女性登山家「田部井淳子」編集の女性によるエヴェレスト登頂史『エヴェレストの女たち』を読みました。 『エベレストママさん ―山登り半生記』、『エプロンはずして夢の山』、『山の頂の向こうに』に続き「田部井淳子」関連作品です。 -----story------------- 地球のてっぺん、エヴェレストに立った21カ国41人。 生と死が交錯する最高峰の頂きで、彼女らは何を見、何を感じたか。 女性によるエヴェレスト登頂史とともに、現代女性史の一側面にもふれる。 ----------------------- 1996年5月10日…　エヴェレストにおいて、日本の女性登山家「難波康子」さんら八人が、一日のうちに命を失った日、、、 エヴェレスト登山史上最も苛酷な一日と呼ばれるエピソードが導入部分となっており、 その後、1975年5月16日の「田部井淳子」による女性初のエヴェレスト登頂から、 1995年のエヴェレスト登頂経験のある女性登山家によるサミット、 そして、それぞれの女性がエヴェレストに登頂した際のエピソードが紹介される…　という展開になっています。 　まえがき 　本書を読む前に 　第一章　一九九六年五月 　第二章　一九七五年五月 　第三章　エヴェレスト女性サミット一九九五 　第四章　最高峰を踏みしめた女たち 　第五章　ネパール・ヒマラヤに挑んだ女たち 　第六章　エヴェレスト女性登頂者へのアンケート 　第七章　女性による高峰登山の進展 　あとがき 　付録　八千メートル峰の女性登頂者一覧 あなたはどうしてエヴェレストに登ったのですか？　という質問に対する回答に、それぞれの環境の違いや社会的背景が滲み出ていると感じました。 「田部井淳子」 自分自身のため。そしていっしょに行ったチームのために。 「パンドゥ」 中華人民共和国のために。 「ルトキェヴィッチ」 女性の勝利のために。 でも、嘘偽りのないノンフィクションだけに、成功体験よりも、遭難に至った状況…　その中でも遭難死に至る過程の方が強く印象に残りましたね。 一度は、自分が遭難するシーンが夢にまで出てきましたねぇ…　寒いのは苦手なので、凍えて動けなくなる、零下数十度の風雪の中でビバーグするなんて、想像したくないというのが正直な気持ち。 想像力を抹殺したい気持ちを抑えつつ、事実として受け留めながら読みました。 雪山…　登ってみたいけど、キチンとした装備やスキルがないと危ないですよねぇ、、、 ということを強く感じた一冊でした。 暖かい布団の中でぐっすり眠れることって、ありがたいことなんだなぁ…　と再確認しましたね。