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広場の孤独
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全く終わりの見えない朝鮮戦争のさなか、転職して新聞社に入った木垣は、新聞社内における共産主義者の葛藤、仲間の外人記者の苦悩などを見ながら、自分の方向性に戸惑いを覚える。 短い小説で、それなりに事件のようなものがあるんだけど、論文を読んでいるようだった。共産主義者で、新聞が書くこ...
全く終わりの見えない朝鮮戦争のさなか、転職して新聞社に入った木垣は、新聞社内における共産主義者の葛藤、仲間の外人記者の苦悩などを見ながら、自分の方向性に戸惑いを覚える。 短い小説で、それなりに事件のようなものがあるんだけど、論文を読んでいるようだった。共産主義者で、新聞が書くことが事実になっていくという自負のある同僚、どこに行くにもスパイに見張られている外人記者たち、世界を股にかけ、木垣とは大戦中に親しくしていた謎の商人、二重三重にスパイを行っていた内縁の妻など、必要以上どころか、やりすぎというくらい役を持たせている登場人物たち。ところが、彼らがそれほど活躍するわけではない。突然現れて大金をぽんと渡して去っていったり、口だけ勇ましいことを言って消えていく。 そういう世間の荒波の中で、どうにも手も足も出ない主人公のことを、タイトルにしているのはわかる。しかし、小説として、まわりがどんどん流れているのを傍観しているだけでは面白みに欠ける。 悶々とようやく動くかと思ったところで、すでに残りは約20ページで、うーん、時代のものかもしれないが、合いませんでした。
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戦後まもなく朝鮮戦争が起こり北鮮軍と呼ばれ、日本は米国側に立って陰で支えていた。中国では共産党が中共政府を打ち立て、中東ではイスラエルが建国され、イエメンからユダヤ人たちが飛行機で約束の地へ向かう!日本は日本共産党が勢力を増している時代を感じさせる内容である。当時の日本社会の世...
戦後まもなく朝鮮戦争が起こり北鮮軍と呼ばれ、日本は米国側に立って陰で支えていた。中国では共産党が中共政府を打ち立て、中東ではイスラエルが建国され、イエメンからユダヤ人たちが飛行機で約束の地へ向かう!日本は日本共産党が勢力を増している時代を感じさせる内容である。当時の日本社会の世相が決して平和でなく混沌とした不安に満ちた時代として描かれている。主人公がはっきりせず、小説としては面白みに欠けるところかな。
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★2.5かな、ちょっと散漫な感じがするし、何より文章が綺麗でないというかリズムが良くない、あるいは合わない。この時代の書物に共通してみられる特有のリズムがここには確かにあって、同時代性を相当程度有していたんだろうなと想像は容易に出来ます。 また扱う題材も当時の切迫した政治・社会・...
★2.5かな、ちょっと散漫な感じがするし、何より文章が綺麗でないというかリズムが良くない、あるいは合わない。この時代の書物に共通してみられる特有のリズムがここには確かにあって、同時代性を相当程度有していたんだろうなと想像は容易に出来ます。 また扱う題材も当時の切迫した政治・社会・国際情勢を反映していて息詰まる内容なんだろうなとも思います。 が今の時代に生きる作品かというと必ずしもそうは言えない。内容の良し悪しとか時代の遷移とかが問題なのではなく、やっぱり読み継がれる(日本の(※当方は生まれてこの方ずっと日本で生活してますので))小説の最大条件は普遍的なリズムなんではないかと頓に思う今日この頃であります。読み継がれていくという観点に絞れば翻訳ものは有利かもしれない。当然訳すに値する内容であることが前提だけれども、時代時代に合わせて改めて文章に落とし込むことが可能な訳だから。
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