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フラッシュ・クラッシュ たった一人で世界株式市場を暴落させた男

リアム・ヴォーン(著者), 岡村桂(訳者)

定価 ¥2,200

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2020/11/27
JAN 9784041062128

フラッシュ・クラッシュ

¥660

商品レビュー

3.3

3件のお客様レビュー

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2024/02/24

 2010年5月6日のフラッシュクラッシュの引き金になったトレードは、 イギリスの若者がベッドルームから仕掛けていたというお話。リーマンショック後に取引の大半が高速取引に置き換わっていく中で、それにあらがい裏をかきにいった個人トレーダーがいるという、「巨大市場vs個人投資家」の構...

 2010年5月6日のフラッシュクラッシュの引き金になったトレードは、 イギリスの若者がベッドルームから仕掛けていたというお話。リーマンショック後に取引の大半が高速取引に置き換わっていく中で、それにあらがい裏をかきにいった個人トレーダーがいるという、「巨大市場vs個人投資家」の構図。個人的にはこのパターンの物語は好き。特に証券市場もので。  著者がBloombergのアナリストだけあって、各方面への取材を元に描かれているようで、主人公であるナブの人物像が立体的。生い立ちから、数字に関わる狭く分野で異常に深く優れた能力を発揮できる部分がトレーディングにはまった。しかし対人関係が極端に弱く、結局食い物にされてしまっている。結局これは悲劇、なのかな。  ナブが開発したソフトのロジックなど細かいところまで描かれていて知識としておもしろいけれど、全体として訳のせいなのか、文章に抑揚があまり感じられなくて、物語として没入しきれなかった。映画化されたら見に行きたい。  ナブがスキャルピングで財をなしていくくだりは、その才能も環境もがない自分としてはうらやましい。自分が市場に勝つには、数ヶ月間の中期トレードの方があっているとは思うけれど。  著者あとがきから、類著に下記5冊。 マイケル・ルイス 「フラッシュ・ボーイズ」 スコット・パターソン「ダーク・プール」「ザ・クォンツ」 ジョン・サセックス「デイ・ワン・トレーダー」 エドウィン・ルフェーブル「欲望と幻想の市場」

Posted by ブクログ

2021/11/20

謎の瞬間的な恐ろしいほどの株価暴落のニュースは覚えていました。株式市場はもはやアルゴリズムが勝手に高速に売買しているだけなので、何か変な動きがあるとそれに引っ張られてしまう危険性がある、という事実もその時に初めて知りました。 その後、「フラッシュ・ボーイズ」を読んで、もはや金融市...

謎の瞬間的な恐ろしいほどの株価暴落のニュースは覚えていました。株式市場はもはやアルゴリズムが勝手に高速に売買しているだけなので、何か変な動きがあるとそれに引っ張られてしまう危険性がある、という事実もその時に初めて知りました。 その後、「フラッシュ・ボーイズ」を読んで、もはや金融市場は(意義はあるけど)正しく機能していないと見切りを付けたのですが、その後に書かれたこの「フラッシュ・クラッシュ」は、実はそのトリガを引いたのは一人の人間(の取引操作)だった真実に辿り着くまでのドキュメントです。 当の本人がフラッシュ・クラッシュを起こした訳ではなく、トリガまでで、それに高速自動売買を繰り返すアルゴリズムたちが踊らされて起きたというのは面白いところだし、それ故にこの人物に辿り着くまでに時間が掛かったのも納得できる内容でした。 ほんと、行き過ぎた資本主義、金融中心主義を早く転換していかないと世界が破綻しそうで怖いです。

Posted by ブクログ

2021/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アスペでゲーマーの中堅大卒男が新聞の募集広告きっかけにプロップ指数トレーダーになり異様な集中力とパターン認識力で頭角を現す。稼いだカネを使うことには興味がなく、ひたすら自己のポジションを巨大化することに没頭する。 独立してどんどん巨大化。そのうちに市場を席巻するアルゴリズムをやっつけようと見せ玉を駆使し始める。アルゴリズムに勝つためだということで見せ玉の規模やインパクトなどがどんどんえげつなくなり世界一レベルとなる。そんなところへ2010年にフラッシュクラッシュが発生、原因調査の過程で当局に見せ玉を駆使しまくっていた自身の存在がバレて逮捕。数十億円もってた資産の大部分が没収されてしまう。 本書の舞台となる2000年代後半から2010年代半ばあたりは当局の監視能力や規制が現実に追いついていなかったことで見せ玉が横行、見せ玉を効率よく行うためのプログラム開発、市場参加者からかすめ取るための仕組み構築など脱法的な非道邪道取引が多く行われていた。 主人公はあまりに見せ玉規模が巨大だったので逮捕は妥当なものだったと考えるが、見せしめによる逮捕といった側面もあり、本人の悪意云々ではなく時代が生み出したモンスターだと言えるだろう。 巨大企業となった高頻度取引業者などは何のペナルティもなく我が世の春を謳歌し続けており、見せ玉禁止規則を逆手にとって自社の取引アルゴの邪魔をする人間を不法取引だと当局に通報するようなことも起きているらしい。東証が高頻度取引業者の注文欲しさに高頻度取引業者優遇ルールをガバっと取り入れたのもこの時期のこと。 本書はこの事件の裁判や男の周辺を取材して構成したもの。本人への直接取材はない。板に基づく見せ玉などの具体的手法がここまで詳細に語られた本は稀であると思うので良書。

Posted by ブクログ

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