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21世紀の啓蒙(下) 理性、科学、ヒューマニズム、進歩

スティーブン・ピンカー(著者), 橘明美(訳者), 坂田雪子(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 草思社
発売年月日 2019/12/18
JAN 9784794224224

21世紀の啓蒙(下)

¥2,750

商品レビュー

4.5

20件のお客様レビュー

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2024/02/18

下巻は上巻と変わってヒトの内面についての記述多めだが、引き続き科学的な知見でデータに基づいた意思決定を行なうことが大事という内容。 上巻の感想で保守だのリベラルだの書いたが、下巻でピンカー先生がどっちも否定してて笑った。トランプ全盛期でアメリカ独特の空気感が伝わってきた。 現在は...

下巻は上巻と変わってヒトの内面についての記述多めだが、引き続き科学的な知見でデータに基づいた意思決定を行なうことが大事という内容。 上巻の感想で保守だのリベラルだの書いたが、下巻でピンカー先生がどっちも否定してて笑った。トランプ全盛期でアメリカ独特の空気感が伝わってきた。 現在は経済発展の視点では沈んでいるイスラムだが、かつて科学技術で名を馳せたように将来復権できるかも楽しみ。

Posted by ブクログ

2024/01/02

上巻より抽象度が高まった感じがしたのは、下巻は宗教や哲学、ヒューマニズムを論じるテーマを取り扱っているからだろう。人類の知性と幸福、啓蒙について考察する。知能指数は世界のあらゆる地域で、10年ごとに3ポイントのペースで上昇し続けているとする(フリン効果)。この要因は、栄養と健康、...

上巻より抽象度が高まった感じがしたのは、下巻は宗教や哲学、ヒューマニズムを論じるテーマを取り扱っているからだろう。人類の知性と幸福、啓蒙について考察する。知能指数は世界のあらゆる地域で、10年ごとに3ポイントのペースで上昇し続けているとする(フリン効果)。この要因は、栄養と健康、学校教育や日常における学術的概念の普及だと考えられる。頭が良くなっていると言えるのだろうか。 過去の偉人たちが現代の技術、数学的な理解が出来ていなかったからといって、知能が低かった訳ではない。旧約聖書の神は、何百万人の無辜の民を殺し、古代イスラエル人に集団強姦や虐殺を命じた。神への冒涜、偶像崇拝、同性愛、姦通、親への口答え、安息日の労働には死罪を宣告しながら、奴隷制度や強姦、拷問、手足の切断、虐殺を特に悪とはしていなかった。これは青銅器・鉄器時代に普通に行われていたことだからだ。つまり、宗教も科学も、その時代の価値観や技術の蓄積といった制約条件の中で成立している。 国連開発計画は毎年、「人間開発指数」を発表している。これは経済学者のマブーブルハックとアマルティアセンが考案したもので「平均寿命、一人当たりのGDP、教育水準」と言う人間開発における3つの主要要素で構成されている。幸福度を示す指標として見ることができるのだという。 労働時間は減り、家事の時間も減り、明かりを1時間確保するための対価も減り、余暇時間は増えた。あらゆる数値が向上しているのに、人間は幸せになっていない。 変化に慣れてしまう。社会的比較理論からの説明で周囲と比較してしまう。そのため、寿命が伸び、健康が増進し、知識や余暇が増え、様々な体験ができ、平和で安全に暮らせ、民主主義が広まり、数々の権利を獲得できていても、幸せを感じるどころか、ただ孤独にさいなまれ、自殺が増加したり、心の病が蔓延する。 本当にそうなのか。 実は、人は幸せになっていないという命題自体が誤りであった事が証明されているようだ。裕福な人ほど幸せを感じているし、豊かな国の人々はそうでな国の人々より幸せを感じていると言うデータがある。SNSによって自らを相対的に不幸だと感じてしまうと言う現象は、社会評論家が作ったヒステリックな誤解だという訳だ。実際にはSNSを利用する人間の方が幸福を感じるか、そうじゃない人と同等レベルであることがわかっている。自殺率も実際には低下傾向にある。 ただし。 意義深い人生を送ることと、楽に欲求を満たすこととは異なる。楽をする人生に日々の達成感があるかというと別だ。幸福と充実は異なる。怠惰は安寧で幸福だが、充実ではないのだろう。仕事に挑戦する事、自らの成長を感じる充実感は、時に過度なストレスを伴う。 ヒューマニズムを紐解き、その源をたどれば枢軸時代に遡る信念体系の中にも見つかるかもしれない。それが理性と啓蒙の時代に注目され、イギリスの権利の宣言1689年、アメリカのバージニア権利章典、1776年、フランスの人及び市民の権利の宣言1789年を生み、さらに第二次世界大戦後に国際連合を世界人権宣言1948年、その他の協力の枠組みへつながった。枢軸時代とは、世界同時多発的に戒律的、善的思想が体系化された時代の事だ。青銅器時代の価値観の上での説法だが、重要だった。 そして今、人は、自分が数多くの重なり合った部族に属していると感じている。部族、内集団、提携といった認知カテゴリーは、抽象的かつ多次元的なものである。国だけではなく、故郷、母国、宗教、民族に限らず、母校、クラブ、会社、スポーツチーム、社会団体。適用範囲の中で、利害を共にし、幸福を分かち合う、そのためにパーパスとルールを共有する事。多様化しながら、境界線が重なり合うコアな部分に、普遍的価値観としての平和や充実した幸福が浮かぶ事を願う。

Posted by ブクログ

2023/10/05

ピンカー氏の流麗な語りは読んでいて楽しい。知性を信じてやまない氏の姿勢は私は好きだ(また本書の読者層もおそらく好むだろう)が、おそらく好みが分かれるところだろう。多くの人の支持を受けている宗教を理性の下位互換とするなど、受け入れがたい層も多いだろう。知性と理性を尊重するあまり、知...

ピンカー氏の流麗な語りは読んでいて楽しい。知性を信じてやまない氏の姿勢は私は好きだ(また本書の読者層もおそらく好むだろう)が、おそらく好みが分かれるところだろう。多くの人の支持を受けている宗教を理性の下位互換とするなど、受け入れがたい層も多いだろう。知性と理性を尊重するあまり、知性の外にあるものへの無意識な軽蔑がそこはかとなく透けて見える。そしてこれは日本を含め多くの社会で見られる構図だ。とても学びが深いし興味深い。 一部アラブ社会の経済成長の遅れが聖職者の干渉によるものというのは誤解が含まれるように思う。アラブ世界を対象とした研究結果を見る限り、他の要素の影響が大きいため、その二者が因果関係にあるとはいえない。

Posted by ブクログ

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