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世界史の中の六日間
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世界史の中の六日間
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1985年刊行。著者は日本航空のレバノン・ベイルート元駐在担当者。 1967年6月5日に勃発した第三次中東戦争。イスラエルの電撃作戦は、エジプト・シリア・ヨルダン(一応レバノンも含まれる)を席巻し、シナイ半島・ヨルダン川西岸地区などを武力占領する結果を齎した。 その時、たまたまレバノン首都ベイルートに在住し、この戦争に出くわした著者の体験談的記録が本書である。 加えて、その6年後の第四次中東戦争の背景事情を著者なりの視点で解読していく。ここではエジプトのサダト大統領(なお過日退陣したムバラクは副大統領)が主役だ。 前者について。確かに、ベイルートに対しては大きな攻撃はなかったが、いつ爆撃を受けるかもしれないという現地邦人の緊迫感が、具体的描写を通じて伝わってくる。 また、大使館・領事館へのそこはかとない反感も同様。 他方、いわゆる赤軍派が中東で起こしたテロ(特にテルアビブ空港銃撃事件)。これが容ソ擁パレスチナであったが故に、イスラムの日本贔屓を招来させた点は実に皮肉という他はない。 さて後者。これはサダトの現実主義的理想主義の行動原理を読み解けそうだ。その現実に根ざした理想主義が、原理主義からの凶弾を生み、それに倒れたとも言えそうだ。 なお、レバノンは中東の中でも特異な位置づけをできそう。キリスト教徒が住民の過半を超える点(住民対立の火種ともなりうる要素)。 砂漠ではなく地中海に面した温暖な気候で、乾燥度も他地域よりも遥かにマシである点。アラブの他の地域にはない野菜なども豊富。 商業国家の側面が強い。
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