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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2000/08/01 |
JAN | 9784101375311 |
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語源の快楽
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語源の快楽
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読むのにずいぶんかかった。 いわゆる雑学の本と侮るなかれ。 「萩谷朴」という名前は、日本文学を学んだ人なら、どこかでお目にかかるはず。 そう、中古文学の専門家として知られた人物。 専門の枕草子や土佐日記の記述や、古辞書、漢文などが縦横に引用され(現代語訳なんてついてない!)、ま...
読むのにずいぶんかかった。 いわゆる雑学の本と侮るなかれ。 「萩谷朴」という名前は、日本文学を学んだ人なら、どこかでお目にかかるはず。 そう、中古文学の専門家として知られた人物。 専門の枕草子や土佐日記の記述や、古辞書、漢文などが縦横に引用され(現代語訳なんてついてない!)、また戦時中インドネシアに赴任した経験も総動員して、語源に迫っていく。 語源説なんて、話半分に聞かなきゃ、という気分が飲まれてしまう。 いわゆるク語法。 「ところ」を表す名詞の「く」がついてできた言葉がある。「いはく」(言うところ、言うこと)「おもはく」の類。 「いはく」「おもへらく」は、ア段音に続いているのに、「申ししく」「思へりしく」はイ段音。 こうした謎に、本来は連体形接続だが、「いふ+く」のままだと同じ母音が連続してしまう。 これを避けるために、最初の母音が開いてア段音になった、と説明されている。 勉強になった! その他、知っていたものもあるけれど、「はっけよい」が、「八卦良い」ではなく、「はっ、競(きほ)へや」だったとは。 これは中古文学の専門家ならではの発見。 こんな具合に読むのに時間がかかり、10日も経ってしまった。 ようやく最後まで行ったら、解説は先ごろ亡くなった橋本治さん。 『桃尻語訳枕草子』は、萩谷さんの新潮古典集成の枕草子をテキストにしていたとのこと。 わからないところをうやむやにしない萩谷注で、枕草子をもう一度読んでみたい。
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本書はいろんな言葉の語源を解説する読み物。 取り上げる項目数は多く、これは萩谷版「語源辞典」と申せませう。 普段何気なく使つてゐる言葉の数々。その言葉がいかなる成り立ちを経てゐるのか、などと考へながら使ふことはあまりないと思はれます。実際私も本書の中で語源を知る言葉はほとんどあり...
本書はいろんな言葉の語源を解説する読み物。 取り上げる項目数は多く、これは萩谷版「語源辞典」と申せませう。 普段何気なく使つてゐる言葉の数々。その言葉がいかなる成り立ちを経てゐるのか、などと考へながら使ふことはあまりないと思はれます。実際私も本書の中で語源を知る言葉はほとんどありません。たぶん10以下でせう。 また、一般に定説と思はれてゐる語源も、萩谷朴氏による異説・新説が次々に開陳されて、本当は一体どれなのかますます分からなくなるのであります。 例へば「烏合の衆」。ここに出てくる「烏」とはカラスではなく鵜のことであるといふ異説を紹介してゐます。今までカラス以外のものを想像もしなかつた私としては、惑ふのであります。 あるいは「さばをよむ」の「さば」とは何か。皆様はご存知なのでせうか。無学な私は何となく魚の鯖だと思つてゐましたが、実は「散飯」または「生飯」と書き、握り鮨の職人が客の食べた飯粒を数へることを「生飯をよむ」といつたのだとか。中にはタチの悪い職人がゐて、飯粒の数を誤魔化して客から余分な代金を請求するやうになつた。その行為を「サバをよむ」といふやうになつたのださうです。関係ありませんが、昔青島幸男といふ人は「サバ云ふなコノヤロー」なるフレーズを流行らせたことがあります。 もうひとつ。相撲の「はつけよいや」は、発気揚揚が語源であると以前NHKで紹介してゐましたが、萩谷氏によると、これも違ふと書いてゐます。では何かといふと...まあ本書を読んでみてください。 かういふ話を仕入れて、話の種にするのもよろしいでせう。さりげなく会話に入れてみると「ほほう!」と感心されるかも知れません。 肩の凝らない読み物で、柴田ゆうさんのカバー絵やカットも楽しい一冊であります。 http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-160.html
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『おもしろ奇語辞典』の改題本と言いますが、おもしろいというよりはストイックなほど真面目に、語源についてまとめられた一冊。 学者調のまとめ方は、読者に楽しんで読むというよりも、真摯に学ぶことを要求しているような気もしますが、不思議な響きの言葉の成り立ちについて興味を持つ人にとっては...
『おもしろ奇語辞典』の改題本と言いますが、おもしろいというよりはストイックなほど真面目に、語源についてまとめられた一冊。 学者調のまとめ方は、読者に楽しんで読むというよりも、真摯に学ぶことを要求しているような気もしますが、不思議な響きの言葉の成り立ちについて興味を持つ人にとっては、飽きずに読み通せそうです。 著者の選んだ言葉が50音順に掲載されています。 「ねりぐり」とか「はったい粉」とか、知らない言葉もたくさんありました。 また、古書の引用が、ひらがなではなくカタカナ表記になっているため、今となっては読みづらい印象です。 堪えて読んでいくと、時折面白い記述にぶつかります。 まとめ本であるため、以下箇条書きにて。 ・オランダ語のオンテムバール(尻軽)→お転婆→(肥後方言)オテモヤン ・蝶よ花よ→ちやほやする(響きの変化) ・「ピンからキリまで」のピン:スペイン語のpunta(点)からカルタや賽の目の一のことを言う キリ:花札の12月の桐の絵から、最後をキリという ・東京ではつき出し→関西ではおつまみ ・「はすっぱ」は、お盆のナスやキュウリの下に敷かれる蓮の葉、くず野菜の意味 ・「あんぽんたん」のアンは「あん畜生」のアンと同じ ・ヤクザの「ヒモ」とは、猿回しの紐 ・「ひやかす」とは「ふやかす」の江戸方言。未熟練の紙職人の工程から。 ・「ひょっとこ」は「火男」 ただ、学術調査の及ばない言葉も多々あるらしく、飽くまで著者の推測にすぎないことも記述されているため、記載事項全てが事実とは判断できかねる点に、あやふやさを感じます。 たとえば「あっけらかん」が「呆気にとられた羅漢」かもしれない、だとか。 それでも、知的好奇心は満足できました。 橋本治のあとがきつき。
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