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三島由紀夫が死んだ日 あの日、何が終り何が始まったのか

中条省平(編者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 実業之日本社/
発売年月日 2005/04/25
JAN 9784408534725

三島由紀夫が死んだ日

¥220

商品レビュー

3.7

6件のお客様レビュー

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2019/02/11

三島由紀夫が死んだ昭和45年11月25日。私は5歳だった。この時の記憶がうっすらと残っている。かなりインチキな記憶ではあるが……。 私の記憶では、「三島由紀夫は北海道庁赤レンガ庁舎で割腹自殺した」ことになっていた。中学生頃まで、そう信じていた。 5歳児の子供にはおそらく、東京の...

三島由紀夫が死んだ昭和45年11月25日。私は5歳だった。この時の記憶がうっすらと残っている。かなりインチキな記憶ではあるが……。 私の記憶では、「三島由紀夫は北海道庁赤レンガ庁舎で割腹自殺した」ことになっていた。中学生頃まで、そう信じていた。 5歳児の子供にはおそらく、東京の大きな西洋風のビルが、自分にとっては身近な赤レンガ庁舎になってしまっていたのだろう。「カップクジサツって何?」と父親に聞いた時、「昔のおサムライさんが、自分のおなかを刀で切って死ぬことだよ」と教えられ、子供ながらに絵巻物などに見られる「切腹」のおどろおどろしい図を想像し、「恐ろしい」思いをしたのだろう。 中学生になって、「三島由紀夫」を国語の授業などで知るようになり、記憶の間違いを知った。 そんなことがあり、「三島由紀夫が死んだ日」にとても興味があった。高校生になって読書をするようになってから、読み漁っていた遠藤周作や瀬戸内寂聴のエッセイには、時々「三島由紀夫」が登場する。しかし彼らの言う「天才」と、「割腹自殺をする人」がつながらずにいた。 この本では、三島由紀夫と親交のあった人たちが、昭和45年11月25日、どのようにして三島事件を知ったか、その時どう感じたか、三島由紀夫をどのような人ととらえているかが書かれている。それぞれが三島由紀夫の著書を挙げて、三島が死を選んだ理由を想像している。ずいぶん昔に三島由紀夫の『行動学入門』を読んだが、???だったような気がする。もう少し、他の作品も読んでみようか。

Posted by ブクログ

2018/08/17

もともと三島由紀夫には興味がなかった。中条省平はフランス文学者だが書評や映画評を書いていて時折り目を惹(ひ)くものがあった。ところがどうだ。中条の文章を読むつもりだった私は完全に三島の虜(とりこ)となった。果たして今、「切腹してまで伝えたいメッセージ」を持つ人物がいるだろうか? ...

もともと三島由紀夫には興味がなかった。中条省平はフランス文学者だが書評や映画評を書いていて時折り目を惹(ひ)くものがあった。ところがどうだ。中条の文章を読むつもりだった私は完全に三島の虜(とりこ)となった。果たして今、「切腹してまで伝えたいメッセージ」を持つ人物がいるだろうか? 腹を切るのは日本男児として最高の責任の取り方である。政治家も学者も教師も責任逃れの言いわけばかり巧みになり、大人が無責任になってしまった時代のきっかけは、三島の声に耳を傾けなかったところに遠因があると思われてならないのだ。 https://sessendo.blogspot.com/2018/08/blog-post_17.html

Posted by ブクログ

2010/04/15

文学史上最も壮絶な死を遂げた作家といえば、 三島由紀夫を置いて他にはいるまい。 ある日突然、自衛隊の総監室を占拠し、 自衛隊員へ意味不明の大演説をした挙句の割腹自殺… 当時の日本を代表する売れっ子作家である彼が 何故そんなことをしたのか。 当然当時の人々は大混乱に陥った。 ...

文学史上最も壮絶な死を遂げた作家といえば、 三島由紀夫を置いて他にはいるまい。 ある日突然、自衛隊の総監室を占拠し、 自衛隊員へ意味不明の大演説をした挙句の割腹自殺… 当時の日本を代表する売れっ子作家である彼が 何故そんなことをしたのか。 当然当時の人々は大混乱に陥った。 様々な人が色々な分析を試みてはいるが、 本当のところは、誰にもその謎は解けていない。 そんな謎を今更ながら考えてみたというのが この本だ。 彼の存在は、私にとっても驚きの連続だった。 最初は中学生の時、図書館でたまたま開いた写真集だった。 そこには、三島由紀夫がかつて住んでいた 『悪趣味』としか言いようのない豪邸が写っていた。 ページをめくると、どうやらこの人は、 訳のわからぬ事件を起こし、更に訳のわからぬ死に方をしたようだった。 一体この男は何者なのか。 官僚の家に生まれ、本人も東大法学部から、 大蔵省へと進む。 いつの世も、これ以上にないであろう エリート中のエリートであった彼が、 大蔵省を辞めた理由は『天下り』ではなく、 『小説家への転向』。 そんなのありえないだろう。 最も安定した職業から、 最も不安定な職業への転向。 そんな彼が『小説家として生きる』という 覚悟を見せ付けた作品が『仮面の告白』。 事実上のデビュー作でなんで自分がホモだということを アピールしないといけないの?そりゃ売れるかもしれないけれど、 他にネタはなかったの? 大学時代、この本を読んだ私の正直な感想だった。 更に、その後の異様なまでの肉体美への陶酔。 品のいいえなりかずきが、何故にブルース・リーみたいになる必要があったのか。 そこまできたら、わからないところだらけ。 『死んだらおしまい』とは言うけれど、 現時点で彼を狂人扱いするのは容易い。 しかし、一度でも彼の本を読んだことのある人間であれば、 そう簡単に片付けられはしないだろう。 率直に言って、彼の趣味はいいとは思えないが、 彼は決して頭の悪い人ではなかった。 むしろ、普通の人には理解できないような、 『天才』としか表現のしようのない人だと思う。 もう10年近く彼の作品は読んでいないので、 今では殆ど覚えていないが、 彼の文章は、私など、真似しろといわれても、 真似は出来ない。 表面的かもしれないが、 村上春樹の本を読んで、 『自分も小説家になりたい』 と思う人はいても、 三島由紀夫の本を読んだら、 大部分の人が、 『小説家ってこういう文章がかけないとだめだろうな』と 諦めてしまいたくなる。 結局のところ、『昭和』とほぼ同じ時間の流れを 生きていた彼にとって、戦後の日本というのは、 とても受け容れ難いものだったようだ。 特に、彼が亡くなった昭和45年ごろは、 80年代のバブルに至る経済優先路線が 鮮明に見え出した頃のようであり、 それはかつての『日本』とはいろんな意味で 様相を変えていたのだろう。 いわゆる『変わらなくてはいけないもの』と 『変わってはいけないもの』という話だろうけど、 彼に言わせれば、日本はその後者の誤りを 犯し続けたのだろう。 如何に彼が当時の人気者であったにせよ、 その流れを止めることまで出来るはずもなく、 彼としては自分なりの筋を通すため、 止むを得ない行動だったのかもしれない。 普通の人であれば、 多少世の中が納得の行かない方向に進んだとしても、 それなりに生きていくことだろう。 しかし、そんな自分を許すことが出来なくなって あんなに最期を迎えたとなると、 才能って何なのだろうと思う。 やっぱり、『普通に生きる』というのは、 意外と難しいのかもしれない。

Posted by ブクログ

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