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サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
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サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
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商品レビュー
4.6
6件のお客様レビュー
企業だけでなくあらゆる組織が大きくなるにつれて、組織間の交流が減り、日本語でいうところの「タコつぼ」(英語ではサイロ)が構築されていきます。これは高度に分業・専門職化が進んだ現代社会では避けられない事象ですが、サイロがあまりに強固すぎるとチャンスやリスクを見逃し、場合によっては組...
企業だけでなくあらゆる組織が大きくなるにつれて、組織間の交流が減り、日本語でいうところの「タコつぼ」(英語ではサイロ)が構築されていきます。これは高度に分業・専門職化が進んだ現代社会では避けられない事象ですが、サイロがあまりに強固すぎるとチャンスやリスクを見逃し、場合によっては組織の存亡を揺るがすような事態に陥ることがあるわけです。本書では、サイロが弊害をもたらした事例として、ソニー、UBS、世界金融危機時の経済学者を第1部で紹介し、第2部では、サイロの弊害をいかに克服するかという「サイロバスターズ」の事例として、シカゴ警察、フェイスブック、クリーブランド・クリニックをとりあげ、さらに他社のサイロから儲けを得ているブルーマウンテン・キャピタルが紹介されています。日本人読者からすれば、ソニーがデジタル音楽プレイヤーでアップルに惨敗した例はとてもわかりやすいのではないでしょうか。本書ではソニーでCEOを勤めたストリンガー氏のコメントも掲載されているなど、この章だけでも興味深く読めました。 著者は人類学というバックグラウンドを持ちながらフィナンシャルタイムズの編集長をつとめている人ですが、翻訳の質の高さもあって、非常に読みやすい文章でした。また事例もそれぞれ興味深く、シカゴ警察の「殺人予報マップ」作成の話や、クリーブランド・クリニックが外科と内科の壁を取り払ったことなどは、サイロに関係なく衝撃的な読み物でした。サイロは近代社会では絶対生まれるが、サイロの弊害に気をつけよ、そのためには本書でも紹介されている稀代の人類学者兼社会学者であるピエール・プルデューのような「インサイダー兼アウトサイダー的視点」を持った人が各組織に存在している必要がある(全員がそうなる必要はないが)、という終章の主張も大いに共感できました。非常に面白い本でした。
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高度に専門化が進む現代社会において、サイロが進むにつれて情報が遮断される。 時には信じがたい不合理な行動に突き進む仕組みを文化人類学的な視点から解明し問題点を炙り出した、唯一無二の書籍。
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ちょっと仕事で使えそうだったので、さーっとつまみ読み。 評判通りの知的好奇心のくすぐられる良書だった。 サイロとは、会社で言えば、専門性が発達し過ぎて、 部署・部門間の連携・交流がなくなり、 結果、会社や組織が衰退してしまうという事象。 まさしく多くの企業が多かれ少なかれ、サイ...
ちょっと仕事で使えそうだったので、さーっとつまみ読み。 評判通りの知的好奇心のくすぐられる良書だった。 サイロとは、会社で言えば、専門性が発達し過ぎて、 部署・部門間の連携・交流がなくなり、 結果、会社や組織が衰退してしまうという事象。 まさしく多くの企業が多かれ少なかれ、サイロに陥っていると思います。 この問題を文化人類学者である著者が分析した本。 興味深かったのは、企業がサイロ化(専門化)することを著者は否定していなかったこと。 すなわち、今のビジネスや事業を進めていく上で、 専門化は必要なことだが、交流や情報共有がなくならない 仕掛け作り・仕組みづくりが重要というスタンスに妙に納得してしまった。 最近、至る所で言われている「多様性」とも本質的には同じことかなという印象。 事例が豊富な反面、ちょっと冗長なので、 読み物として楽しむ分には良いが、 サクッと結論を知りたいせっかちさんは、 サイロ化に陥ったソニーの章と、 サイロ化を防ぐべく奮闘したFacebookno章、 そして最後の著者のまとめだけでも読むだけで、 著者の主張の大枠は理解できると思われます。
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