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女の民俗誌 岩波現代文庫 社会44
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2001/09/18 |
JAN | 9784006030445 |
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女の民俗誌
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商品レビュー
4.7
8件のお客様レビュー
名も知れない、歴史に残されなかったいわゆる庶民の女性の生き様、生活を綴った内容。今と比べると、出てくる女性達は皆貧しかったのだろうけれど、でも逞しさというか芯の強さ、そしておおらかさがあって、かつ著者に対しては女性へのあたたかい眼差し、尊敬の念を文章に感じられるので(解説文はちょ...
名も知れない、歴史に残されなかったいわゆる庶民の女性の生き様、生活を綴った内容。今と比べると、出てくる女性達は皆貧しかったのだろうけれど、でも逞しさというか芯の強さ、そしておおらかさがあって、かつ著者に対しては女性へのあたたかい眼差し、尊敬の念を文章に感じられるので(解説文はちょっと上から目線なのに対して)嫌味がない。多分、お母さんがほんと立派だったんだろうなぁ。 この本の中の言葉ではないが、「民衆の世界が世間に知られるのは不幸によってである」この一文には胸に迫るものがある。日本残酷物語、ちょっと読んでみたい。 飛島の女はちょっと切なく哀しくなった。阿蘇の女は、阿蘇を旅した情景とセットに読める楽しさがあった。
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婚姻・習俗・生活・仕事等につき、女性という切り口でまとめられた論考集。宮本常一が全国各地を訪ね歩き、聞き取りをした結果が、ぎっしり詰まったもので、彼の丹念な調査・行脚に驚嘆するばかりである。本書(特に、「海女たち」「共稼ぎ」)を読めば、「専業主婦」という有り様が、極めて限定された時代の特殊な状況ということがわかる。また、「行商」「出稼ぎと旅」からは、女性が頻繁に連れ立って旅をしていた(させられていた)ことがよくわかり、従来のイメージを覆すだけでなく、ルイス・フロイスの説明を裏付けるものとなっている。
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庶民の暮らしというのは、大体表舞台の外に置かれ続けてきた。こと家庭内の役目に従事した女性の実態となるとなおさらである。 まず谷川健一氏の解説から引用しよう。 「私は柳田にみちびかれて民俗学の世界に足を踏み入れたのだが、貴族的精神の持主であった柳田の文章からは、庶民の肌のぬく...
庶民の暮らしというのは、大体表舞台の外に置かれ続けてきた。こと家庭内の役目に従事した女性の実態となるとなおさらである。 まず谷川健一氏の解説から引用しよう。 「私は柳田にみちびかれて民俗学の世界に足を踏み入れたのだが、貴族的精神の持主であった柳田の文章からは、庶民の肌のぬくもりというものはあまり感じだれない。私は宮本氏に出会ってはじめて、庶民の生き生きした姿を実感することができた。宮本氏は生まれ育った環境からして、生得の庶民だったから、民俗学者として「庶民の魂」をつかむことは誰よりもうまかった」 私は民俗学者ではないし、そもそも柳田氏の著作もほとんどまともに読んだことはない。このところ歴史や民俗学に関する書籍を読み漁っているのは、伊勢志摩の海女キャラクター「碧志摩メグ」の公認取り消しや「のうりんポスター事案」などを契機に「いわゆる萌え表現に対する規制」というものがどこから来ているのかに興味を持ったからで、日本における女性の表現がどのようなものであったかという関心だった。 わが国に文字がもたらされた飛鳥時代から連綿と続く日本の表現の歴史の中で、女性がどのように描かれてきたか、女性の地位がどのようなものであったか、それを知ることに、「萌え規制」を望む感情を読み解くヒントがあるような気がしている(ちなみにまだ答えには至っていない)。 表現される女性はとりもなおさずその時点での女性の扱いを表すものであって、それを「女性の地位」という形で私はとらえている。 本書はまさに女性の生き方そのものの記録であるわけで、わずか100年ほどの間に、私達の生活習慣は大きく変わったことを改めて知らしめられる。 「昔は親の決めた相手と結婚した」「夜這いの習慣があった」等々といった断片的な知識はあっても、それが具体的にどのようなものであったかを、人々はあまり語りたがらないし、風習は地域や時期によって大きく異なる。 著者は徹底的に歩いて回ることで多くの人々の話を聞いた。祭事だの食生活だのといったことは誰もが気軽に答えるであろうが、性や婚姻といったプライベートなことはなかなか本当のことを語ってもらえない。「濁酒と堕児の話が出てきて、はじめて本当のことが聞けた」というのが著者の弁であるが、そこに至るまでの労苦は想像を絶する。 そうした労苦を抜きに成果物を拝読し、好奇心を充足できる幸甚を噛み締める次第である。
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