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ひとがた流し 新潮文庫

北村薫【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2009/04/25
JAN 9784101373317

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ひとがた流し

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商品レビュー

4

76件のお客様レビュー

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2023/12/24

三人それぞれの考え、矜持、スタンスがありながらも、何十年も続いていく絆にしんみりと浸ることができる。「思い出すたびに、トムさんが帰って来る」(p.384) の台詞は、寂しくもあり、温かくもある。

Posted by ブクログ

2023/09/06

"円紫"シリーズといい、北村薫は女性の心情を描くのが本当にうまい。 何気ないエピソードの積み重ねが心情を紡ぎ、危機に直面して結びつきが強まる。 友情や愛情の本質を見せつけられる思いがする。 こういう友情は女性ならではだろうか。 新潮文庫版は詩人佐藤正子の...

"円紫"シリーズといい、北村薫は女性の心情を描くのが本当にうまい。 何気ないエピソードの積み重ねが心情を紡ぎ、危機に直面して結びつきが強まる。 友情や愛情の本質を見せつけられる思いがする。 こういう友情は女性ならではだろうか。 新潮文庫版は詩人佐藤正子の解説がすばらしい。言語感覚、表現力に優れた評者にかかると、かくも的確な評論が書けるのか。

Posted by ブクログ

2022/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『ひとがた流し』 北村薫 (新潮文庫) 「第一章 桜」という真面目な章題を見た瞬間、ああやっぱり北村さんだわーと思い、前回の町田康のめくるめく謎の曼荼羅世界から、一気に日常に飛ばされて帰って来たような気がした。 これは四十代の女性たちの物語である。 また私と同年代だ。 前々回の『ブラバン』もそうだったし、最近やたら主人公が四十代という小説に縁がある。 しっかりせえよ、と言われているみたいだ。 主人公の石川千波はアナウンサーである。 真面目で責任感の強い彼女は、朝のニュースショーのメインキャスターに抜擢される。 が、その矢先、自分が病に冒されていることを知る。 病名は作中でははっきりとは書かれておらず、「胸の悪い病気」となっているが、これは佐藤夕子さんの解説(いつもながら的確で温かい)の中で、北村さんの言葉として、その病名の単語と、もう一つ「涙」という言葉は使うまいと思った、と書かれている。 実に北村さんらしい。 病気を扱うことは簡単なようで難しい。 実際に病気と闘っている人やその家族、もしかして近しい人を亡くしている人もいるかもしれず、作者がきちんとした考えを持っていないと、うわべだけの感動物語になってしまう。 どこまで踏み込むか、どの立場で見るか。 読んでいくと、物語の中心が千波の闘病生活ではないことが分かる。 病気は静かに進行していくけれど、その部分がことさら大げさに描かれているわけではない。 描かれているのは、登場人物それぞれの日々の生活だ。 牧子や美々とその家族、そして何より、こりゃちょっと出来すぎじゃないの?と思えるほどの優しい鴨足屋(いちょうや)良秋との出会い。 解説の佐藤さんも私と同じことを思ったらしく、直接北村さんに、「いちょうやさんみたいな男の人いるでしょうか?」と訊いたらしい。 北村さんは即座に、「います。僕だってああしますよ」と言ったのだそうだ。 「います」は分かるが、「僕だってああします」はなかなか言えないですよ。 なんちゅう格好いいおじさまなのだろう。 ホスピスでわがままを言って荒れた千波を看取った後、良秋はこう言った。 「いいんですよ。そのために、ぼくがいたんだ。」 この一言だけでも、この本読んだ甲斐があったなぁ。 感動… 足の怪我をした牧子の病院に、千波が来るシーンがすごくよかった。 秋の西日が斜めに差し込む病院の渡り廊下。 一日の疲れを残した、まったりとした琥珀色の風景の中で、怪我人の牧子と病人の千波が、最後のひと時を過ごす。 これは、この物語の中で一番心に残ったワンシーンだった。 病気の人に対して、健康な人は立場が弱い。 実際に経験した人にしか私の気持ちは分からない、と言われてしまえば、その通りですごめんなさいと言うしかない。 だから本当は、病気を扱った話は私は苦手なのだ。 この『ひとがた流し』も、そんな話だったらきっと最後まで読めなかったに違いない。 千波が手術前に撮った写真のフィルムを、彼女の死後、良秋が日高類に返すシーンがある。 心がふっと緩んだ。 この病気に対する作者の姿勢、気持ちが伝わってきた。 これなら私も納得できる。 決してハートウォーミングな物語ではないけれど、登場人物たちに向けられた作者の優しい眼差しが、千波たちと同じ四十代の私にも、同じくらい優しかった。

Posted by ブクログ

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