とっても感傷的な気分になる。節子のことを病人と呼んだり、名前で呼んだり 彼女と呼んだり。私もおれだったりする。 関係性はひとつじゃないのよね。 無意識に、二人だけの世界に憧れた故に彼女の病が重くなったわけではないけれど、わたしはそれに幸せを感じたり絶望することに罪悪感を感じてるみたい。まあそりゃそうよね。でも閉じられた世界の心地よさは捨てがたいでしょう。 軽井沢の静けさ、夏の暑さ、冬の寒さが象徴的だ。 彼女は生きることが夢になってて、私は仕事も気になってて、一緒の夢は見られない。 ************************** ジブリがこの作品に堀越二郎を混ぜたのが面白い。でもなんかわかるかも。 ビックリしたと思うなあ。私は二郎よりも弱々しいし、成功しそうにない。仕事を気にすることを受け止めてるし。泣いてるけど。 宮崎駿が好きなものを混ぜて出してくれたのね、と思った。サナトリウムと戦闘機っておよそ逆の価値観のような気がするし。ロマンチストな少年なのかなあ。 でも、ジブリの生きねば、のほうが生きてゆけそう。サナトリウムでは外界と繋がる手段が無さすぎるもの。 しかし、節子の生きたさが弱気を呼ぶのは苦しいねえ。でも極めて人間らしい。

「風立ちぬ　いざ　生きめやも」で始まるこのお話は、軽井沢を舞台にした堀辰雄さんの私小説。 婚約者を結核で亡くしたときのお話だね。 婚約者さんが亡くなったあと、彼女は何も求めずに自分を愛してくれた…と気づくシーンがあるんだけど、そりゃもう死ぬことを覚悟しちゃってた彼女さんだからねぇ…。 若い２人の純愛を涙しながら読めるピュアな人におすすめの１冊です。 ＪＴＢパブリッシングの旅訳文庫で読んだから、軽井沢にも行ってみたくなったよ。

堀辰雄は風立ちぬ以外は読んだ事がありませんでした。 NHK テレビのJブンガクの冊子で紹介されていました。 堀辰雄には軽井沢がよく似合うらしい。