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74歳の日記

メイ・サートン(著者), 幾島幸子(訳者)

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¥3,520

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2019/10/17
JAN 9784622088523

74歳の日記

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商品レビュー

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2022/02/25

ゆっくり読んできたメイ・サートンの日記も、残り二冊になってからずっと積んできた。読み終わるのがとても寂しくて…。とうとうあと一冊になってしまったから、大切に読みたい。 冒頭から愛猫ブランブルの死について書いてあり、先月大好きだった実家の猫が死んでしまったのを思い出して泣いてしまっ...

ゆっくり読んできたメイ・サートンの日記も、残り二冊になってからずっと積んできた。読み終わるのがとても寂しくて…。とうとうあと一冊になってしまったから、大切に読みたい。 冒頭から愛猫ブランブルの死について書いてあり、先月大好きだった実家の猫が死んでしまったのを思い出して泣いてしまった。ブランブルの死、ボヤ騒ぎ、脳梗塞などが重なって最初の数か月は日記も嘆きと怒りと寂しさに包まれているが、8月に新しい薬が効いてからはどんどん彼女らしい調子が戻ってくる。 庭の花たちを世話して、友人を招いて食事を楽しみ、朗読会やサイン会をこなし、永遠に終わらない手紙の返事書きに苛立ち、本を読み、自然に満ちる光を眺める。そうしてサートンの日常が戻ってくると、読書の感想やいろいろな思索も日記に混ざってくるようになり、体と精神が「不死鳥のごとく」よみがえっていくのをこちらも感じ取ることができる。生活を楽しむということが半ば死んでいた精神の畑を耕し、生き生きとした思考の脈が動き出すのだ。 夕暮れていく海の色の移り変わりや、自然を描写する言葉の美しさが胸に迫る。外界は自分の感情の反響だということを前にサートンは書いていたけれど、彼女の回復とともに外界の美しさが立ち現れてくるのはまさに、という感じ。 「今、この瞬間を、そのいちばん中心のところを生きていたい。ナンシーが花の苗を植えながらピエロに話しかけている声。そして遠くから──永続性をもたないすべてのものをさえぎって──聞こえてくる、やさしい海のとどろき。」 これはまだ体調の整わないうちの言葉だけど、世界において連続する瞬間とただ一人向き合うという、サートンに決定的に必要な、そして愛する孤独をあらわしていると思う。 サートンの日記を読むといつも、雑然としていた心に花を一本さしてもらうような気持ちがする。そうして芯がすっと立つ。ずっと読んでいきたい。

Posted by ブクログ

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