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高地文明
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高地文明
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商品レビュー
3.8
10件のお客様レビュー
高校の教科書では、文明とは四大文明(エジプト・メソポタミア・インダス・黄河)を指していて、それらは大河のほとりにあるとされている。 しかしそうなれば、大河の近くになければ文明は生まれないということにならないだろうか。そもそも、この四大文明はどのようにして定義されたのか。 教科...
高校の教科書では、文明とは四大文明(エジプト・メソポタミア・インダス・黄河)を指していて、それらは大河のほとりにあるとされている。 しかしそうなれば、大河の近くになければ文明は生まれないということにならないだろうか。そもそも、この四大文明はどのようにして定義されたのか。 教科書に載っているから正しい、という表面から、人間を世界スケールで考えて、高地でも文明が発達したのではないか、という奥行きに至るまでの発想と、行動力。 常識的に物事を考えることに飽きてきた頃に読むことをお勧めします。
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世界4大文明はいずれも大河の辺りで発生しているため、文明に大河は不可欠と思いがちであるが、マヤ文明やアンデス文明、チベット文明、エチオピア文明も植物や動物のドメスティケーションを独自に始めている。高地であるということが文明の発生に関わっているのではという見地から論じているのだが...
世界4大文明はいずれも大河の辺りで発生しているため、文明に大河は不可欠と思いがちであるが、マヤ文明やアンデス文明、チベット文明、エチオピア文明も植物や動物のドメスティケーションを独自に始めている。高地であるということが文明の発生に関わっているのではという見地から論じているのだが、少し退屈な議論であると思われた。
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筆者はこの道数十年の研究者であり、とくにアンデスの古代文明についてフィールドワークと研究を重ねてきている。本書はその知見を存分に盛り込んだ意欲的かつ挑戦的な啓蒙書となっている。 著者は教科書にも記述されておなじみになっている大河を中心に生まれたとされる「四大文明」に大きな疑問を...
筆者はこの道数十年の研究者であり、とくにアンデスの古代文明についてフィールドワークと研究を重ねてきている。本書はその知見を存分に盛り込んだ意欲的かつ挑戦的な啓蒙書となっている。 著者は教科書にも記述されておなじみになっている大河を中心に生まれたとされる「四大文明」に大きな疑問を呈する。要約すれば、文明が生まれる条件として「大河」がある必要があるか、むしろ野性植物をドメスティケーションし、栽培作物として定着させ得たかどうかが重要なのではないかという疑問である。著者はそうした観点から熱帯、亜熱帯の高地(具体的に本書で取り上げられている、メキシコ、アンデス、チベット、エチオピア)が文明のセンターとして重要な役割をはたしてきたことを強調し、「高地文明」論を提唱する。 著者が繰り返し述べているように熱帯であっても高地は驚くほど過ごしやすい。確かに高山病などのリスクはあるが、それでも人間は順応してきた。標高が富士山並の3300mであるインカ帝国の首都・クスコなどもそうだ。現在でも30万人の大都市であるクスコがアンデス文明の中心地として栄えたことに多くの人が納得するだろう。 本書を読んでいて昔読んだ中尾佐助の『栽培食物と農耕の起源』を思い出した。中尾氏のこの名著はアジア中心で佐々木高明氏らとともに提唱された「照葉樹林文化論」の基本的文献だが、山本氏の本書はそのフィールドを南米やアフリカにまで拡げていったものとしても読める。とくにアンデスにおけるイモの役割の重要性を述べた部分は圧巻である。アンデスについてはとくに2章分が割かれて詳述されている。 しかし「四大文明」の発案者?提唱者?が騎馬民族説の江上波夫だったとは知らなかった。
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