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日本語 表と裏 新潮文庫

森本哲郎【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1988/03/01
JAN 9784101073118

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2022/05/07

古本屋で見かけてたまたま購入した一冊。買ってよかった。普段無意識に使うような日本語から日本人的な性格の分析をしている点が面白いのはもちろん、文章が軽妙で読みやすい。途中関係なさそうな小噺に脱線することもあるが、最後にはきれいにテーマに帰ってきて、そこも気持ちいい感覚だった。また、...

古本屋で見かけてたまたま購入した一冊。買ってよかった。普段無意識に使うような日本語から日本人的な性格の分析をしている点が面白いのはもちろん、文章が軽妙で読みやすい。途中関係なさそうな小噺に脱線することもあるが、最後にはきれいにテーマに帰ってきて、そこも気持ちいい感覚だった。また、読む分にはとても面白いけど、この文章を書くための知識と経験値はものすごい量で、引用される内容にも勉強になる点が多かった。ルース・ベネディクトの「欧米は罪の文化、日本は恥の文化」や漱石の草枕についてはもう少し踏み入った内容を学びたい。 特に印象的だったのは、以下(面白かったポイントが多すぎる...)。 ・よろしく:「よろしく心を配ってほしい」という責任の転嫁、よきにはからえ。 ・やっぱり:日本風土(季節)に基づく、予測の習慣と同質社会の「世間」を大主語とした前提。 ・虫:自分ではどうにもならない精神や生の本能、リビドーの類語 ・いいえ:うなづいているのが日本人、肯定じゃないうなづき ・お世話様:欧米は罪の文化、日本は恥の文化(ルース・ベネディクト) ・わたし:日本人が「自分」に意識が向いているのではなく、相手によって心を配っている証拠 ・ということ:中国から高度な抽象語が入ってきたせいで、抽象的な言語から具体化していくしかなかった。「動詞+ということ」とすることが日本的な言語の抽象化。 ・おもてとうら:日本人は裏を重要視する。うら=こころ。裏を裏として認識するだけのおぼろの美学(抽象化が苦手の理由?) ・あげくの果て:日本の座談会の性質、何も決まらない、日本的な合意形成の過程 ・かみさん:無手勝流 ・ざっくばらん:四角張らぬ(四角四面の堅苦しい態度をとらない)が語源 ・意地:夏目漱石 草枕 →智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 (人づきあいは、智と情と意地のバランスを上手にとらなければならず、なかなか困難なことだ)

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2021/06/28

日本語から日本人の考え方や性質を解き明かしていく日本人論の一冊。 日本人は豊かな自然の元で生活しているため、自然であること・自然のままをよしとし、自然に甘えている、なんていう指摘が「いい加減」という言葉から導きだされていく。 そういうのが納得いく形で次々と流れるように語られてい...

日本語から日本人の考え方や性質を解き明かしていく日本人論の一冊。 日本人は豊かな自然の元で生活しているため、自然であること・自然のままをよしとし、自然に甘えている、なんていう指摘が「いい加減」という言葉から導きだされていく。 そういうのが納得いく形で次々と流れるように語られていく。読んで気持ちのいいエッセイ。 日本語が抽象語を獲得する前に大量の漢語から抽象語を輸入したため、日本古来の大和言葉から抽象語が少なく、そのため日本人は抽象的な思考が苦手だという。この指摘は目からウロコ。 このように面白い発見が多数ある。むすびの「片付ける」の終わり方もよい。

Posted by ブクログ

2021/04/04

【概略】  「いい加減」は、はたしてどの程度の状態を指すのか?逆に「いい加減にやる」といった悪いニュアンスの使い方も存在する。和を重んじる風土があるが故に、会った直後から「ざっくばらん」なやりとりを求められる。抽象化が苦手な日本人、その苦手感が日本語の語彙にも表れている?文化や思...

