商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2014/07/14 |
JAN | 9784582768145 |
- 書籍
- 新書
可愛い黒い幽霊
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可愛い黒い幽霊
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商品レビュー
3.8
10件のお客様レビュー
「賢治作品の童話や詩の中から、とりわけ興趣深い物語の数々を選んで編む。『おばけずき』『百鬼園百物語』の続編となる第3弾。」
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アンソロジスト東雅夫=編、 宮沢賢治の作品中、幻視や「もののけ」の気配が漂う小品を ちくま文庫『宮沢賢治全集』全十巻から選り抜いた掌短編集。 メジャーな作品が「光」なら、こちらは妖しい「影」の部分か。 Ⅰ 幽霊の章 可愛らしくも不気味な散文詩。 自らを取り巻く美しい自然...
アンソロジスト東雅夫=編、 宮沢賢治の作品中、幻視や「もののけ」の気配が漂う小品を ちくま文庫『宮沢賢治全集』全十巻から選り抜いた掌短編集。 メジャーな作品が「光」なら、こちらは妖しい「影」の部分か。 Ⅰ 幽霊の章 可愛らしくも不気味な散文詩。 自らを取り巻く美しい自然への愛と畏怖、 早逝した妹への哀惜。 Ⅱ 幻視の章 春の情景、だが、待ち侘びた季節を迎えた悦びの中に、 ひたひたと不安が満ちる。 図書館の哲人との別れ。 あるいは分身との取り替えっこ。 Ⅲ 鬼言の章 幻聴のせいなのか、鋭く恐ろしい言葉が並ぶ。 視覚的にも読者を追い込む〔丁丁丁丁丁〕など、 やはり天才と狂気は紙一重か……と。 Ⅳ 物怪の章 優しいもののけと人間の子供の温かい交流。 様々な表現型を取る座敷わらしについて語った 「ざしき童子(ぼっこ)のはなし」が 少し不気味でドキドキする。 ⅴ 魔処の章 宮沢賢治の創作世界の中心である北上山地南西部と その周辺を舞台に、 人ならぬものとの交感が綴られる。 現在の奥州市に当たる江射郡に伝わる民俗芸能 「原体剣舞(はらたいけんばい)」を舞う 子供たちの様子を活写しつつ、 人間界と魔界の境が朧に滲む様を描き出している。 表題は巻頭「うろこ雲」(p.15)の、 > 小学校の窓ガラスがさびしく光り > ひるま算術に立たされた子供の小さな執念が > 可愛い黒い幽霊になってじっと窓から外を眺めてゐる。 より。 中川学さんの表紙イラストが見事。
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個人的に、何だか知らないけど『とっこべとら子』は小さいころから、怖くて読めなかった。リテレートがスケプティカルに描いたものなのでではなく、怖かった。 『座敷ぼっこの話』と後何かを読んで、作者はさういふ人なのだと思ってゐた為、宮沢賢治はお父さんから 「怪力乱神を語ってくれるなよ」...
個人的に、何だか知らないけど『とっこべとら子』は小さいころから、怖くて読めなかった。リテレートがスケプティカルに描いたものなのでではなく、怖かった。 『座敷ぼっこの話』と後何かを読んで、作者はさういふ人なのだと思ってゐた為、宮沢賢治はお父さんから 「怪力乱神を語ってくれるなよ」 と言はれたと言ふと違和感がある。さういふをっさん的に、この短編集はちゃんと都合がいいチョイスである。 「おおヨハンネス」とか「ダルゲを名乗るものと」とか込で怖い。うんうん。
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