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阿片王 満州の夜と霧 新潮文庫

佐野眞一【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/07/28
JAN 9784101316383

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商品レビュー

3.5

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2023/10/30

「里見甫」(さとみはじめ)何人の人がこの名前を知っているのでしょうか。歴史の教科書的な人物ではないと思いますが、この人が戦前の日本と中国の様々な裏の折衝(阿片の密売)には欠かせない役目を負った人物だったということがわかりました。そして、有名なアヘン戦争然り、「阿片」という麻薬物質...

「里見甫」(さとみはじめ)何人の人がこの名前を知っているのでしょうか。歴史の教科書的な人物ではないと思いますが、この人が戦前の日本と中国の様々な裏の折衝(阿片の密売)には欠かせない役目を負った人物だったということがわかりました。そして、有名なアヘン戦争然り、「阿片」という麻薬物質がいかに中国において(今に至っても何処でもですが…)多大な影響をもたらしたのかということも理解できました。 著者の佐野眞一氏は「東電OL殺人事件」を書いたノンフィクション作家です。(彼自身も既に物故者で残念) 今回は既に故人となっていた里見氏の遺児への奨学基金の寄付名簿をたまたま手に入れ、その名簿にあった発起人の錚々たる顔ぶれに驚き興味を持ったのが発端です。岸信介、児玉誉士夫、笹川良一、佐藤栄作。私でも知っている首相経験者や戦後の妖怪とか揶揄されたいわゆる大物。その人物繋がりを調べていくうちに、更に謎の女性に行き当たります。 「梅村淳」偽名ですが、男装の麗人。彼女は里見氏の片腕のような存在だったようです。しかし、遡って彼女の母親の梅村うたという人物然り、里見氏と出会った経緯やその繋がりや関係性はいくら調べても推測の域を出ないものでした。‥すべては満州の深い霧と冷たい夜の帳の中に閉ざされている‥と本文にあります。 戦争の時代、莫大な資金を必要とした軍に仕え、その役目を全うしたと言える実績を持ちながら、私利私欲に走ることは一切ないその人物像に著者も敬服しています。その対比として、戦後大手を振っていた児玉さんや笹川さんなど、卑しさが嫌でも目につきます。なるほど戦後の中央の社会はこういう仕組みで成り立っていたのねと実感します。 満州国は、戦後日本の高度成長時代の壮大な実験場という側面を持っていた。と記述がありました。そこで活躍した梅村母娘に著者は、この二人の生い立ちにこの世の不幸を背負って‥の表現を使っていましたが、いわゆる家庭の幸せ、女の幸せから背を向けた人生を選び取り、魑魅魍魎の跋扈したこの時代の満州国に生きた二人は、充実した人生を送ったのではと思います。勿論、そこには里見甫という男が関係したのは、間違いないのですが。 この本を手にしたきっかけは父の遺品から。戦前、祖先が朝鮮に渡り、京城で生まれ満州国で育った父がこの本を読んだのは必然でしょう。

Posted by ブクログ

2023/02/18

大正から昭和にかけ中国大陸で活動し、満州立国、日中戦争、その後の敗戦の時代に暗躍し阿片王の名で歴史の暗部に名を残した”里見甫”に関してのルポルタージュ。 里見個人と里見を取り巻く魑魅魍魎の面々そして関東軍を中心とした時代背景を筆者が丹念に資料を調べ、関係者にインタビューを行った事...

大正から昭和にかけ中国大陸で活動し、満州立国、日中戦争、その後の敗戦の時代に暗躍し阿片王の名で歴史の暗部に名を残した”里見甫”に関してのルポルタージュ。 里見個人と里見を取り巻く魑魅魍魎の面々そして関東軍を中心とした時代背景を筆者が丹念に資料を調べ、関係者にインタビューを行った事実を纏め上げた文章は、じっくり読まないと頭に入ってこないので時間をかけて読破。 ”里見甫”はジャーナリストとして大陸に渡り中国人との強力なコネクションと優れた統治管理能力で阿片売買組織”里見機関”で関東軍に協力し満州で絶大な力を持っていた怪物。 私の浅薄な知識では満州の闇の帝王といえば”甘粕正彦”しか知らなかったので書店で本書を手に取った際は「へ~そんな人がいたのね」的興味を持って読み始めましたが、いやはやなかなかいろんな意味で凄い人物です。

Posted by ブクログ

2022/03/06

昭和7年3月、東アジアに忽然と出現し、昭和20年5月に跡形もなく消え去った人造国家、満州。国土面積は日本列島の3.4倍にものぼる。 昭和初期の大不況によって、「娘売ります」の看板を出さなければならないほど経済的に追い詰められた東北の農民たちにとって、五族共和、王道楽土を標榜し...

昭和7年3月、東アジアに忽然と出現し、昭和20年5月に跡形もなく消え去った人造国家、満州。国土面積は日本列島の3.4倍にものぼる。 昭和初期の大不況によって、「娘売ります」の看板を出さなければならないほど経済的に追い詰められた東北の農民たちにとって、五族共和、王道楽土を標榜した満州は、貧しさを脱するきっかけとなるかもしれない新天地だった。 阿片密売の総元締めとして、満州における莫大な闇利権を一手に差配し、関東軍から国民党までの信を得た里見甫。阿片王の名を欲しいままにしたその生涯を掘り起こす一冊。 極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判では民間人第一号のA級戦犯容疑者として法廷に立つ。 戦前、戦中とフィクサーとして暗躍した里見は、偏狭なナショナリズムとも、狂気に通じるパセティックな情熱とも、不毛なイデオロギーとも一切無縁に過ごしてきた男だったらしい。 阿片王と呼ばれながらも、私欲に頓着しない人間だからこそ、軍部にも重宝されたのか。 たった数年しか存在しなかった国家の満州だが、知れば知るほど面白いな。日本の高度経済成長を生むきっかけですらと思えてくる。 しかし、著者の取材力にはたまげるな。構想10年というのも頷ける。 ブックオフで100円で買ってごめんなさい。

Posted by ブクログ

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