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トルコのもう一つの顔 中公新書1009

小島剛一【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論社/
発売年月日 1991/02/25
JAN 9784121010094

トルコのもう一つの顔

¥220

商品レビュー

4.4

53件のお客様レビュー

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2024/02/14

最近気になる中東の文化を紹介している本かと思ったら、言語学である著者によるトルコの旅の記録でした。めっちゃ面白い。言語学者による旅行記がこんなにもアドベンチャラスなものになるのか!観光ガイドブックのような表面的なものではなく、少数民族に焦点をあてながら自らの体験として紹介している...

最近気になる中東の文化を紹介している本かと思ったら、言語学である著者によるトルコの旅の記録でした。めっちゃ面白い。言語学者による旅行記がこんなにもアドベンチャラスなものになるのか!観光ガイドブックのような表面的なものではなく、少数民族に焦点をあてながら自らの体験として紹介しているのです。それもそのはず。1970年当時トルコに魅せられた著者による少数民族調査旅行だったのです。強大なオスマン・トルコ帝国が西洋諸国によって分断されたのち単一民族国家という幻想で統一しようとしていた時期で、少数民族の虐殺・弾圧もある危険な時期。言語もばらばら、宗教もばらばらであることを認めない時期に少数民族の調査目的をひた隠して旅行を続けるのです。現地警察による逮捕だったり、政府からの妨害、人々とのあたたかい交流など物凄い体験がぎっしりつまった1冊です。すさまじい迫力の冒険記となっています。この告発本とも呼べる新書の出版が多言語民族国家を認めるきっかけになったとのこと。う〜ん、凄すぎる。言語=イデオロギーなのですね。単一民族国家とうそぶく日本にも黒歴史があるよね。心を一つにとか甘い言葉も行きすぎると危険な考えとなることに注意しなければならないと感じました。米国寄りにそまった日本の考え方が世界標準に沿っていて「正しい」なんて勘違いしない方がいいということも思い知らされます。 異なる文化背景にともなう翻訳の限界で情報が正しく伝わらないという情報誤差の発生は必ず考慮しなけれなならない問題としてとりあげられています。これはカタカナ英語で表現してなくなるとかではなく概念の話だし、AIで翻訳しても解決しない問題。自分で直接異文化に接することって大事だなと実感。素晴らしい旅本です。旅にでたくなるぞ。 なんと政治的配慮で削られた部分を補足する「補遺編」と続編「漂流するトルコ」もあるそうな。読みたい。

Posted by ブクログ

2023/11/13

学問に対してとことん誠実で、忖度も妥協もしないせいでトルコがフィールドなのにトルコに入国できなくなってしまう。かっこいい生き様です。

Posted by ブクログ

2023/04/24

本書はフランス在住でトルコの少数民族が話している言語を研究している日本人の手記ですが、一貫して本人の体験談をもとに記述されているため非常に生々しい本です。題名にもあるように、イスタンブールやトロイ、カッパドキアなどとは違う、一般の人の目にはまず入ることのないトルコの側面を紹介して...

本書はフランス在住でトルコの少数民族が話している言語を研究している日本人の手記ですが、一貫して本人の体験談をもとに記述されているため非常に生々しい本です。題名にもあるように、イスタンブールやトロイ、カッパドキアなどとは違う、一般の人の目にはまず入ることのないトルコの側面を紹介しています。日本には方言こそあるものの基本的に日本語を皆が話していますし、方言は個性的なものとしてむしろ近年は良いものという風潮が大きくなっている気がします。一方本書が描かれた1980年代のトルコでは言語、方言というものが政治に密接に関係し、自身の話す言語次第では逮捕されることがある、という事実は衝撃的でした。民族、言語、宗教という言葉はもちろん知っていますし、意味もわかっている気がしていたのですが、本書を読んで改めて「民族」とは何か「言語」とは何か、「宗教」とは何か、がつくづくわかっていない自分に気がつきました。現在のトルコではどうなっているのかわかりませんが、本書トルコ理解を促進するためには必須の本と思います。

Posted by ブクログ

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