世界の美しい廃墟の方を「愛でることが出来た」ため、今度は日本の廃墟を...と思ったのだが、 日本のそれになった途端「薄気味悪さ」が全面に立ってきた。海外の写真ではあまり感じなかった「ページを繰る手を洗いたくなる」ような、不気味さと触れてはいけない感により、ランチの味が薄れる感じも味わった。 とはいえ、どこも自分と縁があるわけではないのに、海外の廃墟と日本の廃墟とで、こうも自らの感じ方に差がある理由はなんだったろう。そちらへの興味がむくむくと湧いたが、判然とせず。 ほんとになんでだろうな。 （1か所、家族で以前旅行した先が廃許化して登場していてぎょっとした。その時の、懐かしく楽しかった思い出がまったく写真の風景と重ならず、一瞬にして、記憶のメモリが上書きされてしまいそうになったが、すんでのところで思い出し直して免れたが、危なかった...）

どの写真もすぎし日の栄華や賑わい、人の温もりを感じさせるが、時が戻ることはないことに、すでに半ばを超えた自らの人生を重ね合わせる。 先日あげた世界の廃墟では、石造りの建物が多いことも手伝い、築何百年というものも多かったが、日本の建物は高温多湿や潮風で、こうも簡単に朽ち果てるのかと、衝撃を受ける。 廃医院、カレンダーは1989年10月で止まっている。僕らが就職した年、昭和から平成に変わった年だ。それに比べるとあちこちガタが来ているとはいえ、生き物の体ってのはよくできていて、それなりには再生してくれる。 「#美しき廃墟 ー 日本編」（エムディーエヌコーポレーション編） Day244 https://amzn.to/33l7kyh