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マホメット 講談社学術文庫

井筒俊彦【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1989/05/01
JAN 9784061588776

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マホメット

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商品レビュー

4.2

12件のお客様レビュー

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2024/03/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルの通り、マホメット(ムハンマド)は何者なのか、また何をしたのかを描いた本。 突然歴史の表舞台に現れ、急速に勢力を拡大し、アジア・ヨーロッパ世界に絶大な影響を及ぼしたイスラーム。そのイスラームを生んだマホメットとは一体何者なのかと興味を持ち、この本を読んだ。マホメットの魅力を著者は抒情的に表現している。「渺たるアラビア砂漠の一点にこの人物が現れて手を一振りすると忽ちそれに応じて世界が動揺し、惑乱し、果ては東洋の歴史ばかり か西洋の歴史までも大きく旋回してその流れの方向を変えてしまう。善にせよ悪にせよ、ともかく史上の一大壮観ではないか。これを壮観とよばなかったら何をその名で呼べるだろう。そして、ここまで考えて来れば、こんな大きな一撃を人類の歴史に与え得たマホメットはそも何者であろうか、という疑問が自ら人々の胸に湧いてくるのも当然すぎるほど当然ではないだろうか。」 本書の大半はマホメット登場前のジャーヒリーヤ時代の考察に裂かれている。ジャーヒリーヤ時代は、剽悍で果敢なベドウィンたちの時代であり、そこでは血のつながり、部族がすべてであり、過去が現在以上に尊いものとされた。一方で、根源的な不安、死に対する恐怖に囚われ、自暴自棄となり刹那的な快楽に溺れていた。そんな精神的状況下でマホメットが登場し、人々を救済しようとする。ここの考察が、当時の詩を引用しながら、手触り感をもって説明されており、様々なイメージを与えてくれる。 内容もさることながら、それ以上に文章が素晴らしい。著者のムハンマドへの並々ならぬ情熱をのせて、当時のアラブ世界を抒情的に表現しており、読んでいて非常に気分が良い。爽快感すら感じる。著者は意識的に血の通った表現でマホメットを描いてる。「・・・自分の心臓の血が直接に流れ通わぬようなマホメット像は私には描けない。だからいっそ思いきって、胸中に群がり寄せてくる乱れ紛れた形象の誘いに身を委ねてみよう。・・・幻の導くままに数千里の海路の彼方、荒寥たるアラビアの沙漠に遥かな思いを馳せてみよう。底深き天空には炎炎と燃えさかる灼熱の太陽、地上には焼けただれた岩石、そして見はるかす砂また砂の広曠たる野。・・・」一語一句そのまま覚えたくなるような名文にあふれている。このような文章は、読むだけで生新の気が心に流れ込んでくる。

Posted by ブクログ

2024/02/09

イスラム教創始者のマホメット(ムハンマド)の生涯などについて書かれた本だと思っていたが、メインはそこではなかった。 (もちろんマホメットの生涯についても書かれているけれど) イスラム教が生まれたその経緯、マホメットが生まれ育った当時のメッカ(マッカ)の情勢や、イスラム教が生まれる...

イスラム教創始者のマホメット(ムハンマド)の生涯などについて書かれた本だと思っていたが、メインはそこではなかった。 (もちろんマホメットの生涯についても書かれているけれど) イスラム教が生まれたその経緯、マホメットが生まれ育った当時のメッカ(マッカ)の情勢や、イスラム教が生まれる前のアラブ文化などから説明がされていて、なぜあの時代、あの場所でイスラム教が生まれたのか、ずっと不思議だったことが少し理解できた気がする。 著者の井筒さんはベドウィン(砂漠の遊牧民)の詩がすごく好きなんだと思う。 この本は全体を通して文体に熱がある。 要所要所でベドウィンの詩が紹介されているけれど、その熱く情緒的な詩の温度がこの本全体に漂っている。 砂漠の乾いた暑さが読んでいるだけで伝わってくるような気分になった。 私が知識がないだけかもしれないが、知らない漢字や単語が多くて読み進めるのに少し苦労した。 前後の文からなんとなく意味は分かるものの、正しく理解したくていちいち調べて読んでいたので。 例えば・・・ 渺(びょう)たる→ 水面などが限りなく広がっているさま。 はるかにかすんでいるさま。 爽昧(そうまい) →夜明け。 あかつき。 「爽」は明るい、「昧」は暗い意。 剔抉(てつけつ)→① えぐり出すこと。 ほじくり出すこと。 ② 悪事や欠陥、矛盾などをあばき出すこと。 など。 それと、牧野 信也さんの解説も大変面白い。(本編が100Pほどなのに、解説が20P もある) 著者の井筒さんは、禅者であるお父さんから、思考するな実践あるのみ。という観照的教えを受け、自身もそうであると信じていたらしいが、西欧神秘家たちの著作に接するにあたり、これらと正反対の事実がることを知った。 しかし、さらにこれら西欧の哲学等に触れるうち、「このような哲学的思惟の源泉としての観照的体験の発見」をする。 てっきり、最初からアラブ文学に対する興味関心が高く、その道に進んだ人だと思っていたので、驚きの経歴だった。 解説には細かい経歴も載っている。 最初は言語文化、言語哲学、イスラーム学などを専門にしていたらしい。 「ロックフェラー財団の招きによって、中東、ヨーロッパ、アメリカを歴訪した」 と書いてあるのも興味深い。 イスラム文化に精通した人をユダヤの財団が招くとは。 その後も井筒さんの経歴や過去の著作、その内容などについて16Pほど書かれ、ようやく最後にこの著作「マホメット」についての解説がされる。

Posted by ブクログ

2022/03/04

名著の中の名著という。然り。 ・アラビア騎士道の聖なるスンナを彼は狂愚迷妄と断言し、一挙に抹殺しようとした。この意味において、そしてこの意味においてのみ、マホメットの宗教運動は大胆無謀極まりない一の革命であった。 ・元来マホメットは傲慢な超人的な人間ではなくて、むしろ臆病な、...

名著の中の名著という。然り。 ・アラビア騎士道の聖なるスンナを彼は狂愚迷妄と断言し、一挙に抹殺しようとした。この意味において、そしてこの意味においてのみ、マホメットの宗教運動は大胆無謀極まりない一の革命であった。 ・元来マホメットは傲慢な超人的な人間ではなくて、むしろ臆病な、小心翼々たる人だった。その彼を一挙にして強靭な石腸に変貌させたものは突如として彼を襲ってきた終末観的感覚であった。

Posted by ブクログ

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