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風に舞いあがるビニールシート
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風に舞いあがるビニールシート
¥1,540
在庫なし
商品レビュー
3.9
345件のお客様レビュー
タイトルが印象的
第135回『直木賞』受賞。 6つの短篇に出てくる人たちは、皆、大切なもの・・・何よりも守りたいものを持ってしまった人間だ。 不器用で不恰好な生き方を貫く先に見えるもの・・・それは、お金でも名誉でもない。
abtm
『器を探して』 『犬の散歩』 『守護神』 『鐘の音』 『ジェネレーションX』 『風に舞いあがるビニールシート』
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
6編の短編からなる短編集。最初の「器を探して」「犬の散歩」を呼んだ後、「風に舞いあがるビニールシート」までとばしてしまった(正直あまり刺さらなかったので)。 ただ、「風に舞いあがるビニールシート」には考えさせられた。難民問題に向き合う夫とその夫を心配し、2人で平和に暮らしたいと願う妻。 『私は富める国に生まれた大多数の人たちと同様、貧しい国の惨状から目を背けているだけだ。』 『ああ、やはりこの国は平和でいい。平和ボケ万歳だ、望むところだ。平和ボケは美しい。ボケでもなんでもすばらしい。どうかこの美しさが、すばらしさが永久に続きますように。』 日本で暮らしている自分も当然「富める国に生まれた大多数の人」。教科書やテレビなんかでは見るけど、本当は見ようともしていない貧しい国の惨状。そんな平和ボケしたすばらしい世界…。 最後の最後で、妻は夫が死んだアフガンへ行きたいと志願する。夫の人格を形成した幼少期の環境や、それを知らずにおり、死後に知った妻にどんな心情の変化があったのか、思わず考えてしまう。 想像以上に惨い苦しい世界があることを知った上で、日本にいる私たちはしっかりと平和ボケして、平和ボケした世界をちゃんと「すばらしい」って言っていかなきゃいけないな、と思った。
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