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オリクスとクレイク

マーガレットアトウッド【著】, 畔柳和代【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2010/12/25
JAN 9784152091819

オリクスとクレイク

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商品レビュー

3.9

19件のお客様レビュー

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2024/04/15

マッドアダム三部作、最後の『マッドアダム』が出てしまったので、読まねばなるまい。 熱帯のような気候。廃墟となった都市に遊ぶ無邪気で美しい理想的な人間クレイカーたち。一人生き残り孤独と飢えに苦しむスノーマン。ピグーン、ウルボッグ、ボブキティンといった怪しい動物か跋扈する。エボラ出...

マッドアダム三部作、最後の『マッドアダム』が出てしまったので、読まねばなるまい。 熱帯のような気候。廃墟となった都市に遊ぶ無邪気で美しい理想的な人間クレイカーたち。一人生き残り孤独と飢えに苦しむスノーマン。ピグーン、ウルボッグ、ボブキティンといった怪しい動物か跋扈する。エボラ出血熱のような短期間で死に至る病が猖獗を極めたあとの、奇妙な静けさ。 不気味だけど美しくて非現実的でうっとりする。 表紙にボスの「快楽の園」が使われているが、まさにこんな雰囲気。これを思いついた人は素晴らしい。 タイトルもいい。オリクスは日本人一般は通常「オリックス」と呼ぶ動物の名前だが、「オリックス」とすると、野球のイメージが湧いてしまうし、動物のオリックスも想像できる。でもオリクスだと、なんだかよくわからない。クレイクもクレイグなら名前らしいけど、クレイクって何?となる。(クイナの一種)絶妙な不思議さがある。このタイトルを見て、オリックスとクイナのことだとすぐわかる人は多くないだろう。 そして、これは人間の呼び名(ハンドルネーム)なのである。 『侍女の物語』と同様近未来ディストピア。 人間の都合にあわせて遺伝子組み換えの動植物を開発が行われている。肉を取るためだけの頭のない足が12本あるニワトリ、一斉に熟すコーヒー豆など。金持ちは気をつけてできる限り摂らないようにしているが、貧乏人は安いこれらの遺伝子組み替え食物を知らぬ間に食べている。今だってそうで、この世界は我々の世界と地続きなのだ。 奇怪な生物を次々と作り出しながら、人間の欲を憎む天才科学者クレイク。 貧しさから売られて性的虐待を受け入れている美少女オリクス。 そして、物語の語り手、スノーマンことジミー。 宗教、創世神話、科学の暴走、文学、言語、芸術、欲望と愛憎。簡単には語り尽くせない小説で、さすがアトウッド、としか言えない。豊穣なイメージと、巧妙な語りを堪能した。

Posted by ブクログ

2024/02/26

主人公はスノーマンと呼ばれている。正体のわからない浮浪者みたいな印象。周りには人間のように人間でないような生き物たち。野生動物の危険を避け、食べ物を探して野宿をする暮らし。スノーマンは世界が変わってしまったと言う。 なぜこうなったのか、こうなる前はどうだったのか、スノーマンの回想...

主人公はスノーマンと呼ばれている。正体のわからない浮浪者みたいな印象。周りには人間のように人間でないような生き物たち。野生動物の危険を避け、食べ物を探して野宿をする暮らし。スノーマンは世界が変わってしまったと言う。 なぜこうなったのか、こうなる前はどうだったのか、スノーマンの回想で綴られている。 変わってしまう前もすでにかなりの閉塞感な終末感はある世界。貧富の差が拡大し、富のある側は、閉鎖された安全なエリアで、警備されながら暮らしている。その外のスラムで膨大な数の人間がウイルスなどに晒されて暮らしている。 スノーマンは富のある側に生まれるが、才覚には恵まれず、階層を落ちていく。一方、親友は天才として描かれている。優秀だが、他者への共感力は低いとして、変人として描かれる親友は、同じように優秀で共感力の低い仲間を集めて何やら研究している。その研究内容は、人間を滅ぼして世界に最適化した新人間を作ると言うもの。性衝動も動物並みにすれば失恋の悲しみは無くなるのだ、など、いろんな動物の都合のいい形質を集めた人類を作って、それに世界を委ねるために今の人間減らすつもりだった様子。その目的知らずに、病の治療だと思って手伝っていた少女を、主人公は愛していた。 ウイルスがばら撒かれ、それを知った時に、世界は大混乱に襲われ、親友もその少女も命を落とし、主人公は1人で生き延びる。生き延びた世界で、新人類に出鱈目な創世のストーリーを語り、自分を受け入れてもらう。 しかし、新人類は、親友が消したと語っていた性質を残していたことがわかってくる。(階層社会をつくりそう、宗教を作りそうなど) それにショックを受けながら、怪我をして命が危ぶまれる中で、他の生き残った人間に出会えるところで終わり。その後が気になる終わり方。

Posted by ブクログ

2023/12/27

ディストピア三部作の第1作らしい。 貧富の格差が増し、金持ちのエリートは囲いにしきられた区域に住んでいた世界。しかし、あるとき伝染病が蔓延し、世界は瞬く間に破滅におちいってしまう。 ただひとり生きのこった〈スノーマン〉が、日々をどうにかしのぎながら、かつてジミーと呼ばれていた自分...

ディストピア三部作の第1作らしい。 貧富の格差が増し、金持ちのエリートは囲いにしきられた区域に住んでいた世界。しかし、あるとき伝染病が蔓延し、世界は瞬く間に破滅におちいってしまう。 ただひとり生きのこった〈スノーマン〉が、日々をどうにかしのぎながら、かつてジミーと呼ばれていた自分の半生と、人類がここに至るまでの経緯を回想する物語。 どうも致死性のウイルスは、ジミーの親友であった天才科学者オリクスが開発して世界中に配布したピルに仕込まれていたらしいのだが、それが事故だったのか意図されたものだったのかもよくわからない。 でも2003年に原作が書かれたこの作品が、実際にコロナ渦を経験した20年後の今読んでも、絵空事どころかきわめて現実感をもって迫ってくることに驚かされる。

Posted by ブクログ

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