 こちら1997年にテレビ放送された内容をテキスト化したものであり、ファストファッションが席巻し始めた頃の話だそう。いま私が読んでいる年は2022年。25年間の時差があるけど、少しも古くさくない。 一方、著者が、UNIQLOやZARA、無印良品などをどう分析するのか興味津々です。 今ではファストファッションが主流になったとはいえ、都心では流行の移り変わりが目まぐるしい。 あえてボロボロの古着に身を包む若者もいれば、ギラギラ系の全身ブランドのカップルもいる。 ハイファッションだと認識されてたものが、数週間後には流行遅れになる。安価だったはずのレギュラー古着が流行り出したとたん、何万円もの高値がつく。 スナイデルを着ていたセクシーな女性たちは、最近はマメを着ている。劇場をテーマにしてたシアターも今や他のブランドと似たデザインになっている。90年代ブランドが復活し始めた。 ハイブランドに比べたら全然手に入りやすい価格帯の日本のブランドで、何とも似てないオリジナルのデザインを打ち出しているところはまだあるのだろうか。飲み込まれてしまったのではないか。 渋谷のSwatchには朝早くから並んでいる人たちがいる。彼らは数年前にはAPEに並んでいた人たちと同一人物じゃないのかなと錯覚する。 最後に、私が感じたファッションのポジティブな面についても一部引用。 コムデギャルソンの川久保玲の章から。 『アイロンがかかってなくていい、サイズが合っていなくていい、しわくちゃでもいい、男らしくなくていい、胸を張って生きなくてもいい、もっとふてくされても、もっと跳ねてもいい』 どこまでも自分らしくいられそうな力強いメッセージだと受け止める。私の生活ではギャルソンは手が出せないけど、とても勇気が湧いてくる。来世はギャルソンでクローゼットを埋め尽くそう! 全箇所に線を引きたいくらい勉強になった一冊だった。ファッションが心底好きだとわかる著者のエピローグは、別人が書いた?サンリオのキャラ?と思うくらいチャーミングな文体だった。私もおしゃれな街に住みたいな。
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