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オーバーストーリー
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オーバーストーリー
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商品レビュー
4.4
18件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【木々の描く物語を想像してみる】 世代を超えて存在する木と森林と生態系と、そこに異なる形で関わることになった人が想像する物語の話。 人は木材を生産する時、木を守ろうとするとき、木を学問する時、自然に対する自らの視点を示すのかもしれない。 木にまつわる神話や言い伝え、木材の伐採、森林占拠運動、科学、生物多様性… ‥ 環境保護が欺瞞になる社会。 この世界で、人間が特別なのは、私たちが人間だから当たり前だと思う。 自分の家族が自分にとって避けられず特別な人間であること、 自分の国が自分にとって特別であること、 自分が自分にとって特別な人間であること。 それは避けられない。 けど、 それで他者に対して、他国に対して、他の生命に対して、 傲慢になることは違うと。 あらためて。 無知の知は、知らないことを知るだけじゃなくて、知りえないことがあると知ることでもあるのかなーとか。
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『子供、女性、奴隷、先住民、病人、狂人、障碍者。驚いたことにそのすべてが、この数世紀の間に、法律上の人格を持つ存在に変わった。それならば、樹木や鷲、山や川が、自分たちに果てしない危害を加えて窃盗を働いた人間相手に訴訟を起こしてなならない理由があるだろうか?ー 話すことができないの...
『子供、女性、奴隷、先住民、病人、狂人、障碍者。驚いたことにそのすべてが、この数世紀の間に、法律上の人格を持つ存在に変わった。それならば、樹木や鷲、山や川が、自分たちに果てしない危害を加えて窃盗を働いた人間相手に訴訟を起こしてなならない理由があるだろうか?ー 話すことができないので当事者適格性が認められないというのは理由になっていない。法人も国家も口をきくことができない。弁護士がその代弁をするのである』 昨秋に、隣地の裏山に自生したオニグルミを幹の半分まで切ってもらった。我が家の雨樋が落ち葉で詰まるから。 僕が家を建てる前から生きてきた木の生存権を侵害し、無用な苦しみを与えていると告発されたとき、僕はどうすべきか。 所有権なぞ、地球と生命の歴史が鼻で笑う。 植物同士のコミニュケーション能力。共生する微生物と作り上げた地下のネットワーク。化学物質の交換によって森の全ての木々が交信していること。成熟した木を皆伐することの愚かさ。植林では生態系を救えないこと。 本書は、植物や森に関する様々な不思議を教えてくれる。そして、企業保有の森林伐採を止めるための抵抗活動である樹上占拠と、その挫折についても。 エコロジーと自然破壊を題材としても、描かれるのは木に魅入られた人々の生き方や苦悩だ。入れ替わり語られる群像劇と心理模様、彼らの系譜にまつわるストーリーにグイグイと引っ張っられる。 繰り返し問われるテーマのひとつが、心理学用語である傍観者効果だ。“なぜ人は目の前の明白な緊急事態に対して行動を取ることができないのか“。 その問いのもう一つの側面は、“なぜある人々は行動を起こせるのか”。 樹齢数千年の木の命は、人間一人のよりも重いという大義も一つの答え。 壊れゆく世界を救うためには、種としての人類が滅ぶしかないという絶望と自死もまた答え。 救いたいのは見知らぬ誰かではなく、隣で手を繋ぎ戦っている仲間だというのも、きっと答えなのだろう。 ラストのメッセージは、“STILL ”-まだ、いまだに、更に -諦める訳にはいかない。
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リチャード・パワーズが紡ぐ物語の力に泣いた。 特に終章が本当に素晴らしく、本を読んで世界が変わると言う言葉は本当だったんだと思った。 人と人の道が交わり、また新しい道ができる。 そこで交差する人達の想いは読み手にも作用する。 地球のために、森林のために、私にできることは何か考えな...
リチャード・パワーズが紡ぐ物語の力に泣いた。 特に終章が本当に素晴らしく、本を読んで世界が変わると言う言葉は本当だったんだと思った。 人と人の道が交わり、また新しい道ができる。 そこで交差する人達の想いは読み手にも作用する。 地球のために、森林のために、私にできることは何か考えながら生きていきたい。 この本は未来へ繋ぐ架け橋。
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