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ゴッホの手紙(中)
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ゴッホの手紙(中)
¥550
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商品レビュー
4.1
12件のお客様レビュー
ゴッホはどんなこと…
ゴッホはどんなことを考えて表現活動をしていたのか。ゴッホの絵をさらに味わいたいとこの本を手にとる人は多いと思う。答えは本書に十分に求められる。美術商の弟に生活費をもらう代わりに絵を送りその説明をしている書簡が大半を占めるからだ。しかしこの膨大な書簡を読む者はゴッホという個人を超...
ゴッホはどんなことを考えて表現活動をしていたのか。ゴッホの絵をさらに味わいたいとこの本を手にとる人は多いと思う。答えは本書に十分に求められる。美術商の弟に生活費をもらう代わりに絵を送りその説明をしている書簡が大半を占めるからだ。しかしこの膨大な書簡を読む者はゴッホという個人を超えて芸術家の考え方を学ぶことになるだろう。
文庫OFF
中・下巻が弟テオへの手紙である。 このうち中巻は、パリの数通のほか、アルルに引越してからゴーギャンが引っ越してくるまでの間のやり取りであり、ゴーギャンを待ち侘びている様子がよくわかる。 基本的にはゴッホの絵は売れていないので、絵の具、画布、生活費、ゴーギャンの引越費用まで含めて全...
中・下巻が弟テオへの手紙である。 このうち中巻は、パリの数通のほか、アルルに引越してからゴーギャンが引っ越してくるまでの間のやり取りであり、ゴーギャンを待ち侘びている様子がよくわかる。 基本的にはゴッホの絵は売れていないので、絵の具、画布、生活費、ゴーギャンの引越費用まで含めて全てテオの負担である。太っ腹である。 ゴッホは、自分の絵を担保にすればいいとか、パリの方が画材がずっと安いからお得だとか、一人分の生活費でゴーギャンも含めて二人生活できるからそっちの方がずっとテオのためになるとか、色々な理屈をこねてはテオから毎週のように仕送りを送ってもらい、絵の具を買ってもらっている。 読者はゴッホの書いた手紙しか読めないので、テオがどんな気持ちでこれらの手紙を受け取り、どのような返事をしていたのかはわからないが、文句も言わずに絵の具を送り、生活費を送金している様子である。 これだけだと、ダメな兄にたかられているようだが、テオが惜しまずにせっせと絵の具を送ってくれたおかげでアルル時代に多くのゴッホの代表作が次々と生み出されているのが、とにかくすごい。 ゴッホがゴーギャンが来ることを待ち望んで、家具を用意し、向日葵の絵をたくさん描いて部屋に彩りを添えているのが、その後の破局を知っているだけに辛い。 そんな金の無心5、ゴーギャン待望4、その他絵とか家族のこと1という割合になっている。 あとは、ゴッホはとにかく貧乏だからモデルを雇えず、金のかからない自画像や風景画を描いていたことがわかる。モネやドガ、シスレーなどの先行する印象派との距離感があるのも面白い。アウトサイダーであり、プロレタリア画家なのだ。しかし、絵の具をケチらずに厚塗りを続けたのは偉い。 意外なほどドラクロワを意識していること、モンティセリという先行の画家は初めて知った。
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中巻。1886年。ゴッホが弟のテオに宛てた手紙の抜粋。 この中巻では、ゴッホはアルルの家を若手芸術家の集うアトリエに仕立て上げようと奔走(するのは弟のテオであり、兄は夢想するだけ)する姿が映し出される。 本人の手紙であるから、一次資料としての価値があるわけだが、たとえば有名な寝...
中巻。1886年。ゴッホが弟のテオに宛てた手紙の抜粋。 この中巻では、ゴッホはアルルの家を若手芸術家の集うアトリエに仕立て上げようと奔走(するのは弟のテオであり、兄は夢想するだけ)する姿が映し出される。 本人の手紙であるから、一次資料としての価値があるわけだが、たとえば有名な寝室とベッドの絵の背景(150フランするベッドを、ゴッホが弟に何度も何度もねだって手に入れるくだりが、何通にもわたって手紙に書かれている)なども自ずと知ることになる。 向日葵を描き終わった後に、黄色の絵の具が無くなったから送ってほしいとテオに頼むゴッホの姿も。 しかしゴッホの、弟に対する金銭面での頼りっぷりと、浪費癖よ。知識としてはあったが、実際にこの中巻を読み続けると、冗談だろう?と言いたくなる。 ある意味では中巻は「喜劇」。では大いなる悲劇を目撃するべく、下巻へ進む。
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