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ホハレ峠 ダムに沈んだ徳山村 百年の軌跡

大西暢夫(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 彩流社
発売年月日 2020/04/22
JAN 9784779126437

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ホハレ峠

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商品レビュー

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2024/01/28

ダム開発のために地図から消されていった日本の多くの村のひとつに、岐阜県徳山村がある。コミュニティが崩壊したあとも山で暮らしつづける老人たちのもとを1990年代初頭に初めて訪れたジャーナリストの著者は、トチの実やマムシ、種々の山菜などを採り加工し保存する日々の労働を克明に記録するに...

ダム開発のために地図から消されていった日本の多くの村のひとつに、岐阜県徳山村がある。コミュニティが崩壊したあとも山で暮らしつづける老人たちのもとを1990年代初頭に初めて訪れたジャーナリストの著者は、トチの実やマムシ、種々の山菜などを採り加工し保存する日々の労働を克明に記録するにとどまらず、ひとり村にとどまったゆきえさんの人生、そして今や彼女の記憶の中にとどまるのみの村の歴史そのものを掘り出し、現場を歩いて自らの体によって確かめるようにして記録していくことになった。 角入(かどにゅう)という雪深く貧しい集落から一度は北海道開拓民の村へ嫁いだゆきえさんは、なぜまたこの村に戻り、最後のときまで立ち退きを拒んだのか――手探りでたどりついた先にあったのは、まるで集落全体がひとつの生命体であるような、地にへばりついて生存してきた人びとの記録だった。過去の安易な理想化を拒むその過酷さは、共同体の中の個人、特に女性たちや、またおそらくは入植先の先住民たちにも向けられてきたものであったろう。 日本全体が大きく商品経済化していく中で、この村の生活の厳しさを知ればこそ「帰りたくはなかった」というゆきえさんは、しかし最後まで角入にとどまった。そして立ち退き先を訪ねた著者に、「なんでわしが98円の特価品のネギを買わなあかんのや」と凄絶な言葉を吐露する。見たこともないほどの補償金を差し出され「先代が守ってきた財産を一代で食いつぶしてしまった。カネに変えたらすべてが終わりやな」と。 地に縛られ血に縛られながらも自ら重みを引き受けて生きてきた人たちがその中で探し求めてきた解放とはなんだったのか、わたしたちは解放のように見えるものを求めて、なぜこんなところに来てしまったのか。ゆきえさんは14歳ではじめてホハレ峠を歩いて越え、門入の外にあるきらめく海を目にしたという。その細い道を歩き通す重荷を捨てたとき、わたしたちは解放の道を見失っていたのかもしれない。

Posted by ブクログ

2023/02/27

ダムに沈む村に最後まで住み続けた女性。電気もない不便な奥地に住んでいた方が豊かに生きていたと感じられる。その人生は本当に過酷で。開拓使として北海道で暮らしていた時のとても貴重な体験を知ることができました。 読み終えて、歴史に名を残すような壮大な人生ではないはずなのに、ずっとその偉...

ダムに沈む村に最後まで住み続けた女性。電気もない不便な奥地に住んでいた方が豊かに生きていたと感じられる。その人生は本当に過酷で。開拓使として北海道で暮らしていた時のとても貴重な体験を知ることができました。 読み終えて、歴史に名を残すような壮大な人生ではないはずなのに、ずっとその偉大さのようなものに静かに感動しました。 本当にお疲れ様でした。ありがとうございます、と伝えたくなりました。

Posted by ブクログ

2022/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 2006年9月25日早朝、揖斐川を堰き止めるゲートが。徳山ダムの記念日であり、それは徳山村がダムに沈む日でも。水かさが増していき、国道が、学校が、集落が・・・沈んでいく。1500人ほどが暮らしていた徳山村。2005年4月まで最奥地に最後の1人として暮らしていた廣瀬ゆきえさん(大正7年生まれ、2013年8月1日没、93歳)の万感の思いを、徳山村百年の軌跡を、大西暢夫さん(ゆきえさんより50歳若いカメラマン、徳山村で生まれ育った)が取材し書き綴りました。「生きる」ということを深く感じさせていただいた書です。

Posted by ブクログ

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