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トム・ジョウンズ(4) 岩波文庫

ヘンリー・フィールディング(著者), 朱牟田夏雄(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1997/10/18
JAN 9784003221143

トム・ジョウンズ(4)

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2020/09/13
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女にだらしないこと以外は、眉目秀麗、清廉潔白、気前良し。 こんなに素晴らしい人はほぼいないと思われるのに、次から次へと不幸に見舞われる。 生涯の恋人と思い定めたソファイアには絶縁を言い渡され、因縁をつけてきた男を振り払った拍子に大けがを負わせ、殺人犯として絞首刑を待つばかり…のところで残り50ページ。 現れた目撃者はどういうわけかトムから斬りかかったと事実と違う証言をし、さらにパートリッジからは近親相姦の罪を糾弾される。 それでもトムの無実を信じてやまない人たちの奔走で、少しずつ事件の全貌が明らかになり、瀕死の渋滞であったはずの相手も、実はたいしたケガではなかったことがわかり、おやおや大団円か…と思ったら、ソファイアの気持だけが頑なに揺るがない。 この50ページの密度の濃さったら、ないよ。 そもそも、、ベラストン夫人と別れるための作戦というのが、プロポーズをすることっていうのが面白い。 プライドの高い人なので、遊びとしての愛人ならまだしも、格下の若い男と結婚して財産を食いつぶされるリスクを負うはずがないというのがナイティンゲイルくんの読みで、しかしこと人をだますことに自信のないトムは、直接プロポーズをするのではなく、手紙で求婚するのである。 当然それは巡り巡ってソファイアの目に留まる。 思えばあんな時もこんな時も、トムは女の人とベッドを共にしていたことを思い出せば、さすがのソファイアだって、そりゃあ許せないのは分かります。 ではこの長い物語の落としどころはどこか? ・・・やっぱり大団円じゃない? じゃあどうやってそこに持って行く? いやいや、力業ですな。 それにしても、ベラストン夫人とソファイアのお父さんであるウェスタン氏の極端な人となりが、怖い。(笑) トムとの恋愛に邪魔だと思えば、自分が庇護していたはずのソファイアにとことん意地悪を尽くす。 善き母から、悪魔の化身くらいの振れ幅。 ウェスタン氏に至っては、猫かわいがりに可愛がり、この世で一番愛している可愛い娘であるソファイアが、ブライフィルとの結婚を承知しないというだけで「この女郎(めろう)!」呼ばわり。 一生部屋から出さず、パンと水しか与えないと騒ぐ。 ええと…人格障害か何かお持ちなのでしょうか。 18世紀の大作家フィールディングから19世紀の大作家ディケンズへ。 イギリスの文学は確かに繋がっていると思う。 そう言えばこの作品、シェークスピアの「真夏の夜の夢」のドタバタ感にも通じるものがあるかもしれない。

Posted by ブクログ

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