商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2008/11/21 |
JAN | 9784041053317 |
- 書籍
- 文庫
陰獣
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
陰獣
¥572
在庫なし
商品レビュー
4.3
23件のお客様レビュー
①陰獣 個人的にかなり好きかもしれない 乱歩が自分の作品のパロディやってるのちょっと笑った。2転3転して最終的にすっきりと思いきや、最後が...微妙に後味悪くて、そこがまた良い!
Posted by
「江戸川乱歩ベストセレクション4」 「陰獣」「蟲」の2本収録。 内容もさることながら、もうタイトルが妖しい。 江戸川乱歩の小説がたくさん、そして同じ作品が何度も映像化されている理由が読むととてもよく分かる。陰鬱で湿っていて、じわじわと何かが迫り来るような独特な雰囲気が、映像化へと...
「江戸川乱歩ベストセレクション4」 「陰獣」「蟲」の2本収録。 内容もさることながら、もうタイトルが妖しい。 江戸川乱歩の小説がたくさん、そして同じ作品が何度も映像化されている理由が読むととてもよく分かる。陰鬱で湿っていて、じわじわと何かが迫り来るような独特な雰囲気が、映像化へと掻き立てられるのだと思う。 「陰獣」は探偵小説を書く主人公の寒川が、資産家夫人の静子という女から「かつて捨てた男から脅迫状が届いた」と助けを求められるところから物語が始まる。差出人は人気探偵作家の大江春泥。静子の美しさと春泥への興味から、寒川は出来るだけの助力を約束してしまう。 そんなある日、静子の夫である小山田の変死体が発見される。 静子の肩口には謎のミミズ腫れがあり、そのグロテスクな様に寒川が妙に惹かれるという描写がある。そのミミズ腫れの理由や静子の不思議な色香、そして追いかけても逃げていく陽炎のような犯人像。 ラストが蛇足だとも言われている作品らしいけれど、はっきりと答えが出ないままの終焉がこの作品の怪しさの余韻になっていて、私は嫌いではない終わり方だった。 そして「蟲」 極端な人見知りである柾木という男が、かつての同級生で今や売れっ子女優となった木下芙蓉を愛し、独占欲に駆られてひとつの事件を起こしてしまうのだが、「陰獣」以上に妖しさ満点。 美しいものもいつしか朽ちていく。その事実に耐えられなかった柾木が起こした行動とは。 江戸川乱歩の作品は、ミステリでもその謎を解くところがいちばんの醍醐味ではないように思う。自然と目に浮かんでくる情景は、自分なりの映画になっている気さえする。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「陰獣」と「蟲」の2篇。 陰獣。探偵小説だが、一捻り二捻りが加えられている。依頼者と恋仲になるというところ。事実関係が一転し、逢瀬を重ねていた彼女を犯人と糾弾するところ。そして最後の章、苦悩に苦しむところ。 犯人側の心情を細やかに描写することで人の心を持っている一介の人間だと強調する。一方で探偵に淫らな行為をさせたり苦悩に苦しませたりするなど正義を与えないこともある。一筋縄ではいかないところが彼の作品の良さではないか。 蟲。厭人性の男が人間関係の中で失敗を重ね、恋と恨みとその他を溢れかえさせるもの。一貫して男の立場から描かれている。彼のしたことは常軌を逸しており微塵も共感の余地のない残虐極まる行為だが、そこに至る彼の動機の一つ一つは理解できる。いや自分が共感してしまうものも多くあり、恐ろしく感じた。
Posted by