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『正法眼蔵』の心 NHKブックス701

有福孝岳(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本放送出版協会/
発売年月日 1994/06/22
JAN 9784140017012

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2020/08/28

道元の『正法眼蔵』のテクストを読み解きながら、著者自身の観点からの解釈をおこなっている本です。 著者はカント哲学の研究者であり、本書の随所で西洋哲学との比較がおこなわれているのが特色といってよいでしょう。「三界唯一心」の思想をカントの認識論に言及したり、「身心脱落」をめぐってニ...

道元の『正法眼蔵』のテクストを読み解きながら、著者自身の観点からの解釈をおこなっている本です。 著者はカント哲学の研究者であり、本書の随所で西洋哲学との比較がおこなわれているのが特色といってよいでしょう。「三界唯一心」の思想をカントの認識論に言及したり、「身心脱落」をめぐってニーチェの身体論をとりあげたりと、西洋哲学に関心のある読者に道元の思想の意義をわかりやすく説明する工夫がなされています。 道元の思想にかんしては、ハイデガー哲学との近さを指摘する論者が多く、西洋哲学との接点を見いだそうとする試みは数多く存在しています。ただし本書では、特定の哲学者に道元を引き寄せるのではなく、比較的道元のテクストそのものに密着して議論がなされており、著者自身の思想的立場が押し出されているわけではありません。個人的には、そうしたスタイルにもの足りなさをおぼえますが、道元とハイデガーをつなごうとする論調にアレルギーのあるひとでも、あまり抵抗なく読める内容になっているのではないかと思います。

Posted by ブクログ

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