【概略】  「いい加減」は、はたしてどの程度の状態を指すのか?逆に「いい加減にやる」といった悪いニュアンスの使い方も存在する。和を重んじる風土があるが故に、会った直後から「ざっくばらん」なやりとりを求められる。抽象化が苦手な日本人、その苦手感が日本語の語彙にも表れている?文化や思想の具現化されたものの一つが言葉、この本を通じて、日本人のマインドを今一度見直そう。 2021年04月04日 読了 【書評】  いやぁ~、面白かった!!!英語学習者は是非、読んだ方がいい!英語を勉強してなくても、外国語に興味がなくても、自分達が何気に使っている日本語を通じて「なんで日本人は日本人になったのか?」ってことを考えることができる。  「日本人は抽象化が苦手」というあたりも、スラッシュメタルのライヴでむち打ちになるくらい頷いてしまったよ。やたらめったら「(お前の言ってることは)間違ってる。場合による」とか、「いや、でも〇〇な場合だってあるじゃないですか?」って返し、もらったりしない?この本では、なぜに日本人が抽象化が苦手になったのかという点に関し、著者の考えが面白く書かれてる。昨今のジェンダー論なんてその極みじゃない?男性・女性(ってか、この時点でLGBT他、カテゴライズできない人達いるじゃん!なのだけど)に対する公平性を保つ・保とう!って考えは大事なのに、枝葉に対しての噛みつき、凄くない?そのうち「雌雄を決する」や「雄弁に」といった表現、消えるよ?本質はそこじゃないのに。そしてこの枝葉に噛みついてる人がクソ野郎なんて言葉を使ってるのだから驚きだよ、まったく。あ、話が逸れた。※ホント、誤解しないでよ。ミソジニーとかじゃないし、機会の平等は大事だし、公平であれと思ってるから。  この本を通じて思った点、さらに二つ。一つは、「あぁ、アスペルガー症候群のようなタイプの方は、日本という国は生きにくいな」ということ。もう一つは、「見えないことに対する畏怖や受容があるのだな」ということかな。Amazon などの紹介ページを見てもらえたらわかるけど「大半の人が・・・の大半とは、何割の人を指しているのだろう?」みたいな書き出しがある。中国語では大半・多半・一半といった表現があるそうだ。「適当にやっておいて」「いい加減で終わらせて」なんて、人によっては気が狂いそうになるだろうよね。日本語(というか日本語が生まれて育まれた文化圏)は、もう、そういうものなのだよね。  「見えないこと=裏」ということに対しての感覚も、なるほど!な感じがする。谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」を是非、読んでもらいたい。我々日本人は、見えないところに美や恐怖を感じるのだよね。それを表に出してしまうと野暮になってしまうこともわかってる。でも、常連さんならではの「裏メニュー」的待遇も受けたい。こういった感覚があるからこそ、法治国家になれない(なりきれない)ところもあったりする。興味深いよ、本当に。  あと、良くも悪くも日本人は成熟していない民族だと感じた。それが魅力であり、それにフラストレーションを感じるところでもあるのだと思う。母子一体感がいっぱいで、口を開けてエサを待つ雛みたいに、国がなんとかしてくれる的な感じになってしまうのもそれが理由だと思うし、逆に不必要に衝突をせず、衝突を怖れるが故に角を削り「円」を求めた結果、職人の国となり、それがアドバンテージになってる。人によっては心地よく、人によっては息苦しい、世界からみても特異な国なのかもしれないね。  「英語学習者は読むべき」的な文を冒頭に入れたのは、特に speaking や writing について、日本語発想で英語を話すと、おそらくはかなーり「モヤっとした」ものになってしまうことが多いだろう、それを払拭するには、まず自分達が無意識で使っている母語・日本語のマインドを知っておくと、第二言語である(しかもハイコンテクストの対極・ローコンテクストの)英語を使う時に、きっと切り替えがしやすくなるだろうと思ったから。  言語は、いや、言葉は、記号じゃない。もちろん最初は暗記というフェーズを経ないといけないから記号のように扱われるかもしれない。でも、それはあくまで最初だけ。血が通うフェーズが必ずある。その血というのは、その言語の背景にある文化圏だと思ってたりする。  でもまぁ・・・第二言語としての英語が世界を席巻してて、その英語って、第二言語がゆえに文化圏とつながってなくて。ある意味「文化圏の具現化されたものの一つ」じゃない存在になりつつあるな、英語って。  まぁとにかく、読んでみて!作者の森本哲郎さん、新聞記者をされていらっしゃったこともあり文体も読みやすいし、エッセイのような感じでリズミカルだから。学問臭が少ないながら、楽しめるよ。

Posted by ブクログ

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