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グランド・フィナーレ
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グランド・フィナーレ
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商品レビュー
2.8
62件のお客様レビュー
すごいです
第132回『芥川賞』受賞。妻とは離婚、最愛の娘と会うこともできず、故郷「神町」へと帰った主人公。その、どうしようもないロリコン男をめぐる物語。違和感と気持ち悪さを感じるのに、読み止められない。すごい本。
abtm
純文学というものをあまり読んだことがないし、どう読めば良いのか戸惑いながら読み進めた。 まず、短編集であることを知らなかった。 本書のタイトルになっている「グランド・フィナーレ」はメインの短編となっている。 きっと、物語のあらすじをまとめることにあまり意味はないのだろうと思う...
純文学というものをあまり読んだことがないし、どう読めば良いのか戸惑いながら読み進めた。 まず、短編集であることを知らなかった。 本書のタイトルになっている「グランド・フィナーレ」はメインの短編となっている。 きっと、物語のあらすじをまとめることにあまり意味はないのだろうと思う。 たしかに、読み進めるうちに、この言葉は、この構成は、何かを表現するための仕掛けなのだろう、と度々感じさせられる瞬間はあるが、それがなんであるのか、見立てをたてることすら難しかった。 もう少し批評について勉強してから、再度読んでみてもよいのかもしれない。
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もうすぐクリスマスですね。 ー 二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ… 芥川賞受賞の表題作は、ロリコン趣味が露呈して、妻と最愛の娘に去られた男の再生の物語。 とは言え、反省はしてるんだろうけど、主人公はきっと変態なままだ。 気持ち悪いまま読み終えた。 阿部和重さん...
もうすぐクリスマスですね。 ー 二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ… 芥川賞受賞の表題作は、ロリコン趣味が露呈して、妻と最愛の娘に去られた男の再生の物語。 とは言え、反省はしてるんだろうけど、主人公はきっと変態なままだ。 気持ち悪いまま読み終えた。 阿部和重さんは、そんな病んでいる男を一人称でドライに描き上げる。 村上龍さんは芥川賞の選評の中で「少女に対する偏愛という、いろいろな意味で危険なモチーフについて、作者が踏み込んで書いていないのが最大の不満だった」と言っているが、そこがこの小説をかえって不気味にしている、と思った。 主人公の内面については薄っぺらく描かれてるので、引き起こした事象から主人公のヤバさを読者は受け止める。なんかね、もういや〜なもやもやが残るんですよ。 人にあまりおすすめはしたくないが、僕はこの短編にかなりやられました。 そして、meguyamaさんもレビューでおっしゃってたけど、収録された最後の短編の「20世紀」と「グランド・フィナーレ」がループしているように思えて… 読み終えて、さーっと全身に鳥肌が立ちました。 人生って、ほんとにコワイ… あと、「グランド・フィナーレ」の作中に登場するジャズ曲、アーチー・シェップの「Quiet Dawn」は危なっかしい少女のヴォーカルが心をすごく不穏にさせます。 くれぐれも、この曲を聴きながら「グランド・フィナーレ」を読まないように。 おかしくなります。
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