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ニングルの森
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ニングルの森
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
十勝岳の奥の奥にある太古の原生林に住んでいるわずか十数センチの小さなヒト、ニングル。妖精なんかではなくれっきとした小さな原住民。彼らは二百年も三百年も生き、雄大な自然のいとなみとともにのんびりと生きている。それにひきかえ、彼らの口から語られる人間たちの生き方は、みな時間に追われ、...
十勝岳の奥の奥にある太古の原生林に住んでいるわずか十数センチの小さなヒト、ニングル。妖精なんかではなくれっきとした小さな原住民。彼らは二百年も三百年も生き、雄大な自然のいとなみとともにのんびりと生きている。それにひきかえ、彼らの口から語られる人間たちの生き方は、みな時間に追われ、何ものかに縛られていてとても悲しい。ニングルたちのように生きられたらいいのに…。そう思いました。だけどそんなニングルたちも森の木が開発で切り倒されることによって生きることが出来なくなる。単純に自然破壊によって、ではなく、文字通り命を失ってしまうのだそう。人間は命を育む森を切り倒し、時間に追われ、一体どこへ行こうとしているのだろう? 児童文学だけど、語られていることは深くて大人向けであると思いました。 今年の夏が異常に暑かったのは木を切りすぎたせいだと私は素人頭で思っていたのですが、この小さなニングルたちの物語を読んで、あながちそれは間違っていないと確信しました。
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北海道十勝岳の奥にある太古の原生林、そこには体長わずか十数センチの小さなヒトビト「ニングル」たちがひっそりと、自然と共に棲んでいる――。妖精ではなく実際に存在する先住民族とされるニングル達、自然と共にゆるやかに命を繋ぐ彼らの眼には、人間の生活や文明はどのように映るのか。電気、お...
北海道十勝岳の奥にある太古の原生林、そこには体長わずか十数センチの小さなヒトビト「ニングル」たちがひっそりと、自然と共に棲んでいる――。妖精ではなく実際に存在する先住民族とされるニングル達、自然と共にゆるやかに命を繋ぐ彼らの眼には、人間の生活や文明はどのように映るのか。電気、お金、文字、教育、土地、命、時間などを各章で扱い、愛おしく幸福なニングル達の姿から、自然に逆らい、欲に生き、自らを縛り付ける窮屈な人間の姿を浮き彫りにする。優しくも強く明確なメッセージを握りしめた、倉本聰による初の童話作品。 まず単純にニングル達が愛おしい。純粋で、欲がなく、争いを嫌い、そして何よりも彼らは人間を含む万物に対するいたわりの心を持っている。妖精ではなく先住民族ということからもわかるように、彼らは人間達によって棲み処を奪われ、原生林の奥地で隠れるように暮らすことを余儀なくされている。しかしその生活すらも人間のより壊されそうになるのだが、童話の最後を締めくくるニングル達の叫びに読者は胸を痛めずにはいられない。 「人間様に手紙を書きたい。 ダムをなくすよう伝えなくちゃいけない。 でも――。 ボクたちは文字を持たないから、手紙を書きたくても書くことが出来ない。 それに――。 かりに手紙を書き川に流しても、きっと途中のダムにひっかかって、人間様の住む下流まで届かない――。」 人間のエゴ、自然破壊、届かぬ思い、この愛おしく優しさに包まれた童話は、自分本位の人間に対する皮肉を幾重にも層を成して描き出す。生涯そばに置き世代を超えて読んでいきたい傑作童話である。
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童話。 北海道には、親指ぐらいの ニングルという小人民族がいるらしい。 最後のあとがきに 人間本来のDNAがなんたらかんたらって。 人間本来のDNAって何だよ、と。 そして、 何で俺はこの本を読んでいるんだよ、と。
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