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沼地のある森を抜けて

梨木香歩(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/
発売年月日 2005/08/30
JAN 9784104299058

沼地のある森を抜けて

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商品レビュー

3.8

113件のお客様レビュー

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2024/01/10

抒情的な表現でありながらも、不条理な出来事が起こる展開から始まり、粘つくような感情表現やミクロな生物に関わる知見が合わさって、混沌としながら整然とした物語が展開されていく 完全なるファンタジーの物語も組み込まれ、重厚な作品だった 後半のテーマには追いつけていけない箇所もあったが、...

抒情的な表現でありながらも、不条理な出来事が起こる展開から始まり、粘つくような感情表現やミクロな生物に関わる知見が合わさって、混沌としながら整然とした物語が展開されていく 完全なるファンタジーの物語も組み込まれ、重厚な作品だった 後半のテーマには追いつけていけない箇所もあったが、読後数年後に成る程と思い起こす事があるのかもしれない

Posted by ブクログ

2021/07/28

なんとも不思議だけどのめり込む作品ですね。亡くなった母は三姉妹の長女だったがいちばん下の妹つまり叔母が突然死んで叔母のマンションに暮らすことになった上淵久美が主人公。ついでに引き継いだ糠床が実はとんでもない糠床で不可思議な現象が次々に起きることから久美は自分のルーツと秘められた家...

なんとも不思議だけどのめり込む作品ですね。亡くなった母は三姉妹の長女だったがいちばん下の妹つまり叔母が突然死んで叔母のマンションに暮らすことになった上淵久美が主人公。ついでに引き継いだ糠床が実はとんでもない糠床で不可思議な現象が次々に起きることから久美は自分のルーツと秘められた家系を知ることとなる故郷の島へ旅することとなる。 この旅で初めて衝撃の事実が明らかになるのだけど、実に深くて重いさまざまな警鐘を投げ掛けている作品なのです♪ 色々なメタフアー暗喩を想起させる読みごたえのある作品でした。

Posted by ブクログ

2020/12/06

その昔、駆け落ち同然に故郷の島をでた主人公・上淵久美の祖父母が、ただ一つ持って出た家宝のぬか床。亡くなった叔母から引き取ったぬか床から湧いてくる卵。卵からかえる人間のような生き物。また、悲劇の予言者であるギリシア神話に登場するイリオスの王女・カッサンドラが出てきて、SFファンタジ...

その昔、駆け落ち同然に故郷の島をでた主人公・上淵久美の祖父母が、ただ一つ持って出た家宝のぬか床。亡くなった叔母から引き取ったぬか床から湧いてくる卵。卵からかえる人間のような生き物。また、悲劇の予言者であるギリシア神話に登場するイリオスの王女・カッサンドラが出てきて、SFファンタジー小説のような感覚が残る小説である。 「f植物園の巣穴」に通じるこの小説。「そんなことはあるわけがない」と思いつつ、でもぬか床に住む微生物のなせる不思議かもしれないという、感覚になる。 主人公・久美の日常はきわめてリアルで、彼女の淡々とした物言いを聞いていると、「そんなこともあるかもしれない」と思えてくる。妊娠した友人が子供を産むために変化していく自分の身体を見て「自分が動物だってことを実感する」と語っていたが、本書は自分が一個の生命体だってことを実感させてくれる本と言ったらいいだろうか。ストーリーが思いもよらない方向に紡がれていくので、梨木さんは実際にぬか床をかき混ぜながら物語を発させていったのかも… はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ-「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。 久美の先祖が住んでいた島の秘密は、「安世文書」で明らかになる。その昔、島全体は5つに分かれていた。その1つの鏡原一族は、男女の交合を要せず子孫が増やす。沼から子孫が誕生するのである。しかしながら、時代と共に失われる自然。そして、鏡原一族が時代の変化に抗うためにとった施策がぬか床であったのである。 また、「かつて風に靡く白銀の草原があったシマのはなし」という本作とは全く異なる話が3章挿入されている。 この「かつて風に靡く」は、この島(シマ)の鏡原に伝わる言い伝えなのだろうか。細胞分裂による生命の誕生、突然変異による自我の芽生えと、鏡原の神秘を匂わす物語でありながら、全く本作とはつながりがない。なぜこの章をあえて3つも挿入しているのかと考えると、鏡原の神秘の源としての言い伝えであるかと考えられた。 そして、この「かつて風に靡く」が、入ることで、より生命の進化や生と死をテーマにしているように思えた。 途中から話が重くなり、読み進めていくうちに、人間自体がそもそも不思議に思えてくる作品であった。

Posted by ブクログ

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