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神と仏の精神史
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神と仏の精神史
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「神仏習合」を、純粋な仏教や神道の信仰からの逸脱とみなすのではなく、日本人の信仰形態の根本的なありかたを示す現象としてとらえなおす試みをおこなっている本です。 著者は、神道と仏教の融合である「神仏習合」がなされる以前に、日本において「神神習合」が存在していたと主張します。それは...
「神仏習合」を、純粋な仏教や神道の信仰からの逸脱とみなすのではなく、日本人の信仰形態の根本的なありかたを示す現象としてとらえなおす試みをおこなっている本です。 著者は、神道と仏教の融合である「神仏習合」がなされる以前に、日本において「神神習合」が存在していたと主張します。それは、ヤマト王権が出雲をはじめとする他の地域を政治的に併合していくなかで、土着の神を記紀神話に取り込んだことに示されていると著者は論じています。 さらに、仏教の受容をめぐる蘇我氏と物部氏・中臣氏の対立は、外来の神と土着の神とのあいだの軋轢を生じながらも、仏教がこの国に受け入れられていくプロセスとして理解することができるとされており、神・儒・仏の総合という大きな宗教政策をおこなった人物として聖徳太子の事跡を理解し、彼が東アジアの国際秩序のなかで日本の地位をどのようなしかたで確立しようとしてきたのかということが、上述の観点から解釈されています。 ほかにも、神道とケルト文化との比較や、神を意味する「チ」「ミ」「ヒ」や「ミコト」などのことばについての考察、高天原の「ハラ」や根の国の「ネ」といったことばに込められた神話構造の解明などがおこなわれています。
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