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声の物語 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ

クリスティーナ・ダルチャー(著者), 市田泉(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2019/04/18
JAN 9784153350441

声の物語

¥2,090

商品レビュー

3.6

18件のお客様レビュー

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2024/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読みやすくて分かりやすいディストピア。 途中、息子の変貌ぶりがこわかった。 自分的にはディストピアの結末はバッドエンドが好きですが、この本はこの先も希望が持てそうな結末でした。 あと主人公の不倫なんかは心の広い男たちによって許されていて、よほどいい女設定なのかなと思った。

Posted by ブクログ

2022/07/21

いやー面白かった。すごく読み応えのある作品だった。 女性だけが1日100語という発話の制限が課せられる。聖書の歪んだ解釈による蛮行。途中まではこの世界観の理不尽なミソジニーさが苛立たしくて仕方がなかった。著者の、現実の女性蔑視・不平等への怒りがそのまま伝わってくるような文章。 ...

いやー面白かった。すごく読み応えのある作品だった。 女性だけが1日100語という発話の制限が課せられる。聖書の歪んだ解釈による蛮行。途中まではこの世界観の理不尽なミソジニーさが苛立たしくて仕方がなかった。著者の、現実の女性蔑視・不平等への怒りがそのまま伝わってくるような文章。 どうして数千年も前に書かれた文章を元に、その後人類が血にまみれた歴史の果てに獲得した人権というかけがえのないものを踏み躙ることができるんだろう?不思議でしょうがない。 ホモソーシャルでミソジニーでホモフォビアでレイシストの白人男性による白人男性のための白人男性の国、アメリカ。半世紀前から拡大した貧富の格差を女性や黒人や移民のせいにして自分達のグレートな国を取り戻したい白人男性が支配する病んだ国、アメリカ。 しかしここに描かれている内容を完全にフィクションと笑い飛ばすことはできない。彼の国では最近、女性の中絶は違憲であるという最高裁判決が出た。レイプや近親相姦などによる妊娠の例外も認めず違法、という州法が成立している州もある。キリスト教の古い信仰が篤い州だ。そしてこんな判決を出した保守派の判事達を最高裁に送り込んだのはこの作品の大統領のモデルになったと思われる、あの前大統領だ。現実とフィクションがどちらがよりディストピアを作り出せるか、チキンレースをしているように見える。 終盤は少し失速した様に思えるのが少し残念。クライマックスまでの盛り上がりに比して、結末が尻切れ感が拭えない。場面描写も少しアンダスタンダビリティに欠けるところがあった。 しかしこれがデビュー長編なのは恐るべし。次回作に期待大。

Posted by ブクログ

2022/07/06

ページを捲る手が止められなかった。 読みながら、ふつふつと怒りが湧いてくる。 男性はこの物語をどのように読むのだろう?女性である自分と、異なる印象になったりするのだろうか? 侍女の物語と重なる部分は多いけど、「言葉を封じる」という言語の制限にフォーカスしている分より状況が具体的...

ページを捲る手が止められなかった。 読みながら、ふつふつと怒りが湧いてくる。 男性はこの物語をどのように読むのだろう?女性である自分と、異なる印象になったりするのだろうか? 侍女の物語と重なる部分は多いけど、「言葉を封じる」という言語の制限にフォーカスしている分より状況が具体的に見えてくる部分もあり、色々考えさせられた。また侍女の物語と異なる点として、主人公には息子もいる。それが物語に、更なる絶望の奥行きを与えているように見える。 以下印象に残った部分 ●ソニアのオムツも喜んで変えていたようなスティーブンが、買い物は女の仕事なんだからママやれよ、とどんどん新政府の思想に染まり傲慢になっていくところが、一番つらかった。 自分の腕に抱かれている赤ちゃん時代を知っている我が子が、教育によって、変わってしまうことの恐ろしさ。 ●逆に、ソニアは言葉を封じられ、首を縦に振るか横に振るかしかしない子になってしまう。 後に、彼女はもともとはおしゃべり好きな女の子だということがわかる。教育の恐ろしさよ。 ●カウンターをはずされ、言いたいことを言うジーンに向かって理解ある夫が言う「カウンターをつけてた時の方がましだったのでは?」 真に怖いのはこういうところだ。善良な分別ある者さえ、自分に痛みがなければ、異常な物事に慣れてこんな思想を抱くようになってしまう。 ●言語を統制するにとどまらず、言語を司る脳をおかしくして物理的に言葉をとりあげようとは。おぞましすぎるな。 ●へなちょこだと思っていたパトリックが、実は一番勇敢だったのかもしれない。それにしても報われないよ…ジーン… ●ある者たちを思い通りに動かそうと思ったら、服従させようと思ったら、確かになによりも言葉を奪うのが効果的なのかもしれない。言葉は思想も意思も奪うから。 文中にもあったように、言葉を使わずに育った子が母親になったら?その母親に育てたれた子がさらに母親になったら? 何代目か後の女性のなかには、この状態がおかしいと考える言葉すら存在しなくなってる。 明らかにおかしいのに、同性婚が認められていないこの日本で、 この物語をディストピアだと笑っていられない。 悪が成し遂げられる唯一の方法は、善人がなにもしないこと。じっくり考えて投票しないと。

Posted by ブクログ

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