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愚者の毒 祥文社文庫

宇佐美まこと(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 祥伝社
発売年月日 2016/11/11
JAN 9784396342623

愚者の毒

¥770

商品レビュー

4

73件のお客様レビュー

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2024/03/28

 タイトルの意味、構成内容がとても深く、心をえぐられる日本推理作家協会賞受賞作品でした。  貧困と犯罪、社会の二極化を扱い、現在パートと過去パートを交互に描く作品は他にもあった気がします。けれども本作は、社会時事を取り込みながら、犯罪ミステリー・社会派寄りのヒューマンドラマとして...

 タイトルの意味、構成内容がとても深く、心をえぐられる日本推理作家協会賞受賞作品でした。  貧困と犯罪、社会の二極化を扱い、現在パートと過去パートを交互に描く作品は他にもあった気がします。けれども本作は、社会時事を取り込みながら、犯罪ミステリー・社会派寄りのヒューマンドラマとして、絶妙のバランス加減だと感じました。  「私」という一人称展開で、「私」が誰なのかミスリードに混乱するなど、多くの伏線の張り巡らせ方と回収法も見事ですし、重いけれども先の見えない展開にも引き込まれました。  3部構成で時代・場所が変遷し、各章題『武蔵野陰影』『筑豊挽歌』『伊豆溟海』も秀逸です。  宇佐美さんは、貧困と飢餓、そしてそれ以上の絶望を読み手に突き付けます。社会への怒りさえ感じます。人の心に潜む暗い情念、負の側面、心の暗部を巧みに浮き彫りにしながら、読み手を激しく動揺させ、物語へ感情移入させてくれました。  タイトルでもあり、終末の「愚者の毒」の解釈は人それぞれでしょうが、著者は哀しく弱い立場の者、他から愚かに見える(そうならざるを得なかった)人たちへ救済の光を当てたのだと思います。「愚者の毒」をもってして、"裁き"ではなく"安寧"を与えたのでしょう。  愚者も毒も二面性があり、賢者と愚者、薬と毒の境界は曖昧です。でも、個人的に愚直な人や行為は好きです。そうなれない自分をさて置き、応援したくなりますもん‥。

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2023/11/10

ちょっとした出来事で知り合った二人の女性が友情を育んでいく。 早い段階でネタバレと思われる描写があるが、なぜそうならなければならないのか、どう繋がっていくのか気になって一気に読んだ。後半は、貧困、劣悪、過酷な環境の少年少女時代の話に戻る。 これが大変つらい。読んでいて胸が締め付け...

ちょっとした出来事で知り合った二人の女性が友情を育んでいく。 早い段階でネタバレと思われる描写があるが、なぜそうならなければならないのか、どう繋がっていくのか気になって一気に読んだ。後半は、貧困、劣悪、過酷な環境の少年少女時代の話に戻る。 これが大変つらい。読んでいて胸が締め付けられる。 少年少女はただ一生懸命生きてきた。暗い過去に追いかけられながら、それでも一生懸命生きてきただけだ。 最後、穏やかだったのだろうか・・・もっと幸せを感じてほしい一生だったと願わずにはいられない。

Posted by ブクログ

2023/10/29

この世は良い行いが報われる因果応報であると信じたいです。 「無償の愛とか、母性とか、曖昧でとらえどころのないものは恐怖でしかない」 「他人の見解に便乗して賢者になるくらいなら、むしろ自力だけに頼る愚者であるほうがましだ」

Posted by ブクログ

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