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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1999/02/20 |
JAN | 9784061494398 |
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「意識」とは何だろうか
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「意識」とは何だろうか
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商品レビュー
3.7
23件のお客様レビュー
新書ということもあってコンパクトに「意識」の謎を整理した本なのだが、矛盾するようだが多彩な切り口から語れるとも思う。文字通り人間の意識はどこにあるのか(私の脳の中だけにあるのではなく、外部に存在する事物と「アフォード」している関係性の中にあるのではないか?)、あるいは人間の意識を...
新書ということもあってコンパクトに「意識」の謎を整理した本なのだが、矛盾するようだが多彩な切り口から語れるとも思う。文字通り人間の意識はどこにあるのか(私の脳の中だけにあるのではなく、外部に存在する事物と「アフォード」している関係性の中にあるのではないか?)、あるいは人間の意識を薬で調節することの倫理的な是非はどうなるのか、などなど。そうした切り口から考えていくのはあくまで読者の作業ということになるので、私自身自分の関心のあるところからこの本を「使う」ことはできないかとも思ってしまった。好奇心をくすぐる本
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環境に滲み出る「自分」というもの。 輪郭は物体として存在しているとしても、自分という境界は曖昧さを抱いている。 記憶だとか、意識だとか、あたかも、主体的で能動的であるような、認識はほんとうにそこにはないのかもしれない。 環境に染められて、溶け出して、雑じりあっていくことで、反...
環境に滲み出る「自分」というもの。 輪郭は物体として存在しているとしても、自分という境界は曖昧さを抱いている。 記憶だとか、意識だとか、あたかも、主体的で能動的であるような、認識はほんとうにそこにはないのかもしれない。 環境に染められて、溶け出して、雑じりあっていくことで、反応するように自分の心というものが応答する。何度も何度も、いつどこで、どんな環境に身を置いたか。状況という応力に変形する自分という形がある。少しづつ姿を変えていき、一時も同じことはない。そうやって積み重ねられたいまが、自分というものを定義できたと思う、まぼろしみたいな瞬間。記憶も意識も、そして自分というものが反応的だと思う。 感覚をもう1度、なぞりたいという欲求が人間には備わっているのだろうか。境がなくなっていく。そもそもが存在しないのかもしれない。 でも、そのことに抗っていたい気分が、ここにはある。 状況が、自由になっていく。言いたいことを言う。したいことをする。テクノロジーがイノベーションを導く。 ふと、周りを見ると、怖くなる。 同じだ。みんな同じだ。 電車に座る全員が、同じ姿勢で、画面を見つめてる。全員だ。隙間があれば、ポケットからスマホを取り出す。 迷いのなさに、怖くなる。 どんだけつぶやいたとしても、どれだけの時間つながったとしても、そこに表れてくるものは何なのか。表れたと思うものは果たして何をもたらしているのか。 ひとりひとりが自由だと言っている世界を、ふと立ち止まって見てしまうと、同じに染められていく、一緒くたにまとめられていく。環境に影響し、環境に影響され、同じように繰り返すだけ。 述べようとしていることは、新しいことのようで、近頃ずっと考えていることと重なっていて、当たり前のように腑に落ちる。普通のことだと捉えた。 だけど、人間というものを調べて、その在り方を、見え方を更新して示したいと思っている研究者である作者自身がそのスタートにおいて、様々な定義に捕われているみたいだと思う。その早い時点で決めてしまった定義に引っ張られているから、あたかも、自分が見出したものをことさらに、比較して、説明しようとする。いや、なんでそこからしか見れないんだろう。どうして、そこからの視点にこだわるんだろう。頭の良い、優秀なひとほど、社会というものを分かりすぎるし、その期待に応えてしまう。自分でつくった、世の中という実体のないものが作った柵を律儀に守り続けてる。そこから必死に、遠くを目指してる。そんな風に思えてしまった。 物語を書くひととは、そこを飛び越えることから始まる。軽々と飛び越えてどこまでも行きたいところへ行ける。だから、小説は面白いんだとひとりごちる。 もちろん、この本も面白い。 こんなことを考えさせる、自分に小さくない来歴を残す、本というものはだから面白いものなんだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
本書ではさまざまな脳科学の実験から、意識という目に見えない存在を解明しようしている。 錯視や残光などの例を挙げて、脳はすべての主体ではなく、身体や環境の変化に順応する能動的な存在であることが示される。このように脳が能動的に働いているとき、人は無意識である。そして無意識は、身体や他者などの外部世界をきっかけにして「意識」される。意識は無意識がなければ存在せず、意識と無意識は曖昧であるのだ。 自分の心を理解しようとして読み始めたが、脳や意識は外の世界に依存していることを知った。脳を外部の影響を受けることが自然なら、脳に手を加えることを明確に否定できないことが怖かった。 「桶の中の脳」や幻影肢、抗うつ薬投与といった哲学・倫理的な問題に科学的に解答を見つけている部分があり、本書を読んでよかったと思えた。
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