1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

原発と日本の未来 原子力は温暖化対策の切り札か 岩波ブックレット802

吉岡斉【著】

お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する に追加 に追加する

定価 ¥550

¥110 定価より440円(80%)おトク

獲得ポイント1P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2011/02/08
JAN 9784002708027

原発と日本の未来

¥110

商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

レビューを投稿

2018/11/14

九州大学の副学長であり、内閣府原子力委員会専門委員や経産省総合資源エネルギー調査委員会委員を歴任した原子力及びエネルギー政策の専門家による原子力発電に関する現状と提言をまとめたもの。著者は、原発反対の立場をとるが、何が何でも反対というわけではなく、多角的に分析をし、利点欠点を明ら...

九州大学の副学長であり、内閣府原子力委員会専門委員や経産省総合資源エネルギー調査委員会委員を歴任した原子力及びエネルギー政策の専門家による原子力発電に関する現状と提言をまとめたもの。著者は、原発反対の立場をとるが、何が何でも反対というわけではなく、多角的に分析をし、利点欠点を明らかにした後、理論的に意見を述べている。本書は、東日本大震災前に書かれたものであるが、日本の原発政策の問題点と原発の未来を考察するために必要な材料を十分に提供しているといえる。重要な箇所を記す。 「「推進派」と「反対派」の中間に位置し、調査研究に裏打ちされた「中間派」が、多数派を占めるのが当たり前なのだと著者は思う」 「原子力発電は、インフラストラクチャー・コストが高くつき、これを加えれば火力・水力発電コストと同等またはやや劣位となってしまうことも周知の事実である。ここでいうインフラストラクチャー・コストとは、揚水発電施設の建設・維持管理費、長距離送電網の建設・維持管理費、立地対策費などが含まれる」 「これら4つの経済的弱点(高いライフサイクルコスト、高い建設コスト、核燃料事業など不透明なシステム全体のリスク、高い経営リスク)ゆえに、全てを自己責任で処理せねばならない自由主義経済のもとでは、電力会社は原子力発電事業を一般的に忌避すると考えられる。政府の手厚い指導・支援があってはじめて、商業原発の成長・存続が可能となる」 「すでに日本ではエネルギー需要及び電力需要はピークを過ぎ、今後ますます減少していくと予想されており、その状況下では設備投資は基本的に老朽施設の一部のリプレイスという形をとる」 「日本の原子力発電の施設利用率は不振を続けている。07年度60.7%、08年度60.0%、09年度65.7%と推移している。欧米諸国の原発の施設利用率は70~80%台が標準であり、90%台に達する国もあるが、それらに比べて日本は突出して低い」 「日本の原子力発電の主要三事業:商業原子力発電、核燃料再処理、高速増殖炉」 「世界の原子炉3メーカーグループ:東芝・WH、GE・日立、アレヴァ・三菱重工」 「(著者むすび)政府が原子力発電を優遇する正当な理由は、その諸特性を一覧する限り乏しい。政府が税金により負担してきた一連の支援(立地支援、研究開発支援、安全規制コスト支援、損害賠償支援等)のコストは本来全て、事業者によって負担させるべきであり、それがエネルギー間の公正な競争条件を確保する上で不可欠である。このように原子力発電事業に対する優遇を全て廃止し、それでも電力会社が原子力発電の新増設や、使用済核燃料の全量再処理や、高速増殖炉実用化路線の護持を望むのならば、政府が万全の保安・安全規制を講じた上で、全面的な自己責任においてやっていくしかないだろう。それば自由で公正な社会の当然のルールである」

Posted by ブクログ

2014/05/07

 東日本大震災の直前、2011年2月に発行された本。筆者は以前、原子力委員会専門委員であったとのこと。このような経歴を持っていれば、原発推進の立場をとることが多いと思うが、筆者は「脱原発論者ではないが、…実質的に脱原発論者に近い。」(p.9)  また、東日本大震災以降に印刷された...

 東日本大震災の直前、2011年2月に発行された本。筆者は以前、原子力委員会専門委員であったとのこと。このような経歴を持っていれば、原発推進の立場をとることが多いと思うが、筆者は「脱原発論者ではないが、…実質的に脱原発論者に近い。」(p.9)  また、東日本大震災以降に印刷された第2刷にあたってという追加記事の中(p.29)では、「日本は脱原発に向けて舵を切るのが賢明だと思われる。」と述べている。  原子力発電に関する問題は核開発と絡んで様々な不条理を含んでいるがp.25にあるインドの動向や、p.41にある機微核技術の問題はその最たるものと思われる。  第五章では本書のサブタイトルでもある地球温暖化の問題に触れられており、その中で原子力発電はCO2削減に全く寄与していないことが触れられている(p.55)。CO2削減のために原子力発電を推進していく立場をとるものは、この事実を重く受け止めるべきである。  さらに、CO2を削減するための方策として火力発電の制限とか炭素税の導入などと言っているが(p.58)、CO2温暖化論は破たんしているので、このあたりの記述は不要であった。

Posted by ブクログ

2012/10/10

原発の問題点について、とても分かりやすく説明している。科学的な話は殆どなく、公表された統計データを元に原発「政策」について論じられている。 約70ページで500円。中学生にはちょっと難しいかもしれないが、高校生の副教材にすると良いのではないか。 因みに、本書は原発事故の1ヶ月前...

原発の問題点について、とても分かりやすく説明している。科学的な話は殆どなく、公表された統計データを元に原発「政策」について論じられている。 約70ページで500円。中学生にはちょっと難しいかもしれないが、高校生の副教材にすると良いのではないか。 因みに、本書は原発事故の1ヶ月前に出版されている。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品